本屋さん発!

第35回 長崎次郎書店発!

2014.09.15更新

町の本屋、復活

「町の本屋」は、その町の財産になりうる、と強く信じています。

 子どもも大人も、ふらっと日常の延長上に立ち寄れて、欲しかった本と、たまに、自分の知らなかった欲しくなる本に出会える。
 スーパーマーケットみたいに身近にあるのに、ときには美術館みたいな刺激をくれる。そんな存在になりうるのは「町の本屋」に与えられた特権のように思っています。

 創業明治7年。
 今年、創業140周年節目の年にリニューアルオープンいたしました長崎次郎書店です。
 当店は、かの文豪・森鷗外も『小倉日記』のなかで「書肆の主人長崎次郎を訪ふ」と記すなど、私たちの想像力を豊かに掻き立てるエピソードには事欠かない歴史ある町の本屋です。



 しかしながら、長年熊本新町界隈のランドマークとして県民の皆様に親しまれてきた当店ですが、実は前述で"リニューアルオープン"と申し上げた通り、平成25年春、やむを得ない事情により一度休業させていただいておりました。

 その期間、建物を管理する長崎次郎株式会社様と弊社(株式会社長崎書店)との間で、度重なる話し合いの場を持ち、長崎次郎書店の今後についてあれやこれやと熟考し、意見を交換し合いました。昨今の商環境の激変や長引く出版不況など課題は山積みで、決して新刊書店に対して生易しい現状ではないのはお互いに百も承知でしたが、私どもが出した結論は、「県民の皆様に『長崎次郎』の呼称で親しまれてきた書店を、もう一度再開したい!」その一念に双方の想いが集約され、「長崎次郎書店」リニューアルオープンに向けて歩みだしたのです。






 そして季節は巡り、「長崎次郎書店」の屋号を引き継ぐ形で、平成26年7月31日、創業140周年の節目の年にリニューアルオープンという運びになり、いま、こうして蘇った町の本屋としてミシマガジンに寄稿させていただけることに大きな喜びを感じております。

 オープン初日からの約1カ月。店内の《Gallery Jiro》という小さなギャラリーで「長崎次郎書店 再開店へのことば展」というお客さまの当店への"声"を展示する、という試みを行いました。
 長崎次郎書店の思い出や、新しくなった感想、今後期待することなど。ギャラリー内に設置されたノートにご記入いただいたものをパネルにし、ギャラリー内は、皆さまの声でいっぱいになりました。

 この空間で、スタッフ一同おひとりおひとりの"声"に耳をすませながら、この熊本・新町という場所で「町の本屋」といての存在意義・そして未来を、それぞれが強く実感いたしました。



 今後ともお客さまの声に耳をすませながら、その規模はささやかではございますが、地域の方々に必要とされ、未来に向けても愛される書店となるべく、スタッフ一丸となってこれからも邁進して参ります。どうぞ、よろしくお願いいたします。


長崎次郎書店

〒860-0004
熊本県熊本市中央区新町4丁目1−19
電話:096-326-4410(さーじろーしょてん)
E-mail:info@nagasaki-jiro.jp
営業時間:11:00 ~ 20:30
※店休日:元旦・藤崎宮秋季例大祭当日

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ミシマ社編集チーム

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