本屋さん発!

第20回 ダイハン書房園田本店発!

2014.01.25更新




 最初に。
 この原稿の依頼をいただいたのは、ミシマ社の本を当店に始めて並べた日でした。
 ミシマ社さんの本は知っていましたが、私がミシマ社の方と面識を持ったのが去年12月にミシマ社さんへのイベントに参加したのがきっかけ。そしてそのとき入社3日目だったヨッシー(営業担当・寄谷さん)からのこの依頼。恐るべしですミシマ社。こんな短時間に至近距離につめよってくるとは! さすがにおもしろい本を生みだす出版社は違うなと。いやマジで、これって褒めコトバですよ。


 ところで。当店は町の小さな本屋です。なぜうちにこのコーナーの原稿依頼が来た? と不思議に思うぐらい普通の町の本屋。今どんどん姿を消している、レッドデータブックに載せて保護してほしいぐらいの(笑)。でもきっと、必要としてくれている人がいると信じて、なんとか踏ん張っております。
 
 私は本屋の娘で、子供のころ学校から帰るのは家ではなく本屋でした。中学生ぐらいから、帰ってまずするのが新刊棚のチェック。自分のほしい本を見つけたら、おこづかいの日までキープしてもらうのです。何か興味があることがあれば、まずそれに関する本を読む。
 そのころはインターネットなんてなかったですし、それが普通だと思っていました。今でこそネットで調べもしますが、やはり本で読むのが一番です。そういうふうに育ったためか、たぶん普通の人が「本屋」を見たり感じたりする感覚がわかってないのではないかと、ちょっと不安になったりもします。

 本は大好きでしたが、まさかずっと本屋で働くとは思っていませんでした。学生時代はアルバイトをしていましたが、大学卒業後はちがう会社に入社。結婚を機に「ちょっと手伝ってみないか」と言われ、今ではすっかり本屋です。そして、できるかぎり長く本屋を続けたいと思っています。



 当店のお客さまは、ちびっ子からおじいちゃん・おばあちゃんまでさまざま。
 長年営業していると、妊婦だったお母さんが赤ちゃんを抱いてこられるようになり、その赤ちゃんがよちよち歩きをはじめ、小学生になって走り回り、あっという間に学生服であらわれて「あの子がもうこんなに大きくなったの?」と思ったり。顔なじみのおじちゃんはいつも「これおいしいねん」とパンをくれたり、お菓子を持ってきてくれるおばちゃんも。
 
 そんな超下町の本屋ですが、とにかくお客さんがほしいと思った本を届けたいなと日々奮闘しております。年々状況は厳しくなっておりますが「ココにならある!」と思ってもらいたいし、せめて「ココに言ったらどうにかしてくれる!」と思われたい。

 そしてやっぱり本屋は楽しいと思ってもらえるように。。昨年年末に、当店の書棚の前でお客さんたちがすごく楽しそうに、わくわくしながら本を見ている・・・という夢を見たんです。その日の朝の幸福な気分。あぁ、こういう本屋にしたい! と心から思いました。いつまでたってもゴールは見えませんが、そんな本屋になれるように精進してまいります。



ダイハン書房園田本店
〒661-0953
兵庫県尼崎市東園田町9-16-8フィオーレ園田1F
TEL:06-6493-7761
営業時間:9:00〜24:00(平日・土曜)、10:00〜23:00(日曜・祝日)

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ミシマ社編集チーム

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