編集後記

2012年11月号 編集後記

2012.11.30更新

今月は、ミシマガで好評連載いただいておりました青山裕企さんの『<彼女>の撮り方』が発刊となりました! この本、「すごい本」です。ぜひぜひ、ご一読いただけると嬉しいです!めちゃ面白いですから。(どのあたりが「すごい本」かは、こちらのブログにまとめました。)

(三島)

20日更新の「実録! ブンヤ日誌」、将棋好きな私は引き込まれるように読んで、ラスト数行、思わず魂が揺さぶられてしまいました。史上初めてアマからプロに編入となった棋士の瀬川晶司さんのストーリーですが、その実この文章は、筆者の報知新聞・北野新太記者のストーリーでもある。私は、「お前は何のために生まれて来たのか」と聞かれたら、一体何て答えるだろうか。

(渡辺)

担当させていただいている「脳内会議」に学びが多くてたまりません。
ミーティングひとつ取ってみても、自分の事前準備や心構えひとつでこんなに流れを変えられるのだ、と認識を新たにし、毎ミーティング自分でも試行錯誤であります。
まだお読みでない方はぜひ!

(林)

今月の「本のこぼれ話」お読みいただけましたでしょうか? 手に持つだけでうれしくなる「新しい韓国の文学」シリーズを手がける株式会社クオンの代表金さんに、「わが家の闘争」のミリャンさんがインタビュー。「韓国文学のいま」を語っていただきました。なんとこの記事、韓国語に翻訳してアップしてくださっている方がいらっしゃるそうで、なんだか嬉しいです。『わが家の闘争』が翻訳される日を楽しみにしたいと思います。

(星野)

ついについに、2012年も残すところ1カ月となりました。
冬が苦手なわたしですが、12月は好きな月です。
クリスマスに大晦日にお正月の準備に、みんな忙しそうながらも
楽しそうな空気がいいなあと思うのです。
ミシマ社も12月はイベントが目白押し。
じっくり味わって、1年をしめくくりたいと思います。
イベントはいずれも申し込み受付中ですので、ぜひお越しください!

12月5日(水)
青山裕企×光嶋裕介×三島邦弘「写真家・建築家・編集者。ぼくらのユースフルデイズ。~「好き」が仕事につながった、その理由。~」@SHIBUYA PUBLISHING BOOKSELLERS

12月9日(日)
寺子屋ミシマ社・番外編 「昼間なのに百々ナイト」@ミシマ社の本屋さん

12月17日(月)
青山裕企×幅允孝『〈彼女〉の撮り方』刊行記念イベント~モテたくて2013~@B&B

(平田)

江弘毅さん連載「飲み食い世界一の大阪 そして神戸。なのにあなたは京都へゆくの」が、いよいよ、同タイトルで書籍になります。連載中は、書籍になるなんて、はるか先のことにように思えていましたが、目の前には、完成した原稿と、素敵なブックデザインができあがっています。江さん、ブックデザイナーの矢萩多聞さん、そしてミシマ社編集チームのみなさんに、心から感謝いたします。ありがとうございます!

12月15日(土)には、発刊を記念して江さんのトークイベントも決まりました。場所は、大阪・谷町六丁目の隆祥館書店さんです。そして、トークのお相手は、「第18回 何かといろいろミナミの難波」でも紹介されている、東心斎橋のCDショップ「ザ・メロディ」の店主、森本徹さんです。ぜひ、みなさまもご参加ください。
はー、本屋さんでの発売が待ち遠しいです。すてきな一冊に刷り上がることを願って、合掌!(イベントの詳細はこちらです)

(窪田)


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   テーマ:「端緒」 

[インタビュー・ミシマガ「人」]第10回 「ソラリーマン」をよろしく!(後編)(2010年3月29日掲載)

―― (世界)二周目のテーマはなんだったんですか?

青山それは、自分の将来を決める旅ですね。且つ、行っていない国へ行こうと思って、旅に出たんですが、一周目と二周目で全然気分が違ったんです。行っている国も見ている景色も違うんですけど、二周目に行きはじめたときに、ものすごい既視感をおぼえてしまって。

去年やったことをなぞっているだけというか、この旅を続けて本当に意味があるのだろうか、と毎日悩んでました。今まで生きてきたなかで、その二周目の旅をしていたときだけ不眠症になって、全然眠れなくなっちゃったんです。

―― え!? 旅の途中でですか?

青山そうなんです。去年とただ同じようなことやって、こんなんじゃ将来の道なんか見つかるわけないって、すごく落ち込んでいて。でも、飛行機を予約していたから行かなきゃいけない。ただ消化する、砂を噛むような旅をしていました。

中米のグアテマラという国で、ほんと悩みのどん底だったんですけど、なんとか変えなきゃいけないなと思って、ずっと双六みたいな、前へ進み続ける旅をしていたんで、語学学校に短期で通ってひとつの街に滞在してみようかなと思ったんです。

でも、それも焼け石に水というか、それでなにかが変わるわけでもないかなと思いつつ、悩みに悩んでいて。申し込もうと思った日の朝、気分がのらないなか朝シャンしていたら、宿のシャワー室にたまたま窓があって、朝日がさあって射してきたんですよ。そのときに、そうとしか説明しようがないんですけど「写真!」ってきたんです(笑)。

[万字固めがほどけない]第7回 少年時代(2012年6月4日掲載)

 遠投げについて記したい。
 これまで遠投げについて、詳しく紹介した文章というものはこの世に存在しなかったと思う。これからも存在しないと思う。つまり、最初で最後の遠投げについての記載がこの頁になる。
 遠投げは「とおなげ」と読む。実際の発音は「とーなげ」になる。発音のありかは、「とーな」が同じ音で、「げ」だけが半音上がる。
 通常、遠投げに関わる人間には四年が用意されている。決まって、四年。なぜ、四年で区切られるかというと、遠投げというものが、その場所でしか行われないからである。そして、どんな人間も四年が経つとその場所を去る。その後、二度と遠投げをすることはない。
 雨の日に遠投げはできない。風が強すぎる日にも遠投げはできない。
 遠投げに必要なものはボール一個。
 学校の給品部で売っているゴムボール、それだけである。
 そのゴムボール一個に、少年たちは小さな肩のすべてをかけた。
 少年時代、私は校庭で野球をしなかった。サッカーもしなかった。バスケットボールもしなかった。
 ただ、遠投げをした。

[本のこぼれ話]第12回 『書いて生きていく プロ文章論』 上阪徹さん×藤井大輔さん(前編)(2010年12月21日掲載)

藤井私も上阪さんもリクルート(株式会社リクルートおよび関連会社)出身で、本のなかで語られている「相場観」の話など、リクルートで教わったこともたくさんあったかなと思っています。そもそも、上阪さんはリクルートが最初の会社だったのですか?

上阪大学を卒業して一年ほど、アパレルメーカーに勤めました。そこからリクルートが新たにつくった制作専門会社に入社してフリーランスという流れですね。

学生時代はだいぶ鼻っ柱が強くてですね、大学1年のとき先輩と就職の話をする機会があって、「就職するのが一番難しい会社はどこですか?」と聞いたら、「電通という会社があってね・・・」と教えてくれたのですが、電通という会社の存在を私はまったく知りませんでして(笑)。

マーケティング専攻の人だったので、話を続けているうちに博報堂も出てきて、「博報堂? 知らないです」と答えていたら、呆れられてしまいましてね。それでムッとして、それならその会社に絶対に入ってやろうと。これが、最初に広告の世界を志した動機で(笑)。結局、後に見事に落ちましたが。

藤井子どもの頃から、文書を書く仕事に就きたいと思っていたのですか?

上阪それはまったくなかったです。子どもの頃は、むしろ作文は死ぬほど嫌いでした。宿題で一番憂鬱なのは読書感想文で、とにかく嫌で嫌で、文章を書くことを仕事にしたいなんて夢にも思っていませんでした。大学時代の友人も、なんでお前が「書いて生きていく」なんていう本出してるんだ、冗談じゃないという感じでしょうね(笑)。

[飲み食い世界一の大阪。]第1回 街デビュー(2011年11月14日掲載)

 「街デビュー」という言い方がある。それは大人になることのひとつの必須科目のようなもので、大阪ならミナミ、京都なら木屋町といった「夜の街場」ではじめて酒を飲んだり遊んだりすることだ。

 飲んだり遊んだりというのは、ただ単にチェーン店の居酒屋で新入生歓迎コンパに行くとか、彼女とクリスマスの夜にフレンチでディナーといったものではない。その街の一員として認められることである。そしてこの街デビューこそが、極めてリアルな形でその街のおいしい店やいい酒場にアクセスするための第一歩となる。

 わたしの場合を思い出してみる。大阪の「ミナミ・デビュー」は大学1年生の時、周防町のディスコ[葡萄屋]へわたしの地元・岸和田の先輩サーファーに連れて行ってもらった時のような気がするし、「三宮デビュー」は大学の先生についていった[バー・ローハイド]だったような気がする。そこではまず、その店に連れて行ってくれた街の先輩や先生が、わたしを店のスタッフやマスターに紹介してくれることから始まる。

[読む女]第24回 出ベソの先に(2011年6月29日掲載)

ついに出ベソになった。
足のツメを切るのにお腹がつかえたり、布団を干すのに伸びをすることに
慎重になったり、赤ちゃんの蹴りが助骨に入ったりする。
もはや元のお腹はどのようであったのかまるで思い出せずにいる。
この妊婦生活も残り2ヶ月を切った。
妊婦してからずっと旅ぐらししていたので、帰宅してからの1月は
本当にあっという間にすぎてしまった。
わたしの家は、つくづくこの家になったのだと改めて感じる。
古くて不便なことの多い家なのだが、そのブサイクさがまたわたしを
安心させるようである。
何より、ブサイクさゆえに手入れせねばならぬことで、わたしが必要と
され、クルクルと動き回ることで一定に保たれることが嬉しいのだと
気がつく。

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発行人:三島邦弘

編集:ミシマ社

ウェブ編集:マツイシンペイ

ライティング

奥村薫子
本のこぼれ話:第25回 韓国文学のいま

大滝空
第30回 寺子屋ミシマ社 in 仙台 レポート

廣瀬覚
THE BOOKS』通信:第9回 [レポート]紀伊國屋書店新宿南店 『THE BOOKS』刊行記念 365の本屋さん厳選! 365冊のおすすめ本フェア(2012年11月10日~12月9日 )

イラスト MARINO (ブリン)
トップページ、「読む女」「<構築>人類学入門」「声に出して読みづらいロシア人」「本屋さんと私」「スポーツ紙バカ一代」「喫茶店入門」

編集協力

白髪鬼
「声に出して読みづらいロシア人」

足立綾子
ミシマ社の話

ウェブディレクター 蓑原大祐 石山豊(株式会社アンアンドアン)
Web制作 株式会社アンアンドアン

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