ハタラク計画、スタート前

Story17. お金を生み出すことと、やりたいことの狭間で

2014.09.02更新

 自分の編集部(出版社)やWEBマガジンを立ち上げると決めてから、日に日に募る思いがあります。「規模の大小など関係なく、会社を経営している人たち、自分で起業している人たちはすごい」と。

 20年間会社勤めをしてきて、管理職にもなりましたが経営側の視点で物事を考えることはほとんどありませんでした。一企業の一社員にもかかわらず、会社に対しての不平不満を抱くことはあっても、経営側の大変さをおもんぱかることなど皆無でした。「コスト削減ばかりうるさく言われて面倒だ」「お給料をもっとあげてほしい」「製作費をかけてモノづくりがしたい」など、今にして思えば何様よ!! という態度ばかりが浮かびます。

 志があって、ましてやそれが自分が好きなことであったり、やりたいことであったら、まずはスタートを切ってみる。そんな思いで私も今、進んでいます。そしてだんだんと現実味を帯びてくると、それを実現するためのコストや金銭的な課題が生まれてきます。

 スタートしたはいいものの、利益を生むために何をしたらいいのか、続けていくためにどうやって運営資金をつくっていくのか。そこには見事なまでの落とし穴があります。自分の志ではじめたことなのに、いつのまにか"稼ぐためのハタラキ方"になり、志云々よりもお金を回すことに重点が置かれてしまうという状況。自分がやりたいことをやるためにスタートを切ったのに、気づくとお金のためにやりたくない仕事に時間と労力を取られてしまって、きつい思いをしているという話も多々聞いたことがあります。そんなとき、私の周囲にもいる、楽しそうにハタラキ、自分の夢や志を実現するために進んでいる方たちの様子をうかがう機会が、この8月にありました。

 おひとりは食をテーマに活動している方。自身の感性と直感で動いているまさに"感覚の人"。その方は、仕事ということではなくても、お声がかかれば、お誘いがあれば、ご縁があれば日本国内外を問わず、世界中に出向いています。そしてそこに行って、自分で仕事を生み出してくる! しかも自分のやりたい方向性で! 感じたら動いて、気づくとそれが仕事になっている。仕事を待つだけではなく、自ら仕事を生み出す力です。

 もうおひとりはアーティストの方。その方に「やりたくない仕事もやるときはありますか?」と質問したところ、「あるよー! 面白いことに、やりたくないなーと思う仕事のほうが、やりたいなーと思うものより稼げたりするんだよね(笑)。だからバランスだと思う。自分のやりたいことを生み出すためにも、その両方のバランスがとれてこそだよね」と。

 このおふたりのハタラキ方は、どちらがいい悪いではなく、自分が何を大切にハタラキたいのか、それを教えてくれるものでした。今の私は・・・お金を生み出すことも、すぐにはお金は生み出せないであろう編集部やWEBマガジンを立ち上げることも、どちらも"好きなこと、やりたいこと、興味のあること"をしたい。

 私の場合は、紙媒体での編集者として経験を積んできたので、そこを生かした仕事の依頼をいただくことがあります。これは贅沢この上ない、とても幸せなことで、感謝の念にたえません。しかもありがたいことに、私がつくりたいものを提案させていただき、そこに興味を示してくれ、実現させてもらうというお仕事で、本当にうれしい悲鳴を上げています(笑)。
 いただいたお仕事でこれから運営していく資金を生みながら、近い将来、自分の出版社でお金を生み出していこうと、あらためて思いました。

 と、このように経営をしていくということをジワジワ感じている私ですが、先にも書いたように経営者の方たちはそれをもう実行している、そう思うだけで尊敬します。会社の規模が大きければ、それだけのプレッシャーや経営面での責任も大きいことでしょう。小規模であっても起業した方たちも、自分たちに夢の実現に向け、経営努力をしているでしょう。どちらにしても、素晴らしい力だと思います。

 なんとなく思うというか、これは確信にも似たことですが、好きなこと、やりたいことに向かって、楽しみながら精一杯やっていると、自ずからお金はついてくるように感じます。これは諸先輩や世の中の成功者といわれている方たちの著書を見ていても思うところです。
それを私自身も感じられる日を夢見て、いや、気づいたらそうなっていたという時を楽しみに、経営とやりたいことのバランスを心身ともにとりながら・・・。

 8月はWEBマガジンのコンテンツにご協力いただきたい方に、とにかく会いまくり、お願いしまくりました。私が想像していたこと以上の展開も生まれそうです。それを形にし、今秋立ち上げられるよう進んでいきます!


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河田実紀(かわだ・みき)

大学卒業後、出版社に入社。主に雑誌の編集に携わる。2011年、女性雑誌の編集長に就任。2013年独立。

大好きな編集の仕事を軸に、今の時代だからこそできる出版の力を見出そうと、「一度きりの自分の人生、楽しんで生きる!」と決め、一歩を踏み出す。

月に一度トークイベント「おとな塾」を開催中

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