THE 仙台 BOOK(仮)通信

 今回は、仙台×ミシマ社プロジェクト、「THE仙台BOOK」(仮)、本づくりの舞台裏をご報告いたします。初めての構成案づくりのドタバタ劇です・・・!! どうぞ、ご覧ください!!

(作成:八巻 祐子)

第8回 はじめての構成案ができるまで(前編)

2014.03.02更新

とうとう来た、打診の日

 2013年10月の頭。

 ミシマ社の長谷さんから、私のもとへ、一本の電話が入った。
 それは、暗礁に乗りつつある、「THE仙台BOOK(仮)」、企画に対しての打診だった。

 長谷さんから告げられたことは、「去年の寺子屋ミシマ社で企画していた内容を、一旦、白紙にして、企画の再検討をしましょう!! そして、現時点でのTHE仙台BOOK(仮)を作りましょう!!」という内容の電話だった。

 私は、このとき、「とうとう、来たか」と、思った。いつか、来るのでは、と思っていた。

 そう、なぜなら、一年前の自分たちの描いていた企画と、現実に動いてきた、取材を通しての結果が、明暗、ハッキリと分かれていたからだ。
 そして、何人かのメンバーとの間には、実際に、「一年前の企画を元に動くのは、無理があるね」「いや、まだ無理と決めるのは早いだろう」というやり取りも繰り広げられていた。

 やりたいことと、実際に出来ることの違いを、ヒシヒシと感じていた時期だった。そんな時期の打診だったから、「無理もないな」というのが、私の本音だった。

 この頃、チームの状況としては、かなり、力もみなぎって、フリーペーパープロジェクトという、本のネタ元の収集を兼ねたプロジェクトが、盛り上がりを見せ、イベントへも、力作のフリーペーパーを持って参加するなど、良い状況だった。
 だ、け、ど、も・・・ やはり、これは、本をつくるプロジェクトである。
 いつまでも、この状況に甘んじているわけにもいかない。
 私は、「分かりました。みんなへ伝えます」と言って、電話を切った。


初☆スカイプによる全体ミーティングと会場探し

 2013年10月17日の夜。
 仙台チームとミシマ社の長谷さんとを繋いで、スカイプミーティングを初めて開くことになった。

 ここで、日程調整以前に、大変だったのが、会場探しである。
 これまで、仙台チームの活動拠点は、「ここ!!」という場所もなく、ジプシーのように毎回、放浪していた。なんせ、10人以上のメンバーが集まるときもあるのだから、お店などの、席の確保するのは至難の業である。

 ましてや、インターネット環境のある会場とは、かなりハードルが高く、協力者を探さなければスカイプが出来ない・・・、そんな状況だった。

 そこで、私は、インターネットカフェを使用できないかと考え、ネットカフェのお店の方へ相談した。返事は、「スカイプは可能だが、定員6人の個室を利用してのスカイプ使用のため、10人いるメンバーと一緒の利用は出来ない」というものだった。

 お店の方には、打開策も考えていただいたが、その方法がかなり困難そうであった。
 そして、なにより、お金がかなりかかる。今後、月に一回は、ミシマ社さんをつないでのスカイプミーティングをするなら、毎回は難しいだろう・・・。頭を悩ませた結果、メンバーのツテがないか、手分けして、場所を探すことになった。

 そして・・・
 とある、メンバーが他の活動でお世話になっている、カフェ&ギャラリーのお店ならば、ネット環境も整っているという、情報を聞いた。これで、一安心・・・。安心して、当日を迎えることになった。


ブレイクスルー。アクシデントで地、固まる。

 が、ここで、事件が発生した。スカイプ・ミーティングの当日。
 こちらの連絡・確認ミスで、会場になる予定のお店では、当日はイベントがギャラリーで行われるらしく、騒音の問題で、スカイプを利用するのが、難しいということが判明したのだ。

 これには、かなり、焦った。時間は18時を指し、19時には、余裕でスカイプの手配をして、会議をしている計算だった。お店の方に失礼を謝り、ものの数分でお店を後にしたとき、「まるで、コントみたいだ。これは、今のチームの状況とぴったり重なる。計画があるようで、ないじゃないか。それに、なんて最後のところで、ツメが甘いのだろう。」と、心の中ではなく、思わず口に出して呟いていた。

 しかも、茨城県の日立市から、ミーティングに初参戦したメンバー、宗形さんがいたというのに、である。

 ものの数分で退席させるとは、こうして、ミシマガジンのネタになったから良いが、最低な行き当たりばったりの段取力である。
 が、そうも、嘆いてもおられず、8人分の席が確保でき、かつ、ネットも使える会場を急いで探さなければいけなかった。

 慌てて、メンバーのジュンコさんに、会場変更のことをメールすると、「私も探します!!」という心強い返事が来ていた。
 ここで、ふと、「ネットの使えるカフェを調べることができるサイトがあったな」と思い、携帯電話で必死にアクセスすると・・・いい感じのお店が出てきた。

 そのお店は、「STYLUS」さんといって、パソコンを持っていけば、ネットも使用でき、私たちのような団体であっても、例え人数が多くても、気兼ねなく会場をミーティングで使用できる、オアシスのようなお店だった。

 しかも、場所が、定禅寺通り沿い、地下鉄からも歩いて7分ほどの好立地である。
 このあたりにあるカフェで、よく打ち合わせをしていたが、まさか、こんなに近くに良い場所があったとは。

 仙台の街というのは、こうして、良い条件、心意気の店が、こっそりと隠れているものだと、改めてシミジミと思う。

 この日は、ほんとうにお店の方に感謝した。気持ちのよい会議を行うことができたのは、こちらのお店のおかげである。ありがとうございます。(ちなみに、今もこちらのお店をよく利用して、会議をさせていただいております!!) 


本題のミーティング

 ドタバタの後、なんとかメンバーも揃い、パソコンに強いメンバー・宗形さんの力をお借りし、ジュンコさんのパソコン・マッキントッシュの「マック氏」を利用して、初めてのスカイプミーティングが始まった。

 まずは、これまでの企画を「一旦、白紙にする」ことについて、メンバーと改めて共有した。

 企画を白紙にすることについては、メンバーから、反対はなかったが、これまでの活動の蓄積があるという視点から、「全くの白紙というのはないだろう」という意見があがっていた。

 そして、その上で、改めて、現時点でどんな、本にしたいのか、メンバーで共有する時間を持った。

 ジュンコさんからでてきたものは、「THE仙台BOOK 」(仮)を、「日常的なラブレター集」的な一冊にしよう、というものだった。仕組みとしては、これまで、メンバーが各々で作ってきたフリーペーパーを束ねて、その中でお店を取り上げるのなら、手書きの地図なども書き入れ、読者にお店まで足を運んでいただこう、というものである。

 ラブレターというのは、私たち、書き手の想いを、手紙に仕立てて、取材対象の方へ、そして何より、読者の元へ届けるというものだ。

 これなら、コンセプトとしても、キャッチコピーとしても、自然であり、「すとん」と落ちるものがあった。


カチリ、とスイッチが入った

 この日のミーティングで、私がいちばん記憶に残ったのは、「企画書をつくり、ミシマ社の企画会議に出しましょう!!」という、長谷さんからの一言だった。

 この一言で、「ざっくりとした、構成もつくろう」という提案が、ジュンコさんからあがった。 

 このとき、「いよいよ」 という空気にチームが切り替わっていったのは、今、振り返ってみても、「そうだったな」という、感覚が残っている。

 これまで、どちらにオンをすれば良いか迷っていたスイッチが、一つ、「カチリ」と入った気がした。

 それは、本づくり、次のステップを踏み出せる、結構、重要なものだった。課題になっていた、次回からのミーティング場所も、土壇場で確保をし、何をすべきかも現実的に見えてきた。

 具体的に本をつくる。動き出せる。

 この日を境に、より具体的に、本を創造する時期にチームが突入していった。


                               (後編へ続きます)

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