本屋さん発!

第26回 とほん発!

2014.04.27更新

 ミシマガジンの読者のみなさまはじめまして。奈良県大和郡山市で2014年2月22日に本屋をオープンしたばかりの「とほん」と申します。
 この度、ミシマ社さんより「本屋さん発!」のコーナーにお声をかけていただき、とても驚きました。ミシマ社さまとは取引を始めたばかり。しかも仕入れた本はまだ僅か4冊です。ミシマ社さまがただの出版社ではないとは聞いておりましたが、ここまでとは!

 とはいえ4冊というのは、とほんにとっては少ない数字ではありません。
 とほんの売り場は4坪。畳でいうと8畳程度です。その小さなスペースに新刊本、古本、リトルプレス、雑貨が並んでいます。うち新刊本は200冊程度ですから、棚を眺めていただけばミシマ社さんの本もすぐ見つけていただけると思います。
 とくにジャンルにはこだわらず、自信を持っておすすめできる本を並べた棚です。何でもあるというわけにはいきませんが、覗いてくださった方が気になる何かを見つけてくださるような店を目指しています。

本屋さん発

 とほんのある界隈には、立派な本屋さんがあります。
 とほんから徒歩10分の近鉄大和郡山駅前には、しっかりした品揃えの啓林堂書店郡山店。
 線路向こう側にあるジャパンブックス郡山店は、中高生をターゲットにしていてコミックがとても充実しています(近隣へ通学する学生向けに特化しているので、なんと日曜日が定休日です)。
 車で10分程度のイオンモール大和郡山には、喜久屋書店大和郡山店という大型書店もあります。お探しの本があれば、これらの書店を回っていただけば、きっと見つかると思います。とても頼もしいです。
 こうしたいろいろなタイプの本屋さんの中で、4坪の本屋だからこその出会いもあるだろうと、少しづつですが本を仕入れて棚に並べています。

 店名の「とほん」は「雑貨とほん」「大和郡山とほん」「人とほん」「私とほん」など、いろいろなものごとに「と、ほん」と繋がっていきたいという思いで名付けました。
 開店初日から、ご来店していただいたお客様に「"好きな言葉"と"ほん"」をパネルに書いていただきました。

本屋さん発

 おかげさまで「コーヒーとほん」「音楽とほん」「旅とほん」「金魚とほん」「明日とほん」など100近くの言葉が集まりました。ご来店の際には店内で少し上を見上げてください。いろいろな「と、ほん」がそこに並んでいます。


 ミシマ社さんを始めとしたご協力くださる出版社さん、また個人で製作されているリトルプレスなどは作り手さんと、直接やり取りさせていただいています。
 大手出版社さんの本は「子どもの文化普及協会」という問屋で取扱いのあるものを仕入れています。大きな問屋は通していませんので、通常の新刊書店のような委託商品は僅かで、ほとんどは返品できない買い切り商品です。旬を過ぎたら売れなくなる本ではなく、いつまでも色褪せない、むしろ、できれば魅力が増す作品を探そうと心がけています。
 時間を経てもずっと手元に置いておきたい、そんな本をお届けできたら。


 とほんのある大和郡山は歴史ある城下町です。
 桜の名所である郡山城趾、神社仏閣や趣のある古い建物。
 とほんのとなりの元呉服屋さんは大正初期の建築で迫力ある構えです。染物屋が多くあった紺屋町では道路中央に水路があり水が流れています。
 そして何といっても大和郡山は日本有数の金魚の名産地、とほんから徒歩10分程度の場所には金魚を養殖する金魚池がたくさんあります。一見、水田が並んでいるような風景ですが、覗き込むと金魚がたくさん泳いでいます。
 町歩きにとてもいい場所です。

 私は昨年まで大阪の新刊書店の書店員でしたが、残念ながら勤めていた書店が閉店してしまいました。
 いち書店員として他の書店に雇ってもらえる努力をすることと、自ら本屋を始めることを思い悩みましたが、こうして開業することになったのは、この素敵な町との出会いがあったからです。


 とても小さな本屋ですが、大和郡山の町のひとつの場所として楽しんでいただけたらと思います。
 町を歩いたその道の続きは、とほんに繋がっています。入り口のドアはいつも開いていますので、どうぞお気軽にお立ち寄りください。みなさまのご来店をこころよりお待ち申し上げております。

(とほん店主 砂川昌広)



本屋さん発


とほん
〒639-1134
奈良県大和郡山市柳4-28
TEL:080-8344-7676
営業時間:11:00~17:00
定休日:木曜日、祝日
ホームページ:http://www.to-hon.com/
ツイッター:@tohontohon

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