編集後記

2011年12月号 編集後記

2011.12.29更新

ずっととまっていた「月刊城陽」を、やっと再開することができました。単純に、私の怠惰が原因でしたので、なんだかほっといたしました。本当は、城陽市にお住まいの「森の案内人」ユタカさんのインタビュー記事も載せたいと思っていたのですが、それはまた今度ということで。これからも、城陽からよろしくお願いいたします。

(窪田)

『計画と無計画のあいだ』発刊記念トークイベントの特集記事を書かせていただきました。
弊社代表の三島と夏葉社代表の島田氏、初対面とは思えぬトークの盛り上がりに会場は大満足の様子でした。
トークの内容は、「精神的に火事になってしまった」「炎上状態でした」という表現からもわかるように(?)、本当にアツかったです!なかなか真似できない二人の個性的な感覚が際立ちましたが、すべての行動が「いい本をつくる」という一点に繋がっていて、とてもまっとうな感覚だと思いました。

私も通り過ぎていく面白い玉をつかめるよう、日々感覚を磨いていきたいです!

(富田)

今月、無事に『透明人間⇄再出発』が発刊できて、感無量のアダチです。
本のこぼれ話で、世界初の製本について、ご紹介しましたが、本書制作中にはいろいろなことがありました。

最後の最後まで本の仕様を検討していたため、表紙まわりの紙がなかなか決まらなかったり、製本について二時間はアツく語るKさんの独特なキャラクターなどなど。
私は青山裕企さんの直筆のサインをもらうべく、出張帰りの青山さんを羽田空港で出待ちしたり・・・。

そんなドタバタをマンガにした「『透明人間⇄再出発』物語」を書店さんで配布しようと現在制作中です。ネット上でも「『透明人間⇄再出発』物語」がご覧いただけるよう、第18回の本のこぼれ話のページ内にリンクをつくりますので、どうぞお楽しみに!

(アダチ)

働き方研究家で、『いま、地方で生きるということ』の著者・西村佳哲さんから、ミシマ社の三島さんをご紹介いただいたのが、そういえば今年の夏でした。
あれから季節は秋・冬とめぐったのですね。早い。そんなことが縁で、今回、恵文社で行われたトークイベントの様子を「本のこぼれ話」で紹介させていただきました。お話をいただいたときはドキドキしましたが、なんとか載ってよかったです、ほんと。いろいろあった今年も、あと少しで終わりですね。来年は、いい一年になりますように。

(立藤)


□□【蔵出しミシマガジン】□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
   テーマ:「おでん」

[高松こんまい通信]第21回 いつものお茶(2011年11月10日掲載)

「いつものお茶ください」

高松市片原町にある大正5年創業の原ヲビヤ園茶舗に来る人は、皆決まってそう言います。どの人にもそれぞれの「いつものお茶」があり、三代目を継ぐご主人は一人ひとりが買うお茶を覚えています。

私がROOTS BOOKSのおつかいで、初めて原ヲビヤ園茶舗に行ったときのこと。「ああ、小西さんのとこね。"甘露"だね」と"甘露"の缶を取り出し、天秤ばかりで100gぴったり袋に詰めてくれました。主に宇治や鹿児島から仕入れているこれらのお茶のなかには、「鳳凰」や「友白髪」など、今も初代店主がお茶のイメージに合わせて名づけた銘柄で売られているものも。

江戸時代には質屋だった原ヲビヤ園茶舗は「お茶はええよ。捨てるとこがひとつもない」という初代の一言でお茶屋を始めたといいます。葉から茎までどこをとってもそれぞれ個性のあるお茶になる、その魅力に、物を大事にする初代店主が惹かれたのでしょう。初代がつくったという和紙を貼った箱やお金入れは、今も現役で大事に使われています。

[わが家の闘争 韓国人ミリャンの嫁入り]第5回 シチューってなに?――日本ではじめて食べる世界各国の料理(2011年5月10日掲載)

ある週末の夕食時、私が冷蔵庫を開けるとそこに入っていたのは、じゃがいも、にんじん、たまねぎ、鶏肉・・・つまり、カレーの食材だった。
つくってもいないのにスパイスの香りが私の鼻を突いた。自然と唾液がにじみ出る。
よし、今晩の食卓の主役はカレーライスだ。

勇んで私はカレールーを取り出すために戸棚を開けた。
しかし・・・ない。
そこにあるはずのカレールーの箱がなかった。
似たような長方形の箱がひとつあったのだが、それはカレーではなかった。
まだストックがあったような気がしたのだが、私はきっとこの箱をカレールーの箱だと勘違いしていたのだろう。
なんと口惜しい。

「カレーのルーがない!」

[本屋さんの遊び方]第22回 京都編・恵文社一乗寺店 堀部篤史さんに聞きました――本を「なつかしいもの」にしないために・・・(2011年5月2日掲載)

「恵文社 一乗寺店」は、レトロな喫茶店のように、人々を優しく迎え入れてくれる。木造店舗と木製家具の木の温もりに、そっと包み込まれるような心地がする。

店長の堀部篤史さん(1977年生まれ)は、自著『本を開いて、あの頃へ』(mill books)のなかで、本や読書への思いを次のように綴っている。

「本や、それを読むという行為は他の何かと交換可能なものではない。検索して情報を知る以上の楽しみがそこにはあるということを自分自身の読書体験をもとに証明したかった。少なくとも読書やレコード蒐集の楽しみを知るものとして、振り返って気づく前にこの変化の流れに一石を投じたい。それを意識してから僕の読書はノスタルジーに取り憑かれた。
(略)
本を読むという行為だけは懐かしいものにしたくない。感傷的だと笑われるかもしれないが、そんな思いがこの本の至る所に込められている。」
(序文「読むことへの偏愛、読書そのものについての感想文」)

[本屋さんと私]第59回 自分の本が出るといろいろ気になるんです(谷郁雄さん編)(2011年9月9日掲載)

―― 谷さんは、日頃、本屋さんによく行かれますか?

基本的に自分の地元の町から出ないことが多いんですよ。なので、出かけるときは、本屋さんに必ず寄りますね。電車の乗り換えのときに新宿のブックファーストとか。

でもいちばんよく行くのは、家の近所の小さな本屋さんですね。今、大型書店がたくさんありますよね。そこへ行くときの心の準備があって。だって、大量の本があるわけで、無防備に書店に行くと、疲れるというか、情報量に負けちゃうんだよね。

―― たしかにそういうことも・・・。

それはそれで刺激にはなるんだけど。今まで見たことのない本を知る喜びがあって、大型書店の魅力もたしかにある。一方で、小さな町の本屋さんは、フロア面積も小さくて、ここにある本しか読めない。でも、そのなかから選ぶのは気持ち的に選びやすいんだよね。限られた本のなかから工夫して選ぶおもしろさがあって。

一冊の本は世界とつながっているんだよね。いい本だったら、その一冊がいろいろ語ってくれていたり、たとえ語ってくれなくても想像力で補うことができたりする。小さな本屋さんの「これしかない」というところで、深く入っていく読書のおもしろみが、最近だんだんわかってきましたね。

[読む女]第16回 アップルパイ(2010年10月22日掲載)

林檎の皮をむいてタネをとっていると夫が起きてきた。
「たくさんむいて、なに作るの?」
と聞かれたので アップルパイだと答える。
「ふうん。楽しみ」
と言って、また寝に行った。
わたしは昔からアップルパイが大好きである。
それも、母の作ったのでなければ好きではない。
ショートケーキも、お店のは食べられないが、母のは大好き
なのである。
子供のころ、それはなぜかわからなかったが、今作っていると
よくわかる。
よけいなものが入っていないのだ。
おしゃれな味つけが わたしの口には合わないらしい。
お砂糖も相当少ない。

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発行人:三島邦弘

編集:ミシマ社

ウェブ編集:松井真平

ライティング

立藤慶子
本のこぼれ話:「いま、地方で本をつくるということ」 西村佳哲×三島邦弘対談 in 恵文社一乗寺店レポート

足立綾子
本のこぼれ話:詩写真集『透明人間⇄再出発』の造本の秘密を大公開!

富田茜
特集:『計画と無計画のあいだ』発刊記念 夏葉社島田潤一郎×ミシマ社三島邦弘"本をつくる、出版社をつくる"

イラスト MARINO (ブリン)
トップページ、「読む女」「<構築>人類学入門」「声に出して読みづらいロシア人」「本屋さんと私」「スポーツ紙バカ一代」「喫茶店入門」

編集協力

白髪鬼
「声に出して読みづらいロシア人」

足立綾子
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