コーヒーと一冊の部屋

第9回 たもんのインドだもん展 開催中!

2016.10.10更新

 今年8月に発刊され、好評いただいている矢萩多聞さんの『たもんのインドだもん』。このたび京都オフィスから徒歩5分のブックカフェ&ギャラリー、UNITE'(ユニテ)さんで原画展が始まりました!会場には『たもんのインドだもん』に収録された原画のほか、多聞さんの描かれた過去の作品やポストカードも展示されています。今回は店主のハガミキオさんに展示のこと、そして『たもんのインドだもん』のこと、いろいろお伺いしました!


――今回はどういう経緯で展示をされることになったんでしょう?

ハガ矢萩さんの『偶然の装丁家』をミシマ社の本屋さんで買って。それから気になっていたんです。本もおもしろかったし、装丁という仕事にも興味が出てきて。それとインドの細密画に影響を受けた、というところも気になっていて。細密画って僕自身も好きなんです。
 で、今回ミシマ社から本が出るっていうことでお声掛けいただいて展示できることになりました。

――以前から多聞さんもここには来られてるんですよね。

ハガしょっちゅうではないですけど、たまにきて、なんか飲んですこし話して帰られることはありますね。おおらかな方ですよね。小さなことにこだわらないというか。そういうおおらかさは今の時代、特に大事かなと思いますね。それがもしインドというベースからきているとしたら興味深いです。


――多聞さんの絵はいかがですか?

ハガいいですね。好きです。こうやって過去の絵と並べてみると、ベースがずっと一緒だなっていうのはあるし、ちょっと発展していってるなっていうのはみててわかります。装丁が本業でしょうけど、絵の方もずっとしてほしいなと思いますね。
 これまでの展示も林哲夫さんや武藤良子さんなど、本とかかわりになってる方が多いんですよ。うれしいですよね、そうやって展示が本という形になってるってのは。

――『たもんのインドだもん』はいかがでしたか?

ハガインドって行ったことないんです。本とかで読んで、興味はありますけど未知の国でした。なんか覚悟いるじゃないですか。求道というか。あと体のコンディションとかもいろいろえらい目にあうって聞いてるんで。覚悟が必要なのかなっていう。でも死ぬまでにいけたらなと思っています。
 この本に書かれてておもしろかったのは、インド人の距離感。ぐわっとはいってくる。自分の言いたいことやりたいことがあればストレートに入ってくるっていう。昔の日本の田舎ではあったかもしれないけど、今の日本にはなくなってしまったそういう空気感っていうのが、本に書かれていることと自分が考えてることと合致したというか頷けるとこがありました。

――なるほど。

ハガ逆にインドのテクノロジーのこと、タクシーの配車の話はびっくりしましたね。リキシャーとか走ってる隣でハイテクを駆使して利便性を追求しているとこがすごい切り離れてて、ぶっとんでて、でも共存しているその落差はすごいなと。それもインドの魅力ですよね。
 書き方も、旅行記であったら通り過ぎるだけですよね。でも多聞さんは向こうで生活してるから。この本では現地の人ともっと濃密な関係が描かれてる。よりインドとインド人が分かる気がします。
 僕らの世代はポパイが創刊されたり、ホームドラマの「奥さまは魔女」とか見て育ったんです。アメリカ文化に染まって。それを真に受けて実際行ってみたらすごい落差で。貧富の差とか。これが現実、というのに直面してひねくれましたね。笑 でも貴重な経験だった。日本しか見てなかったら分からないこといっぱいあるなと。海外の文化や生活を知るってすごく大事なことやなと思います。

――「コーヒーと一冊」というシリーズについてはどうですか?

ハガこのシリーズのいいところは、タイトル通りちょうどいい厚さページ数でちょうどいい体裁をつくってるところですかね。僕らにとっては、ていうか僕にとってですけど、この年になると集中力がなくなってきて。昔は分厚い本でも一晩かかってでも読み通してたけど今はもう途中でギブアップしちゃったり。読みかけの本がいっぱいあるんです。そういう意味ではありがたい。1日で読みきりましたね。ちょうどいい。
 それからこのシリーズは、多聞さんもそうですけど、その道の専門家が有名無名問わず書いてるっていうのがすごい興味深いんですよ。そういう方と友達にならんと聞けないこととか書いてあるんで。


――お店で本を読む方は多いですか?

ハガブックカフェなんで、多いですね。朝から夕方までおられる方も。まれにですけど。持ってきたりここの本を読んだり。みなさんちゃんと本読んでおられますね。

――本とコーヒーっていうのは?

ハガ本といえばコーヒーですよね。笑 
 本って読もうと思わないと時間作れないじゃないですか。とくに結婚したり子供がいたりすると。そしたら本を読むっていう場が必要なんじゃないかなと。書斎とかあればいいですけどそんな家ほとんどないし。どっかで場所をつくって読むっていうことしないと。なんかしながらスマホで読んでとかさみしいでしょ。ちゃんとした「読む」っていう場がないと。本読むときはきちんとよむ。そういうのってきれいじゃないですか。みてても。
 本を読むって簡単なんだけど、インドに行くとか、装丁家の半生を聞くみたいにいろんな経験ができる。それってすごく魅力的ですよ。

――多聞さんの展示を楽しんだあとは、コーヒーを飲みながらゆったり読書をして欲しいですね!ありがとうございました。

たもんのインドだもん展

会期:~10月16日(日)
   ※12日(水)はおやすみ
   ※15日(土)、16日(日)は矢萩多聞さん在廊予定

場所:BOOK CAFE&GALLERY UNITE'
   京都府京都市左京区川端通り二条上がる東入ル新先斗町133 サンシャイン鴨川1F



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