ハタラク計画、スタート前

Story5. 「『半沢直樹』か『あまちゃん』か」

2013.09.17更新

 毎朝7時30分からBSで連ドラ『あまちゃん』を観ています。余裕があれば8時からNHKでも観ています。さらに余裕があれば12時45分からも、さらにさらに家にいれば23時15分からもBSで観ています。ご多分に漏れず『あまちゃん』病です。9月で終わることを知り、今年の秋以降、わたしはやっていけるのか心配です。

 学生時代、小劇団がブームとなり、舞台という舞台を観ていました。野田秀樹さん、鴻上尚史さん、松尾スズキさんに宮本亜門さんと、ありとあらゆる演出家の舞台を観ていました。演出家ごとにこれだけ個性の違いがあるものかと、観劇するたびにそれこそ感激でした。
今回の『あまちゃん』の脚本家である宮藤官九郎さんは、松尾スズキさん主宰の劇団大人計画の役者です。その当時から大人計画は独特のアングラ感とユーモアが炸裂していました。いい感じで肩の力が抜けていて、毒もあり、シニカルな笑いもあり、役者さん自身がちょっとシャイな感じがわたしのツボでした。

 そしてそこから少したったころ、「いつでも笑っているような顔のイケテル舞台役者がいる」という噂が演劇ファンの間に流れ、それが今、話題のドラマ『半沢直樹』で主演を務める堺雅人さんでした。
 遅ればせながら『半沢直樹』デビューを第4話で果たしました。組織のなかの理不尽という理不尽をバサバサと切り倒し、正義は勝つという姿をあまりにも痛快に魅せてくれるドラマに大勢の日本人が夢中になるのがわかりました。もちろんわたしも。
会社員だったとき、理由がわからないまさに理不尽な事態が起こると、泣いて訴えていました。半沢さんほどの知恵と理性があれば、感情むき出しで事をとおすようなことはしなくてもよかたのでしょうが・・・。

 最近、この『半沢直樹』を観ている人たちに関するデータが発表されました。働き盛りの30代以降の男性が支持をしているだろうと思っていたところ、30代、40代のはたらく女性が多くを占めていたというものでした。同じはたらく女性として「わかる~!」。
(あくまでも私見ですが)これが女性という生き物の体質なのかもしれませんが、男性よりも曲がったことを好まず、正々堂々と事を進めることを好む傾向を感じます。しょうがないとわかっていても、なんとかしようとがんばる姿勢が女性にはあると思います。だからはたらく女性が『半沢直樹』押し、納得です。


 『半沢直樹』のように正義は勝つ的に邁進していくか、『あまちゃん』のようにユーモアを交えながらちょっとお気楽に進んでいくか、どちらがわたしのこれからのはたらきかたに合っているのかなーと、ふと考えました。

 答えは両方!

 そもそもわたしにとってはたらくこととは、「自分が楽しんで仕事をすることで、相手が楽しくなったり、楽になったらいいなー。それでお金がついてきてくれればいいなー」と思っています。だから楽しくはたらくべく、半沢さんばりに、自分の信念をとおすために、知恵をつかって立ち回ることも大事だし、あまちゃんばりに力を抜いて、ユーモアを交えながらすすんでいくとこも大事だと思います。左脳の半沢さん&右脳のあまちゃん。このバランスがとれたら最高です。
 
 一見、真逆に見えるふたりですが、共通点を見つけました。「自分にウソをつかないこと、自分に素直なこと」。自分の気持ちがモヤモヤしていることや、なんか変だなーと思うことを、「まっいいか」と流さないこと。
 『あまちゃん』のなかで主役のあきちゃんが言っていました。

「オラにとって毎日が大事な時間だ」

 毎日を大事に過ごすことの積み重ねが、自分の大事な人生になっていく。その大事なものを崩されそうになったら、半沢さんは言います。

「倍返しだ、いや10倍返しだ!」

 わたしは小学校のころから、やられたら100倍返しと決めていました(笑) これを言うと友人たちは怖がりますが、それくらいの意気込みで生きてきました(笑)
 

 思わず人気のドラマから、はたらくことを考えることになるとは。「編集部をつくろう!」と決めてから、はたらくということ自体をもっと考えるようになったのかもしれません。

 わたしの友人は「仕事で楽しいと思ったことなんて一度もない。仕事は苦しいものに決まっている」と言い、ある友人は「楽しいことだけをやろうとすると苦しくなる。楽しんでやろうと思えばいい」と言ってくれました。また、ある友人は「自分がやりたいことで人が喜んでくれたり、感動してくれたらうれしい。そこにお金がついてきたら最高だよね」と。

 はたらくことの考え方はひとそれぞれで、どれが正しくて、どれが間違っているわけではありません。自分がどうはたらきたいかだけ。

 『半沢直樹』も『あまちゃん』もドラマから派生してこれだけのことを考えさせるなんて・・・・・・いい仕事してますなー。

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河田実紀(かわだ・みき)

大学卒業後、出版社に入社。主に雑誌の編集に携わる。2011年、女性雑誌の編集長に就任。2013年独立。

大好きな編集の仕事を軸に、今の時代だからこそできる出版の力を見出そうと、「一度きりの自分の人生、楽しんで生きる!」と決め、一歩を踏み出す。

月に一度トークイベント「おとな塾」を開催中

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