実録! ブンヤ日誌

第4回 サムライを好きになったプリンセス

2010.03.15更新

今月5日の午後、文化社会部が騒然となりました。社内に放送される共同通信の配信で「愛子さま、乱暴な男児のため不登校状態に」の一報が舞い込んだのです。

「ひどい話だなあ」と思いつつ「カンベンしてよ~」と嘆きました。僕は学習院のOBなのです。ウチは中流家庭なので、むろん大学のみの在籍ですが、わりと愛校心だってあります。なのに、ここのところマイナスな話が多発。麻生前首相(この人もOB)が「未曾有」を「みぞゆう」と読んで以降、しばらくは「おまえのトコは漢字教育が出来てないんじゃないか」と揶揄されまくりましたし・・・。

とにかく、5日からは四谷にある学習院初等科に通い詰めました。カシミヤだのレザーだの高そうなコートをまとった「ご学友ママ」に50人以上無視され続け、教師や宮内庁職員にニラまれ拒まれ続ける日々も、悪くないものです。

愛子さまには、ちょっとした思い出があります。昨年7月、神宮球場でのヤクルト―横浜戦を観戦された時、取材に赴きました。公式戦では21年ぶりの台覧試合(有名な「天覧試合」は天皇陛下が観戦した時で、以外は台覧試合と呼ぶそうです)ということで、デスクの指令はズバリ「愛子さまの一挙手一投足を追え!」。僕はスタンド席から試合を見つつ、構えた双眼鏡で貴賓席の様子を眺めました。「誰々が打った時に笑顔になった」「こんな場面で雅子さまに話しかけた」「ファウルボールに備えて、すぐ下で宮内庁職員がグラブを構えている」などとノートに書き続け、ふと気が付くと僕は3人の男に包囲されていました。宮内庁、ヤクルト球団、神宮球場の関係者です。「おたく、誰?」「ホーチです」「いますぐやめて」「はいっす」


スタンド作戦は不発に終わりましたが、試合前の取材で、ある事実が判明していました。愛子さまは昨年のWBCをテレビ観戦して以降、横浜・内川の大ファンになったらしいのです。試合前に対面した時は、満面の笑みで犬の写真を差し出しながら言ったそうです。
「犬、見ていますよ。私の犬も見てください」

なんと、愛子さまは、日頃から内川のブログをチェックして、愛犬を育てる様子などを読んでいたというのです。想像してみてください。夜も更けた東宮御所の一室で、パソコンのマウスを握りしめ「横浜 内川」などとググり、ブログを「お気に入り」に追加している様子を。お世話をする人は「殿下、お好みは内川で・・・」とでも言うのでしょうか(言うわけないか)。なにせ、イチロー、ダルビッシュ、川崎ら二枚目揃いのサムライジャパンで、あえて内川というシブい選択肢です。本人が「正直驚きました」と語るのは正直な気持ちでしょう。

結局、試合は1点をめぐる熱戦となり、愛子さまは予定を延長して試合終了まで観戦しました。内川は、長嶋茂雄が天覧試合で打ったサヨナラホームランほどではありませんが、フェンス直撃の二塁打を放ってプリンセスの想いに応えます。「日本人で良かった」。不登校問題が公になった直後も、内川はオープン戦11打席目での初安打を打って「頑張ってほしいと思う。いちばんいいのは元気になってもらって、学校に通ってもらうことです」とエールを送りました。開幕してからも打ちまくって、新学期を迎える愛子さまを元気づけてほしいものです。

それにしても気になります。プリンセスは内川とフジテレビ・長野翼アナとの結婚を、どのように思っているのでしょう・・・。

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北野新太(きたの・あらた)

1980年1月、石川県七尾市生まれ。
学習院大学法学部政治学科在籍中に雑誌「SWITCH」で雑誌編集を学び、卒業後の2002年に報知新聞社入社。以来、編集局勤務。担当遍歴は、日韓W杯—常総学院—柏レイソル—社会—映画—音楽—アテネ五輪—社会—読売巨人軍—和田アキ子 —NHK—社会(現所属)とムチャクチャ。猫背の完治が生涯の目標だが、巨人・原辰徳監督に「生き方が曲がってなければいいんだ!」とエールを送られたため、とりあえず先延ばし中。好きな言葉は「人間には、燃え尽きる人間と、そうでない人間と、いつか燃え尽きたいと望み続ける3つのタイプがあるのだ」

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