ハタラク計画、スタート前

Story18. 一歩ずつ、一歩ずつ

2014.10.02更新

 先日、ソニーの創業者井深 大さんのテレビ番組が放送されていました。私が尊敬する先人のひとりで、見えるものだけでなく、見えないものをも見つめようとする視点を持っていた方だったと、井深さんの側近の方から以前、聞いたことがありました。その番組のなかで、井深さんが大切にしていた言葉として紹介されたフレーズがありました。

「未来は自分自身の手でつくり出すことに意味がある」

 今、ああでもない、こうでもないと考えて、将来はどうなるのだろうとか、自分の未来は大丈夫なんだろうかと不安を抱くよりも、今できることを必死でやっていけば、その先に自ずと未来がある。だから未来は自分自身がつくり出していくものであり、そこに大切な意味があるのだと。

 人は一日に数万個のことを考えているそうです。しかもその考えていると言われている内容は、ほとんど毎日同じだそう。つまりそれだけ考えても答えが出ない、考えてもわからないことを考えているということです。考えているようで、実は悩んでグルグルしているだけ・・・・・・その最大の解決策は動いて、つくり出していくことしかありません。
と、わかっているつもりになっていても、「ああしたいけど、やったらこうなるだろうなー」「こうしたらこういう展開になるから、やっぱり無理かなー」と、気づくとこういう思考に陥っている自分がいます。そんなときに井深さんが発するような言葉を聞き、「よし、動こう!」と、またエンジンに火が点くわけです。


 ここ数カ月、私はこれから始めることで動いています。それは自分の出版社(編集部)をつくるための準備。会社名を決めること、WEBマガジンのコンテンツを立てることなどなど。 
 前者にいたっては、それこそ毎日、あれやこれやと書き出しては消し、書き出しては消しの繰り返しです。会社名を考えるなんて自分の人生では未知の経験。そこで起業した方たち何名かに「どうやって会社名を決めたのか」をうかがいました。
・自分がイメージする会社像を会社名にした
・自分の名前を会社名に入れることを前提で考えた
・まずは自分で考え、その後、鑑定できる人につけてもらった・・・
など、さまざまでした。
 私の場合は、会社名と聞いたときに想像するものがあります。それは本の背表紙。本の背表紙の下のほうには通常、出版社名が入ります。「お、この名前の出版社の本は面白いんだよね」と、読者の方に手にとってもらえるきっかけのひとつになるような会社名、現在、絶賛思案中です。そして候補がだんだん絞り込めたら、意見をうかがおうと決めている方はいます。行動力と想像力、思慮深さにたけた熱い編集者の方。私がお手本とするこの方に提案できるまで、連日、案を楽しんでめぐらせます!

 ふたつめのWEBマガジンサイトのコンテンツのことは、以前にも少し触れてはきましたが、現在はコンテンツ作成に向けて、実際の取材をスタートさせました。
 実はWEBマガジンをつくろうと決めてから「どんなものが自分らしいのか」「私らしいWEBマガジンをつくらねば」と思っていたのですが、あるとき、以前私が髪を切ってもらっていた美容師さんの言葉を思い出しました。この美容師さんは女性で、髪を切ってもらいながらいろいろな話をしました。興味のあることが似ていたり、思考が近かったりと、何かと共通点があったのです。
 それは私がまだ出版社に勤めていた4~5年前のこと。美容室に行き、いつものように髪を切ってもらいながら他愛もない会話をしていたら、彼女がぽつりと、
「私、河田さんの頭の中にあるものが、実際に形になったものを見てみたいです。その形になったいろいろを集めたら、それが河田さんっていう人の個性や、らしさなんでしょうね」。
 
 この言葉が、WEBマガジンのコンテンツづくりのときに思い出されました。
「こういうWEBマガジンが私らしいというよりも、私が魅かれる人物やテーマでコンテンツを立てていけば、それが私らしいものになるのでは!!」と、言葉にすれば当たり前のことも、私にとっては目から鱗でした。もちろん軸は大切です。その軸をぶらしたり逸脱しなければ、自分がやってみたいコンテンツの先に自分らしいWEBマガジンがあるのではと。

 そう思ったら、一気に楽しくなり、動かずにはいられなくなっていました(笑)。
この人のものを読んでみたいと思える著者にアプローチをして実際にお会いし、実現に向けて打ち合わせをしたり、コンテンツの企画提案をして了解を得、早速取材に入ったり、無理かなーと思いながらもダメ元で取材協力のお願いの手紙を送ったら、想像をはるかに超える思わぬ方向に展開していったりと、奇跡ともいえるエキサイティングなことが次々起こりはじめました。

 とはいっても、WEBマガジンは私にとって未知の領域です。雑誌や本づくりとシステムからして大きく違っています。だからそこはお任せできる人にはして、私は自分が今できることをやっていくだけ。そして今秋にはスタートできるお知らせをこのページでできるよう、楽しんで進んでいきます!


 この原稿を書いている数日前に御嶽山が噴火をし多くの犠牲者、被災者が出ました。なんとも言葉にしがたいことですが、改めて生きていることの奇跡を感じさせてもらいました。明日があるのは当然のごとく毎日生きていますが、天災、人災、病気、事故と、予想もつかない状況にいつ人は遭遇するかわかりません。こうやって生きていられること、生かされていることは奇跡だと、しみじみ感じます。
 来るはずだった明日が来なかった方たちのためにも、元気で生きていられる今、やれることをやれる幸せを感じながら一歩ずつ、一歩ずつ!!




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河田実紀(かわだ・みき)

大学卒業後、出版社に入社。主に雑誌の編集に携わる。2011年、女性雑誌の編集長に就任。2013年独立。

大好きな編集の仕事を軸に、今の時代だからこそできる出版の力を見出そうと、「一度きりの自分の人生、楽しんで生きる!」と決め、一歩を踏み出す。

月に一度トークイベント「おとな塾」を開催中

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