ハタラク計画、スタート前

Story13. あれから1年、これから1年

2014.05.06更新

 2013年4月18日。20年勤務した会社に1年以上の休職期間の後、退職願を提出しに出社しました。

 2014年4月18日。午前中から数件の打ち合わせをしました。WEBデザイナーの方と、ネット販売会社の方と、とある企業の方たちと。
 退職願を提出してちょうど1年たった日、打ち合わせをした方たちは、どなたもこの1年間でご縁をいただいた方たちばかりでした。

 今にして思うと、会社、組織、社会、自由、決断、自信、はたらくこと、幸せ・・・・・・と自分が今までふつふつと思っていたり、悩んでいたことにじっくりと向き合えた一年でした。そのときは実感がなくても、こうやって振り返ってみて思います。そして自分の想像をはるかに超えた出来事や出会いの連続で、あたかも自分自身でなんとかしてきたと思っていた自負が、いい意味で崩壊した1年でした。これを先人たちは「生かされている」と言っていたのだなーと。
 
 昨年、独立してすぐにミシマ社の三島さんとお目にかかることができました。それがきっかけで、こうしてミシマガジンで書かせていただくことになりました。同時期に、トークイベントという形式での編集をしたいと思っていたところ、ひょんなことから素敵な会場と会社との出会いをいただきました。そして心ある方たちからの御好意で、いくつもの出版社を紹介してもらい、本を編集させていただくこととなりました。
 また、退職した会社の尊敬する上司と二度も偶然に出会い、「なにかいい企画があったら提案してください」と言葉をかけてもらい、今度、書籍を出版させていただくことになりました。

 その一方で、それまで距離の近かった方たちとの間で「え、なんで!?」と思うような出来事が起き、距離が離れ、怒りやさびしさ、辛さを味わいました。しばらくの間はどよ~んとした気持ちが続き、何をしても、もやもやしていました。
 その他、全力を尽くしてやったにもかかわらず、実現しなかったことがいくつも起こっては、自分を責めたり、後悔したり、地団駄を踏むことが何度もありました。

 1年間で起こったこのようなことを一見すると、前者は「良いこと」、後者は「悪いこと」に映ります。確かに事象だけに目を向けると、前者は前進する光、後者は停滞する陰に見えがちです。
 でもほんの少し俯瞰で見てみると、前者からは"自分が動くことで思いもよらぬ新しい展開が生まれる。頭の中で考えているよりも、動いてみればわかる。案ずるより産むがやすし"ということに気づかされました。
 後者からは、相手を通して自分のことが垣間見えたり、人に期待をかけることや、自分が"あの人はこうあってほしい像"を勝手につくっては、それとちがった行動をとられると、これまた勝手に傷ついている自分がいることに気づかされました。
 つまり、どちらからも学ぶことがあり、自分に起こることはすべて必要だから起こることなのだと。

「人は誰でも、その人にとって最良の方向に向かうようにできている。それが生きていくということなのかも」と、ふと思う瞬間がありました。そう感じた途端、とても楽になりました。自分なりの最善を尽くして、いつもすっきりと清々しい気持ちでいれば、自ずと最良の方向に進むようにできている。
 だから目の前に起こるひとつひとつの出来事も、その目先の事象の良し悪しに振り回されるのではなく、その事象をとおして何を学べるのだろうという、ワクワクにも似た俯瞰の視点で臨んでいけば、それが生きる栄養となって成長できていくのではないのかなーと。それはこの1年があったからこそ、思えるようになったことです。

 実は30代の半ばごろまで、"主役の人生を歩む人"と"脇役の人生を歩む人"、人はこのふたつのタイプに分かれていると思っていました。主役の人生は世間から注目されたり、世に名前を残したり、成功者と呼ばれる人たちが歩む人生のこと。脇役の人生は私を含め、スポットライトなど浴びることのない極平凡な生活を送る人たちが歩む人生のこと。
 
 しかし何かのタイミングで、「自分の人生なのに、自分が主役でない!? え、じゃぁ誰の人生なの?」と思い、何かを決めるときも周囲の視線を気にしたり、他の人が喜んでくれるなら私が我慢すればいいだけのことと、自分ではない他の誰かの意向で決めている自分がいることに愕然としました。そしてハタと気づいたのです。
「自分のことは自分で決めていい。だって自分の人生は自分が主役なんだから!」

 会社を独立してから一年。本を1頁ずつめくっては読み進め、どんどん本筋に入っていくかのように、自分の本筋(本質)に近づいていくかのような気持ちです。今までは知識として頭に入っていたものが、経験や知恵や体感に伴って腑に落ちていく感覚です。

 これから1年。日に日に心身ともに軽やかに楽になって、思い描いたことはもちろん、想像もできないようなすばらしいことがすべて現実になっていくような、そんな奇跡の連続の1年を迎えたいと願って、いや、迎えると決めました。そのために自分のつくりたいもの、やりたいことに向かってどんどん動いていこうと。

 来年の今ごろ、大きく一歩を踏み出した笑顔いっぱいの自分を思い描いて、ちゃんと呼吸をしながら、自分とちゃんと対話をしていきます。独立2年目の選手宣誓!!


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河田実紀(かわだ・みき)

大学卒業後、出版社に入社。主に雑誌の編集に携わる。2011年、女性雑誌の編集長に就任。2013年独立。

大好きな編集の仕事を軸に、今の時代だからこそできる出版の力を見出そうと、「一度きりの自分の人生、楽しんで生きる!」と決め、一歩を踏み出す。

月に一度トークイベント「おとな塾」を開催中

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