編集後記

2012年5月号 編集後記

2012.05.31更新

月刊城陽」でもお知らせしましたが、ミシマ社京都オフィスで「紙の月刊城陽」というフリーペーパーをつくりました。

制作は学生を中心とした関西仕掛け屋ジュニアのみんなです。最初は、どんな仕様にするかから話し合いがはじまり、取材をし、原稿を書き、1カ月をかけてついに完成いたしました。もちろん、ミシマ社の本屋さんでは置いていますが、他の場所でもおいていければと思っています。お店やカフェなどで置いてみたい!という方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。よろしくお願いいたします。

(窪田)

京都に引っ越して、1カ月が経ちました。
ミシマ社本屋さんのお当番をしているので
毎日、いろいろな方にお会いすることができてとても楽しい毎日です。
昨日は、常連さんから精油を使った天然の虫除けスプレーを
いただきました。
お客さまとの距離の近さも楽しみのひとつです。
ぜひみなさまもミシマ社本屋さんに遊びにいらしてください!

(亜希子)

2月に『毛のない生活』として書籍化された『ミルコの六本木日記』。
毎月ミルコさんから原稿が届いて読むたび、ハッとさせられる一文に出会います。
たとえば。「「もうわりと元気なんですけど」と口では言っても、「治った」と思えないのは生体の奥深さに参っているからだ。」(今月掲載「地球のいいなり」より)
明日掲載予定の「プッチの誘惑」ではラストにドキッとさせられます。お楽しみに!

(星野)

ミシマ社で働きはじめて1カ月がたちました。
毎日色々な人が来て、色々なことが起きます。
日々、驚くことばかりです。
今日は、2階の仕掛け部屋に行ったら、渡辺さんが仰向けに寝ていました。
ヨガ「屍のポーズ」だそうです。(起こすのをためらいました。)
そんな日々を今度ミシマガジンで公開予定ですので、乞うご期待!

(平田)

2月から更新されていなかった「白山米店のやさしいごはん」が、久しぶりに掲載されました♪
今回のレシピは、初夏にピッタリの3品。
わたしはさっそく新生姜とツナ缶の炊き込みごはんをつくりました。
簡単なのにすごくおいしいです。オススメです!

(林)

三島さん、星野さんに薦められて『オオカミの護符』を読みました。
本を何回か読んだ後、DVDの『オオカミの護符』を見ました。これも何回か見て、その後『うつし世の静寂に』を見ました。
もう一回『うつし世の静寂に』を見てみようかなと思っています。

(松井)

さて新メンバー平田が先ほど触れていたヨガの「屍のポーズ」についてですが、仰向けに寝て、身体を完全に弛緩するのがポイント、のようです。ミシマ社は全室タタミなので、その気になれば社内のどこでも屍のポーズを取ることができます。でもそこは屍のポーズ。あまり人目につかないところでやるのがもうひとつのポイント。他のメンバーに見られたらビックリされる、そして寝ているように見られる(いや、実際寝ているのでそこは致し方ないのですが)、これは屍のポーズを取る際のリスクと言えます。皆さまもその辺りに気をつけつつ、「屍のポーズ」を日常業務のタイムテーブルに取り入れていただくと、栄養ドリンクなどに頼らずとも体力や集中力を快復することができる、かもしれませんので参考までに・・・。

(渡辺)


□□【蔵出しミシマガジン】□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
   テーマ:「金環日食」 

[本のこぼれ話]第5回 『超訳 古事記』(2009年11月9日掲載)

―― 本書を読んで、『古事記』という日本で一番古い書物が、初めて自分のものになったという感覚を覚えました。

鎌田それは、とても嬉しいです。
私にとっても、この『超訳 古事記』こそ「THE 古事記」であると思っています。
というのも、神話とは、もともと、「語り」であるからです。だから古事記は、詩であり、神語りでないといけないのです。そして、その「語り」では、一幕劇が断続的であってはならないように、一息がキープされた形で伝わらないといけない。注釈などがあると、そのたびに、語りは中断されてしまいます。

そういう意味で、これまでの多くの現代語訳の「古事記」は、「文字訳の古事記」で、たしかに「伝統 古事記」ではある。けれど、「語りの古事記」でないという意味で、本来の神語りではない。だから、この本こそ、「THE 古事記」といえるはずです。
古事記のもっている原初的な物語をひとかたまりで感じてほしいです。

[読む女]第23回 進もう(2011年6月1日掲載)

心に従って、わが家へ帰った。
東京駅のホームには、2ヶ月ぶりに会う夫が立っていた。
出会ってずいぶんたつが、2ヶ月も会わずにいたことがなかったのと、
駅のホームで待ち合わせたこともなかったので、少し恥ずかしいような空気が漂う。
「さすがにお腹が目立ってきたな〜」
と、照れを隠すように夫はわたしのお腹をなぜた。

[遊牧夫婦]第14回 オーストラリア大陸、ハットリバー公国のプリンス(2009年10月14日掲載)

中学生のときにぼくは、真っ黒の夜空に張り付いているように見える星たちは、それぞれ「時間が異なる」ことを知って驚愕した。すなわち、1光年の距離にある星の姿は1年前のものであり、10光年向こうにある星は10年前の姿なのだ。月、太陽はそれぞれ1秒前、8分前の姿。また逆を考えれば、10光年向こうの星から見える地球の姿は、10年前のものということになる。その事実を知ったとき、ぼくは当たり前と思っていたことの全てが目の前から崩れ去るほどの衝撃を覚えたものだった。

バンでオーストラリアを旅するようになってから、ぼくは毎晩そのときの衝撃を思い出していたような気がする。それほどいつも、夜空は無数の異なる「過去」によって満たされていたのだ。

[コラム道]第9回 「コラム道」番外編・その2(2010年7月1日掲載)

小田嶋ライターが書いているものの良し悪しも時代によってすごく変わる。いまはブログでおもしろいことを書く人たちはたくさんいますが、ブログでおもしろいことを書いてる人が増えれば増えるほど希少価値はなくなってしまうわけですよね。となると、プロの原稿というのは、そこらへんにいる人には書けないような原稿でなければいけない。昔と原稿に求められるものの特徴が少し変わってきてるということです。

それって、説明しにくいのですが、例えばずっと昔、私のおじさんがうちの母親に宛てた手紙を見て驚愕したことがあるんですね。そこでは普通に「○○候らえども」というような「幸田露伴ですか?」みたいな感じの文章が書かれているわけです。教養のある人ではないんですよ。いまはもう亡くなっていますが、そういう文章を普通の日本人が書けた時代があったんですね。大学を出たわけでもない当り前の親父が書いた「東京の暮らしはどうですか?」という程度の文章なんですが、すごい文体で書いてあるわけです。そういう文章を書く能力というのは、戦後になって急速に失われましたよね。

―― ほんとにそうですね。

小田嶋希少価値の問題ですよね。いまの時代、ツイッターやればなんとかなる、とかそういうおもしろさはあるかもしれないのですが、それはもう珍しくなくなってしまっている。私は、ライターの世界でもウェブからデビューするというのは少し幻想だと思っています。ウェブのおかげで出版社に原稿を持ちこむという手続きはいらなくなりましたし、ウェブから一本釣りしてライターになった人たちもいますので、道筋としてはあると思いますが、そういうところばかりに目を向けていてもしょうがない気がしています。

―― そうですね。確かにそう思います。

小田嶋ここで何が言いたいかというと「おもしろくてもありがちだったりするものは、仕事になりにくいですよ」ということですかね。実際、おもしろいんですけど「この手のおもしろさはタダでいくらでも転がってるよ」ということになってしまうと、大して価値はなくなってしまう。単純に「おもしろい」ということで言うと、それが一年間おもしろいかどうかはともかく、瞬間最大風速的にはおもしろい部分はときどきあるので。

[本屋さんと私]第47回 すべてはノストラダムスから始まりました(芝崎みゆきさん編)(2010年9月16日掲載)

―― 最初にトロイ遺跡に行かれたのはいつごろですか?

芝崎ノストラダムスの予言の前ですね。ありえないとは思いましたが、(1999年に)万が一人類が滅亡したら困るなと思って。万が一ということもあるので、その前にいろいろなものを見ておこうと。トルコに行って、エジプトに行って、インドに行って・・・。

そうしているうちに、価値観が少しずつ変わってきました。まずは、お金の価値観が大きく変わりました。10円20円をすごく大事にするようになりましたね。それから、それまでは野心をすごく抱えていて、人生成功しなきゃ駄目だと思っていたんですけど、「生きているだけでいいや」って思えてきて。インドに行って暑くて疲れて帰ってきて、「自分の野心とかどうでもいいや」って。それで、「本を書くのは楽そうでいいなぁ」と、楽な道を選んだ感じです(笑)。

―― 手書きが楽には見えないんですが・・・(笑)

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

発行人:三島邦弘

編集:ミシマ社

ウェブ編集:松井真平

ライティング

松井真平
本のこぼれ話:第20回 『オオカミの護符』 小倉美惠子さん、足立真穂さん――オイヌさまに導かれ

北岡恵里奈
月刊城陽:第9回 『紙の月刊城陽』できました!

イラスト MARINO (ブリン)
トップページ、「読む女」「<構築>人類学入門」「声に出して読みづらいロシア人」「本屋さんと私」「スポーツ紙バカ一代」「喫茶店入門」

編集協力

白髪鬼
「声に出して読みづらいロシア人」

足立綾子
ミシマ社の話

ウェブディレクター 蓑原大祐 石山豊(株式会社アンアンドアン)
Web制作 株式会社アンアンドアン

Special Thanks to all readers and all authors of MISHIMAGA

お便りはこちら readers@mishimasha.com

お便りはこちら

みんなのミシマガジンはサポーターの皆さんと運営しております。

ミシマ社編集チーム

バックナンバー