コーヒーと一冊の部屋

第3回 今、『声に出して読みづらいロシア人』が熱い!!

2015.09.06更新

 コーヒーと一冊『声に出して読みづらいロシア人』は近頃、書評ラッシュ。大物作家さんをはじめ、様々な方が次々と取り上げてくださっています! 書評を読むと、思い思いの楽しみ方をされている様子。今回はそんなポテンシャルをもった本書の書評をご紹介します!


恩田陸さん(作家)

              新潮45 読書日記(2015年9月号)


 ベートーヴェンの三重奏の演奏者をフルネームで言うと、スヴャトスラフ・テオフィーロヴィチ・リヒテル(ピアノ)、ムスティスラフ・レオポリドヴィチ・ロストロポーヴィチ(チェロ)、ダヴィド・フョードロヴィチ・オイストラフ(ヴァイオリン)で、互いに呼び合うだけで演奏時間の半分が潰れるのではないかという危惧に爆笑。


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津村記久子さん(作家)

毎日新聞夕刊(2015年8月25日)


 名前があくまで、基準であるため、専門がないのが功を奏していて、ロシア文化を横断的に、かつ軽やかな感じでなぞることができるのがとてもありがたい。(...)本が終わる直前に、スヴィトリガイロフ、スメルジャコフとカラマーゾフ、とドストエフスキー小説の登場人物を取り上げ、ドストエフスキーについての記述で締めて、結局『罪と罰』や『カラマーゾフの兄弟』が読みたくなる、という構成も心憎い。ロシアという国が少し近くなり、更にそれより一歩先へと気軽に導いてくれる本である。


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幅允孝さん(ブックディレクター)

「らしさに出会える食メディアF00DIE」


 僕の目を疑ったのが『声に出して読みづらいロシア人』という松樟太郎の本。そんなコンセプトで本をつくっていいのか? と思ったのだが「コーヒーと一冊」では、全然オーケイ。彼らは自由なのだ。
 これは、「名前の響きが怪しげである」かどうかという基準のみで選ばれたロシアの政治家や芸術家、軍人、宇宙飛行士などの人物名鑑なのだが、ひたすら「役に立たない面白さ」を追求する姿勢には感服する。

 見開きひとりのペースで紹介されるヘンテコで読みにくい名前のロシア人の来歴に思わずくすり。もちろん正確な歴史を踏まえてのエッセイなのだが、著者の松のツッコミは冴えまくっている。ベレゾフスキーとホドルコフスキーは、「敵っぽい名前」。「名前の長ったらしさ界の真打ち」は作家のサルトゥイコフ・シチェドリン。松の選ぶ最も格好いい名前はアレクサンドル・イサーエヴィッチ・ソルジェニーツィン。確かになんだか凛々しい気がしてきたぞ。


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古書マスク堂さん


 翻訳本ってまず立ちはだかるのが外人の名前の長いことや、頭に入りづらいお名前なんだけど、これ、読むとちょっとロシア人の名前に親しみがわいてくるから不思議摩訶不思議。トルストイの文学作品読む前にこちらを読んでみてはと言いたくなるくらい面白い。参考書のように時々出てくる太字が楽しく学習意欲を掻き立てるのである。

 ポチョムキンとか言いづらいでしょ。でもこれ読むと、連呼したくなるから(笑)
 一人ずつ見開き1頁使って、その難解な舌を噛みそうな人物について面白く紹介されていて、ロシアのことももっと知りたくなるのだ。


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 いかがでしたでしょうか。大物作家から、ブックディレクター、古本屋さんまで、幅広い層に支持されている『声に出して読みづらいロシア人』。ロシア人名だけにフォーカスを当て、その魅力を最大限に引き出すという、空前絶後の本書。
 ただ響きを楽しみたいという方にも、またロシア文学入門としてもおすすめです! お買い求めはこちらで。

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