編集後記

2011年3月号 編集後記

2011.03.31更新

このたびの震災に際して、ミシマガを見てくださっているみなさまやご家族、ご親戚等のみなさまのご無事をお祈り申し上げます。
また、被災された方々とそのご家族、ご関係者のみなさまには心よりお見舞い申し上げます。

昨日話した書店員さんから、素敵な言葉を聞いたのでお伝えします。

「震災があってわかったんだけれど、こういうとき人にできることって、
 まず身近な人の不安を少しでもやわらげることしかないと思ったよ。
 その相手が家族でも、部下でも、被災地での活動でも本質は一緒で、
 みんな誰かの不安をやわらげるために頑張ってるんだとわかった」

すぐ被災地に飛んで直接活動できていなくても、現地の無事を祈りながら、まずいつも関わっているみんなを少しでも元気にできたらいいな、わたしもそう思いました。
ミシマガでは、読むと元気になるコンテンツを今後もお届けしたいと思います。

(林)

春の夜の散歩はことのほか楽しいです。背中を丸めて歩いていた真冬が嘘のようです。今は沈丁花の香りが鼻をかすめるたび、何やらうきうきしてしまって、1時間ぐらい寄り道して帰ってしまっています。沈丁花の名前の由来は香辛料の丁子(ちょうじ、クローブ)のような花をつけるという意味合いから由来しているそうです。そしてこの花の花言葉は、「栄光」「不死」「不滅」「歓楽」「永遠」。この春、日本はとても辛い状況のなかにいます。今の自分にできることを最大限、やっていきたいと思います。

(森)

このひとつきで、世界は驚くほど変わってしまいました。
こんな事態が起きるとは、想像だにしていませんでした。
ことばの無力さを痛感する一方で、こういうときこそ力を持つことばでなければ意味がないとも思いました。
奇しくも震災が起きた日に、「東京今昔ものがたり」の記事が公開となりました。
麻布十番・崇文堂書店の斉藤さんは、1919(大正8)年生まれの御年92歳。これまでの人生を振り返り、敗戦を乗り越えた思い出も語ってくださいました。
斉藤さんのお話を伺って、私自身は「自分ももっと頑張らねば・・・」という気持ちになりました。
この記事を読んで、同じような思いを抱いた人がいたとすれば、伝え手としてこれにまさる喜びはありませんし、苦しい状況を生きている人にとっても、一筋の希望になるのではないかと思っています。

(萱原)

震災が起きてから3週間が経とうとしています。未だ被害の全容は見えず、避難されている方々への救援も十分には届いていないようです。それに加えて原発の事故という新たな危機が起こり、直接の被害にはまだあっていない首都圏の人々も、落ち着かない日々を過ごしています。この地震は、これまでの日本社会のあり方を、あらゆる面で根底からつくりかえるものとなるだろうと感じています。個人一人ひとりの生き方も、変革を余儀なく迫られることになるに違いありません。出版もまた、震災前と、震災後で、あらゆる面で変わっていかなければなりません。むしろ今こそ、「一冊の力」が必要なのだと思います。これからさらに、「一冊の力」を信じて、出版活動に励んでいきます。

(大越)


□□【蔵出しミシマガジン】□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
   テーマ:「筍」

[となりの坊さん。]第1回 仏教ワークショップを試してみる(2010年7月7日、14日掲載)

 今回、『となりの坊さん。』を書き進めるにあたって、僕たちが今、仏教から"うれしいもの"を受けとれるとしたら、どんな方法が有効だと思っているかをまず、整理して考えてみたいと思います。

 まず僕にとっての「坊さんの仕事」とは、仏教を学び、感じ、それを生きるヒントとして生活し、そのことを伝える、ことだと考えています。これが、みなさんの前で語るうえでの、すべての土台になるように思うのです。つまり仏教から"うれしい"可能性の種をたくさん見つけて、使える形に仕上げていくこと。それは、まるで形を持たない伝統的な工芸品を、現代の人たちに多く使ってもらえるような方法を考える、見習い職人でありプロデューサーであり農夫のような立場であると感じます。


[本屋さんと私]第57回 夏葉社は、まちのパン屋さんのような出版社を目指しています(2011年1月18日掲載)

夏葉社・島田潤一郎さんのインタビュー第2弾。
前回は、島田さんが夏葉社をつくるまでの話をお届けしました。

夏葉社が、これまで世に送り出した本は2冊。
ひとつが、ユダヤ系アメリカ人作家・バーナード=マラマッドの短篇集『レンブラントの帽子』。もうひとつが、東京は大森で古書店を営み、川端康成や三島由紀夫をはじめ数多くの作家と交流をもった関口良夫氏のエッセイ『昔日の客』。

今回は、この2冊の本がどうやって生まれたかを伺います。
それぞれの本に、万感の思いが込められている。誕生までの物語がある。
その思いと物語を、是非、とくとご覧あれ。


[ある日の数学アナ]第16回 途中式の効能(2010年10月8日掲載)

今や何か文書を作成するとなるとパソコンで・・・という方がほとんどだろう。
オフィスの文書、レポートの作成、メールのやり取り、学校などの講義をメモする。
ありとあらゆる場面でパソコンが登場して久しい。

でも、手書きにこだわっている方や筆の感触を求めているという方の話を聞くと
「確かにその方が伝わるような気がするなあ」と思わなくもない。
「真心や人柄が滲み出ますし」なんて言われた日には
一瞬「ドキッ」としてこりゃ筆まめな人にならねばと
努力をしたこともあるのだけれど、
やっぱり長続きしなかった・・・私だけ?


[ミルコの六本木日記]第4回 知らない人に怒られる (2009年11月6日掲載)

平日の夕方、地下鉄に乗っていた。

車内はやや混んでいたが人とぶつかるほどではない。
席は埋まっており、私はつり革につかまり立っていた。
マスクをしている人も何人かいたなかで、私はのどの渇きが気になって、
肩にかけていたかばんからペットボトルを出し、水を飲んだ。

手術の後遺症でいま右手が不自由な私の動きは、にぶかっただろうとは思う。しかし飲むとき誰かに肘をぶつけたり、水をかけてしまったりといった迷惑はなかった。
なのにとつぜん、隣に立っていた人が、私に怒りだした。


[白山米店のやさしいご飯]第21回 アスパラのサラダ カリカリベーコンとろーり卵のせ 他2品(2010年4月30日掲載)

 ●お醤油風味の素朴な味つけ タケノコご飯

 <材料(4~6人分くらい)>

第21回白山米店

 <作り方>
 1.米を洗い炊飯器に入れ、水2カップ(分量外)に1時間つけておく。

 2.鍋に<材料>のAを入れ、肉をそぼろにする。次にBを入れ、サッと煮合せる。
   煮汁だけ取りわける。

 3.炊飯器の3合のメモリまで、煮汁と水(分量外)を入れる。
   塩、昆布、荒熱の取れたタケノコをのせ、スイッチを入れて炊く。

 4.炊き上がったらさっくり混ぜて蒸気を逃がし、炊きたてをいただきます。

「湿った土のついた新鮮なタケノコを見かけると、つい買ってしまいます。白山家の「筍ごはん」、この作り方の他に、油揚げと鶏の小間肉、みりん少々の入ったボリュームのあるのも作ります。モチ米も加えれば、美味しさアップです」(ママン)


「毎日の食事作りは、とても時間がかかります。 食材の買い物、洗う、切る、焼く、煮る、調理道具と食器の片付けと不合理的なことばかりだから、好きになって楽しくできたらと思います。 時々でもお料理を作られるようになると 健康ばかりか、おいしい物を自分で作れて、 周りを喜ばせるご褒美まであります。 まずは、ごはんを炊いて! 熱々のホカホカごはんの湯気とやさしい匂いにほっとします」(『自由が丘3丁目 白山米店のやさしいごはん』あとがきより)


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発行人:三島邦弘

編集人:大越裕

ミシマ社 営業チーム、仕掛け屋チーム

ウェブ編集:松井真平

ライティング

森オウジ
特集:『逆行』特別企画 夢の師弟対談
本屋さんの遊び方:J STYLE BOOKS 大久保亮さんに聞きました

萱原正嗣
東京今昔ものがたり

イラスト MARINO (ブリン)
トップページ、「読む女」「<構築>人類学入門」「声に出して読みづらいロシア人」「本屋さんと私」「スポーツ紙バカ一代」「喫茶店入門」

編集協力

白髪鬼
「声に出して読みづらいロシア人」

足立綾子
ミシマ社の話

ウェブディレクター 蓑原大祐 石山豊(株式会社アンアンドアン)
Web制作 株式会社アンアンドアン

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