本屋さん発!

第17回 アンジェ ラヴィサント梅田店発!

2013.12.21更新

第17回アンジェ

 アンジェ ラヴィサント梅田店は、私どもの店舗の中で唯一「雑貨と本」の複合店として運営しています。約60坪の店舗の2割のスペースを書籍棚として設け、約2000冊の本を揃えています。新刊書が主で古書は5%程度です。開店当初から、この60坪程度で、雑貨8割、本2割の比率で運営を続けている店舗は全国でも稀ではないかと思っています。

 梅田店が開店した2004年当時、遊べる本屋として「本と雑貨」の複合店「ヴィレッジヴァンガード」がすでにアイデンティティを確立しており唯一無二の存在でありました(今もです)。
 さて、弊社が梅田で店を開店するにあたって独自のスタイルとして「雑貨と本」ということをイメージしました。本と雑貨、どちらが重きか? というところもふまえ、「と」の前に雑貨が堂々とくる店はなかったので、それなら一番に作ってみようかと思ったことから始まりました。

 そこで、それを実現するために外部の方にお手伝いを頼みました。
 当時は、本業が書店ではない企業やお店に、本を独自のセレクトと陳列手法で並べることで、個性を際立て話題性を持ち集客の手法とするスタイルが、アパレル店やカフェ等に広がりつつある時代でした。そのような、あらゆるジャンルのお店や公共機関などに、個性ある書棚の設置を仕掛け、それを生業とするブックコーディネイトと言う職業が生まれてきた時代でもありました。
 梅田店は、その業界の草分け的な存在であるセレクトブックショップ「ユトレヒト」代表の江口宏志氏に業務委託をお願いをしました。江口氏には、初回の選書、陳列はもちろんその委託期間の中で、棚作りと共に弊店がその運営について独り立ちできるような指導教育までをお願いしました。結果、おかげさまで江口氏のセンスと熱意をなんとか受け継ぎ、今に至るまで、弊社の各店には必ず小粒でありながらもピリリと光るおしゃれな書棚を設置できるようになり、雑貨の棚のジャンルのひとつとして存在しています。

 最近は、全国の雑貨店、アパレル店、家具店、カフェやレストラン、美容院などにも、独自の書棚の設置をしているところが多くなりました。また、同時に「本と雑貨」、「本とステイショナリー」といった、本業が一般書店のお店や企業までもが何かしらのアイテムや業種を複合させ運営することも、ごく自然と目にするようになりました。ですので今は複合化させるだけでは、それに魅力を感じるということがかなり薄まってきているか、すでにもうないのかもしれません。
 本業の売場の中に不慣れな異業種をくっつけて運営する意義というのは、店舗の魅力アップを施し、本業の活性化を行いたいということなのですから、うまくその両者を機能させることが必要です。それには、この「と」の後ろ側にある方の業態の価値(おしゃれ感、集客、利益など)をうまく引き出せるかどうかが、この店舗スタイルの鍵になるものと思います。

第17回アンジェ


 「雑貨と本」、弊店は「と」の後ろが「本」です。本の魅力を引き出すのに、選書や陳列やフェア企画やらで日々担当はフル回転です。とくに陳列に際してのボリューム感はポイントで、雑貨と本のボリューム感はできるだけ一致させないと店全体に違和感が出てしまいます。担当者はフル回転で手間ひまかけて頑張るのですが、いかんせん、本とは利益が少ないものです。業界の構造的に致し方ない面も多々あります。結局のところは、本で利益確保は非常に難しく、おしゃれ感のアップと集客の要素として割り切り、本業にフィードバックするがために精を出すということに落ち着いてしまいます。今後は、「・・・と本」を成功させるには、本が持つ文化的、理知的な魅力を外に発信しつつ、粗利額を増やしていく取り組みを構築したいと考えています。

 本が好き、読書が好き、もちろん雑貨もお好きな方々にとりまして、1冊でも多く、素敵な本と出会えますように、店としての魅力をいっそう磨いていきたいと思っています。

(アンジェ ラヴィサント梅田店 羽賀義晃)



第17回アンジェ


アンジェ ラヴィサント梅田店
大阪市北区梅田2−2−22 ハービスエント3F
TEL:06−6456−3322
営業時間:11:00〜20:00
HP:http://www.angers.jp/



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