THE 仙台 BOOK(仮)通信

去る9/19~30日、仙台×ミシマ社プロジェクト主催となる初の企画、タテタカコ×「book café 火星の庭」×THE仙台BOOK (仮)「ちいさな写真展」をbook café 火星の庭さんで行いました。
(写真展のきっかけとなったタテさんインタビュー記事についてはこちらをご覧ください)
今回はその初プロジェクトのドタバタを、開催に奔走した私仙台メンバー八巻がお届けいたします。
(文・写真 八巻裕子)

第4回 祝・初企画【タテタカコさん小さな写真展】ができあがるまで

2013.11.16更新

何かが、降って湧いてきた

 「このインタビューで撮影した写真を、展示という形で発表しよう。そして、ファンの方をはじめ、まだ、タテさんを知らない方に見ていただこう。そして、これは、取材のために、わざわざライブの前日に、仙台入りしてくれた、タテさんを応援する企画にしよう。」

 インタビューのテープ起こしも、まだなくせに、仙台本の発売日も暗礁に乗っているのに、できあがった写真をカメラ隊メンバーに見せてもらい、一瞬でそう思った。


 6月。
 インタビューの翌々日、仙台の「一箱古本市」に仙台チームとして参加していた私は、そう決めてから、メンバーに「写真展を開く。」と告げていた。

 私は、腰が重くて、「思い描くけど、結局やらない」選択を続けてきたタイプ。
けれど、この、「何かが、自分に降って湧いてくる」感じ・・・ワクワクする気持ち。
このときばかりは、取材を終えた安堵からか、いつもと違っていた。

 私の脳内では、期待ばかりが膨らんで、「写真展を開き、幸福感に包まれている」勝手な自分のイメージが、すでにできあがっている。
 先のことはあまり心配しておらず「費用は、自腹で構わない。方法は、メンバーに相談すれば、どうにかなるな」と考えていたくらいで、そうしたら、あとは動くだけという・・・。
これくらいの簡単な覚悟とスピードで、物事を決めたのは、いったい、何年ぶりだったのか。


まずは誰に相談しよう

 まず、私は当時リーダーだった小野さんに「タテさんの写真展を開きたい。場所は、【火星の庭】」を考えています」ということを小野さんに伝えた。

 当時、仙台でフリーランスで活躍していた小野さんからは「う~ん・・・。じっくり見れることを考えて、写真はギャラリーで展示してみてはどうか」という提案が返ってきた。

 確かに、これには、納得だった。
 だけども私は「このプロジェクトは手作り感が良さ」と思っていたので「ギャラリーは少し敷居が高いかな・・・」と思った。

 また、確実に見ていただきたい方は、タテさんファン、このプロジェクトを知っている方、ミシマ本のファンであった。この条件を満たす場はどこか。

 そして、私にはこういった展示企画の経験が、一切ない。
自分の生活もあり、そんなにたくさん掛けられる「お金もない。」
ない・ないずくしなのだから、「あるつながりを活かした展示にしたい。」という思いが強くなっていく。

 その次に私がメンバー以外で相談したのが、この活動のてんやわんやを一部始終見て、とってもお世話になっている「book cafe火星の庭」の前野久美子さんだった。

 タテさんのインタビュー場所の提供から、ときに本作りのアドバイスまで・・・多岐に渡り、お世話になりっぱなしの、前野さんである。

 先に書いた通り、「火星の庭」であれば、カフェであり、本屋さんであり、タテさんとのつながりもある。仙台にかぎらず本好きの旅行者など、いろいろなお客さんが出入りしている。

 また、店内のフリーペーパーコーナーには、仙台や東北のローカルな情報までもが集まる、私たちの活動にとっても、貴重な情報収集源のお店である。それを求めるアンテナの高いお客さんにも、確実にキャッチしてもらえ、口コミも増えるのでは・・・と考えた。

 私は一箱古本市の打ち上げ(二次会)で、前野さんへ「火星の庭で、タテさんの写真展を開きたいんです!」と伝えた。
 後日、お酒なしの正式な席で再度、前野さんにお話してご承諾をいただいたが、本当はこのことを伝えるのにすごく勇気がいた。


もう一人のリーダー舞さん

 8月。
 本格的に写真展開催に向けて、準備が進んでいく。
 主要メンバーにはすでに話を通し、もう一人のリーダー・舞さんからも「火星の庭であれば、アットホームで自分たちの活動の良さも活かせるね」と、嬉しい意見の一致があった。

 舞さんとは、ミシマ社・三島さんと出会うきっかけとなった、本作りのワークショップ「ちいさな出版がっこう(2012)年」からの付き合いである。

いろいろ大変な時期にメンバーに送ったお手製の旗

 プロジェクトの駆け出しの、参加者が少なく、二人だけの苦しいミーティング時代から・・・本当に大変な時代をくぐり抜けてきた、大切なもう一人のリーダーである。
 そして、開催費用を「自腹でかまわない」という私に「それはダメ! みんなから集めた活動資金で出し合あう」と提案してくれた。
(後に、この件は、主要メンバーからも了解をもらい進めたけれど、私のわがままにつきあってくれ、感謝しています)


本格的に準備スタート

 7月から8月にかけてのミーティングや打ち合わせでは、毎回が締め切り気分だった。
 まず、言い出した自分が準備物の手配、予定を形にしていき、メンバーで共有しなければ具体的に動いていかない。

 それに、タテさんサイドに承諾をいただくのに、おおよその道筋もつけて、開催時期なども同時に検討しなければならない。

 どうしようか悩んでいると、遠く、長野に引っ越したメンバー・小野さんから、メンバーで共有しているネット上の掲示板で、細やかなアドバイスが届いた。

 また、仙台でいろいろな企画を仕掛けている、知る人ぞ知るメンバー・桃生さんからも、写真展開催について、チラシの配布先や枚数から、具体的なアドバイスをもらえた。

 ふと気づけば、相談できる経験豊富なメンバーがいて、本当にありがたいものだ。


 私は、そんなこんなで仙台チームメンバー、火星の庭・前野さん、タテタカコさんサイド、ミシマ社との連絡・調整・相談を重ねていくことになった。

 そんな中、「火星の庭」前野さんに写真展開催の相談をすると、提案が一つあった。
 それは、「写真展で、タテさんのグッズも一緒に販売するのはどう?」というもので、お客さんがお店で、タテさんの写真を見ながら、CDなどのグッズも購入できるというものだ。

 普段、ネット販売やライブ会場でしか手に入らないタテさんのグッズを置けたら、まだタテさんを知らないお客さんにも、手に取れて嬉しいチャンスである。


 グッズ販売は、自分では考えもしない発想だったけれど、「それ、いいですね!」と答えている私がいた。


メンバーのまりなさん

 あとから、そのやり取りを後ろで聞いていたメンバーのまりなさんが「前野さんは以前『仙台の若い人はガツガツしたところがなく、活動も小さくまとまってしまうところがある』と言っていて、今回の企画を(そうならないように)、広げてくれているな、と思った」と、教えてくれた。
 言われてみると、「本当にそうだなあ」と思うのと、こうして気づかせてくれるメンバーがいることに「私は恵まれているな」と思った。

 前野さんは、「(相手方に)一緒に協力を仰ぎながら作っていく」ことで、素晴らしい空間ができあがることを、経験からよく知っている方だ。
 そんな前野さんの言葉は、自分の枠を広げる良い機会になり、本当にありがたい背中の一押しになった。


たくさんの人からのサポート

 7月も終わるころ、私はタテさんサイドへ「9月に行われるライブに合わせて写真展を開催したい」ことをご相談し、ご了承はいただいていたが、グッズ販売については慎重に話を進めていた。

 それは、グッズ販売は「火星の庭」への委託販売という形をとるため、手数料など負担が発生することを、しっかり自分でも理解してご説明したいと思っていたから。
 自分の頭の中で整理して、いくつかの確認を重ねての打診は、ドキドキしたけれど、後にご了承をいただいたときは、本当に嬉しかった。

 また、写真展の企画書作成は、お店での販売方法・手数料など、まったくもってシロウトの私に、メンバーはじめ、前野さん、ミシマ社・長谷さんに教えていただきながら、修正を重ねていき、なんとか完成に漕ぎ着けた。(細かい修正をした、企画書の最終完成版ができたのが9月に入ってから、というごたごたぶり)

 今振り返ると、自分が仕事以外のことで、たくさんの人から力を借りるのは、初めての経験で、学ぶことが多かったと、しみじみ・・・本当にありがたく思っています。


貧乏プロジェクト主催の初企画、費用はどうしようか・・・

 だけれども、いちばん頭を悩ませたのが、開催費用と展示方法である。

 メンバーのカメラ隊に忙しい中、見積もりを取ってもらい、展示方法などを相談すると、いちばん簡易で費用を抑えられるのは、「貼りパネル方法」というものだと教えてもらった。

 ただ、この方法は本当に最終手段で、パネルに写真を直接貼り、更に壁に両面テープでパネルを貼りつけるため、耐久性が低く、壁からパネルが剥がれ落ちる、というリスクがあるということだった。

 そこで、カメラ隊に実験をしてもらい、写真の耐久性を一週間みてもらい、なんとか品質が持ちこたえることが判明した。
 写真は、カメラマンが持っている高性能・家庭用インクジェットプリンターで、一枚あたり数百円の単価で印刷をしてもらえた。大感謝である・・・(涙)

 悩ましい写真の選定も無事に決まると、写真展の展示リストも9割方できあがった。
(また、このリストはタテさん出演のライブでも、ご協力により、配布させていただいた。)

 同時に、前野さんに確認していただきながら作成した、初めての写真展の手書きフライヤーも、メンバーの力を借りて、仙台市内14箇所のカフェや、ライブハウスなどにも配布することができた・・・。


仙台チーム大将・ジュンコさんのタテさんのPOPイラスト

ジュンコさんによる、タテさんのイラスト入りPOP

 今回の展示のもう1つの目玉は、ジュンク堂書店員とイラストレーターをしている、仙台チームの大将ジュンコさんのPOPである。
 おそらく、タテさんのグッズ販売がなかったら、このアイデアは実現しなかったと思う。

 なぜ、ジュンコさんにお願いしたのかというと、以前より、タテさんとジュンコさんのお二人の空気が、とても近いものがあるような気がしていたから。

 例えば、いるだけでその場の雰囲気を明るくしてくれたり、笑顔を絶やさないところだったりと・・・、これはもう、ジュンコさんにタテさんのイラストを書いてもらい「グッズのPOPにしたら、素敵な空間になること間違いない」と思い立った。

 ジュンコさんからは、快く承諾をもらい、さっそく、できあがってきたタテさんのイラストを見た瞬間、「●△■○?!」という、生まれて初めてのテンションになった。

 それは、予想を裏切らずに、予想以上にかわいらしくて、すばらしいイラストになっていた。
しかも、ダテミシマくんと、火星の庭・前野さん、タテタカコさんの夢の競演POPである。
まさに、THE仙台BOOK(仮)×「book cafe火星の庭」×タテタカコさん写真展に相応しい内容のPOPであった。(連載2回目の下部「写真展お知らせ」の画像を参照ください)


女子メンバーによる、写真展の搬入

写真展の飾りつけ風景 @火星の庭

 9月。いよいよ、写真展の前日。女子メンバー4人と展示の飾りつけをすることになった。
ちょうど、仙台は、大型の台風が通過しているときだったので、前日はひやひやしていたが、風が強い他は、雨も降らずなんとかメンバーで集まり準備は完了。
 また、生まれて初めてインタビューの編集をした、ミシマガジンの連載第2回目「タテタカコさんインタビュー」記事も、無事に会期中に掲載決定となりひと安心・・・。

 9月は、常時14人の方々と連絡をとる日々が続いたけれど・・・記憶力の限界を感じつつも、約3カ月間の成果が、どうにか、形になって生まれてくれた。ふー。

次回、 「タテタカコさん写真展のレポート」をお届けします。

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