編集後記

2011年4月号 編集後記

2011.04.30更新

今月の特集でもご紹介したミシマガK-POP研究会編著
もっと知りたい!K-POP』の見本が届きました!
このような状況のなか、無事に発刊できたことに、ただただ感謝する次第です。

特集記事を4/25に掲載したあとに、K-POP関連のニュースがいろいろと飛び込んできました。
日本デビューが延期されていたSHINeeが、6/22に名曲「Replay」の日本語版でデビューが決定したり、またつい先ほど、KARAの一部メンバーが訴訟を取り下げ、KARAの活動が再開されるニュースも!(K-POPを追いかけていると毎日のように新しいニュースが飛び込んでくるんです・・・)

SHINeeはボーカル、ダンスともにK-POPシーンにおいて最高レベルのグループ。
本当にパフォーマンスが素晴らしいので、たくさんの方々にご覧いただきたいです。

(足立)

最近、学術書を読んでいます。『サイエンス社』とかから出てる、固い表紙の堅いやつ。大学のときにしか読まないような、教授に無理矢理買わされる、いわゆる"テキスト"と呼ばれるものです。
学術書を大学の教室ではなくて、土曜の昼下がりの公園など、少し違う文脈で手に取ると、とても面白いものです。たとえば今は、『情報処理心理学入門』(P.H.リンゼイ著、D.A.ノーマン著、中溝幸夫訳)という本を読んでいます。この本では、たとえば人間が「A」という文字を認識するときに、脳のなかではどんな電気信号のやりとりが行われているかなどを明らかにしてゆきます。

人は「A」を認識するとき、まず「A」を「/」と「\」と「−」に分解して知覚データとして取り込み、さらに過去の概念の記憶がそこにバイアスをかけることによって、ただの線の集合を初めて「A」として認識します。それも光のような速さで。

こんなことは、日々生活しているなかでは、特に必要としないかぎり、不要な知識だと思います。
それでも、知ることに我々の脳はとても喜ぶ。学ぶことは、本来そうした素直な喜びに裏づけられるべきだと読んでいて思います。

それに学術書には、HOW TOはほとんど書かれておらず、研究者によるWHAT WE LEARNが書かれている。つまり"作品"になった知性=研究なのですね。なので、読み手は常に彼らの壮大な知識の回路に挑み続けなければならない。与えられる知識に全面降伏して取り入れるのではなくて、自分で手にしてゆく感覚というのは、とても新鮮です。

研究者の率直で切実な喜びの瞬間の精神状態というのは、実は土曜日の午後のような、とてもリラックスした瞬間に似ているのかな、とも思います。

そんな週末研究者を気取る日々です。
もうすぐに夏ですね。

(森)

京都に、行ってきました。

3月下旬、春のうららかな京都を期待していましたが、
しんしんと雪が降り、身を刺すような寒さでした。
そんななか、三つの書店を訪ねてきました。

古書善行堂ガケ書房恵文社 一乗寺店
 *恵文社 一乗寺店は5月2日(月)掲載予定です。

どの店も、「そこにしかない佇まい」が確かにあり、
店主(店長)のみなさんの、本への、読むことへの、
溢れんばかりの大きな大きな愛が満ちていました。
印象的だったのは、みなさんお客さんにしっかと眼差しを向けていることです。
それは、商売の基本であるという以上に、
愛すべき本をひとりでも多くの人に届けたい、その思いの現れのように感じました。

小生、本屋さんが大好きで、本屋さんに行けない日が続くと禁断症状に襲われます。
何なら、自分が本屋さんになればいいんじゃないか・・・。
そんなことを、にわかに、まことしやかに考え始めている今日この頃です。

(萱原)

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   テーマ:「卯の花の咲く季節」

[仕掛け屋だより]第3回 笑顔が、笑顔を。(2009年9月15日掲載)

読者の方へ会いに行く企画、二回目の今回は、大阪の読者の方と会ってきました。
待ち合わせは通天閣
・・・なんで通天閣やねん!!
なーんて少々思いながらも、行ってまいりました、大好きな大阪へ。

今回は匿名ご希望なのですが、Iさん35歳、天王寺駅界隈にお住まいで、専業主婦をされておられる女性です。
暑い空気が停滞している残暑厳しい大阪。
最寄りの天王寺駅で降りて、通天閣目指して歩きます。
待ち合わせの目印は、Iさんは花柄ワンピース、わたしは水玉ワンピース。
花柄の人、花柄の人、とぶつぶつ言いながら歩いていると、ショートヘアーの、それらしき服を着た美しい女性が手を振っておられます。


[本屋さんと私]第50回 「移行期的混乱」とは何か?(平川克美さん編)(2010年10月18日掲載)

「文学者と詩人が、この世でいちばん偉いと思っていた」
そう語る平川克美さんは、ベンチャー企業の支援事業を営む「リナックスカフェ」や、著名人の音声コンテンツを企画販売する「ラジオカフェ」など、複数の会社を率いる、現役ばりばりの経営者だ。
30数年前、内田樹氏とともに翻訳会社を設立。以来、ビジネスの現場にどっぷりと漬かりながら、「仕事とは何か」「給与とは何か」といった根源的な問いを考え続けてきた。

この秋には「ビジネス論三部作」のまとめにあたる『移行期的混乱』(筑摩書房)を刊行。今の日本が置かれている状況を、文明史的な視点から読み解こうとする同書は、経済学者やエコノミストが語る経済論とはまったく違った説得力を持っている。
詩人になりたかった経営者、平川氏。その思索の源に迫った。


[本のこぼれ話]第1回 脱「ひとり勝ち」社会の作り方(2009年7月6日、7月13日掲載)

・・・ところで、CO2 はいろんなところから放出されているように思いますけれど、環境問題的には、実はたった4つの排出源からしか出ていないんですね。一つは、焼畑や人々の生活での火の使用。それ以外は、自動車、製鉄、火力発電所、この3つしかありません。

ですから、もし太陽電池で電気をおこし、そのエネルギーで自動車が走るようになる。そして、製鉄や生活に必要な熱を得ることも太陽電池によるエネルギーでやるようになれば、温暖化の問題は単純に解決できることなんです。

よく温暖化の議論で言われるのが「人間が贅沢しすぎるからだ」というモラルの問題です。あるいは、「人間の技術が進みすぎたことで温暖化が進むんだ」というような議論がありますが、そんなことはありません。では何が問題なのか。「1800年代に生まれた技術を今でも使い続けていること」自体が問題なんです。


[<構築>人類学入門]第14回 「社会」と「世界」をつなぐもの(2010年8月20日掲載)

最初に「よりよい社会/世界をつくるための人類学をめざして」と書いた。

大きな目標を掲げてしまって、いまになって苦しんでいるのだけども、ここまで書いてくるうちに、なんとなく越えるべきハードルがみえてきたように思う。

途中から「社会」という言葉は使っても、「世界」という表現を控えてきた理由もそこにある。

「精神」、「経済」、「感情」、「関係」。
いずれの回も、いまここで対面し、行為している人と人との「あいだ」に出現する何かとして描いてきたし、考えてきた。

そうやって、いろんな「やりとり」を交わす間柄の集合体が「社会」だとしたら、「世界」は、その関係を超えた遥か向こう側にまで広がっているような領域だといえる。

じっさいには、そのふたつに明確な境界線を引くことはできないのだけれど、ぼくらの想像のなかでは、つねに「つながっている」と実感できる場所や間柄の外に、そこからは手が届かない「世界」が広がっているようにみえている。


[東京今昔ものがたり]第1回 崇文堂書店(麻布十番)・斉藤光男さん(2011年3月11日掲載)

麻布十番と言えば、多くの外国人が行き交うインターナショナルな香り漂うまち。
その十番商店街で唯一の書店、崇文堂書店の二代目店主、斉藤光男さんが今回の主人公だ。
崇文堂書店は、戦前、斉藤さんの親の代から、麻布の地で店を構えている。

斉藤さんは、1919(大正8)年生まれの御年92歳。
戦前、父親は、本のまち神保町で小さな出版社と取次会社を営み、母親は、麻布十番で書店を開いていた。斉藤さんは少年期を神保町で過ごし、戦後になって十番に移り住んだ。

今回、斉藤さんが語ってくれるのは、本のまち神保町の戦前の様子に始まって、少年時代に体験した歴史的事件の空気、軍都東京の記憶、戦後の麻布十番の様子に出版事情の変遷まで。いずれも、東京新参者には耳新しいことばかり。

東京今昔ものがたりの、はじまりはじまり。


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発行人:三島邦弘

編集人:大越裕

ミシマ社 営業チーム、仕掛け屋チーム

ウェブ編集:松井真平

ライティング

内山菜生子
今月の一冊:2011年4月

足立綾子
特集:ミシマガ発!初の書籍化記念特集 第一弾 2011年春 K-POP最旬情報!!

森オウジ
ミシマガ・ミュージック:明和電機さん

萱原正嗣
本屋さんの遊び方:京都編・古書善行堂 山本善行さん 京都編・ガケ書房 山下賢二さん

イラスト MARINO (ブリン)
トップページ、「読む女」「<構築>人類学入門」「声に出して読みづらいロシア人」「本屋さんと私」「スポーツ紙バカ一代」「喫茶店入門」

編集協力

白髪鬼
「声に出して読みづらいロシア人」

足立綾子
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