本屋さん発!

第48回 田村書店南茨木店発!

2015.03.08更新

 初めにお断りしておきたいのですが、この文章は友人のT君から依頼されたものです。彼とは「バカに文学を語る会」という本を読まない読書会らしきもの(通称バカ文会、ただの飲み会だという噂もある)に一緒に参加していて仕事抜きのつきあいです。
 しかし昨年よりT君がミシマ社に入ったため、たびたび仕事に関連した依頼も受けるようになりました。でも僕からみれば基本的には友人からの頼み事として思ってしまうので、内容も他の方が書かれた「本屋さん発!」とは違ったものになってしまうのではないかと思います。あくまでも「田村書店南茨木店」に従事する者のエッセイとして読んでいただければ幸いです。

 田村書店は大阪府北部を中心に20店舗を展開しています。僕は南茨木店に2014年9月に異動して来る前は千里中央店におりました。
 千里中央店は田村書店最大の品揃えを誇る旗艦店でしたが、南茨木店は売り場面積68坪、阪急電鉄と大阪モノレールの駅前の小さな商店街・阪急グリーンプラザ1階にあります。お客さまはほぼ地元の方。主力商品は雑誌、コミック、文庫、文具という街の本屋であります。

赴任した当初は両店のギャップに戸惑いました。お客さまの数が違うし、売れる本の傾向も違う。千里中央店では文芸書や理工書の担当でしたが、南茨木店ではそれらはほとんど売れません。配本も無く、出版社からの新刊案内も来ないので何が出てるのかもわからない状態でした。幸いベストセラーや話題の本は田村書店本部が手配して入荷がありますので、それ以外の本を仕入れて売って特長を出して行こうと考えました。

やはり文学関係の本は置きたいと思いました。まずは良質な文学書を次々と復刊させ今一番勢いがある出版社の夏葉社・島田潤一郎氏(彼も僕の大事な友人の一人です)の『あしたから出版社』(晶文社)を核に夏葉社の本を常備。マラマッド、小島信夫他訳の『レンブラントの帽子』が立て続けに二冊売れました。


次に地元茨木市と言えばノーベル賞作家である川端康成が旧制茨木中学卒業まで暮らした地。僕も学生の頃に授業で数冊読んで、好きな作家の一人です。「眠れる美女」や「片腕」、「たんぽぽ」等がよかったなあ。「みづうみ」のレポートを書こうとしたのですが、結局書けなかった...という苦い記憶もあります。やはり力を入れて売りたいので特別にコーナーを作りました。新潮文庫の棚に置いてなかった『みずうみ』も売れました。


 本当はもう一人、茨木といえば富士正晴という素晴らしい作家がいるのですが、いかんせん今まで出た文庫がほぼ品切れていて仕入れることができませんでした。『桂春団治』や『贋作・久坂葉子伝』の復刊が待たれます。

 そして現在展開中のフェアは今年で4回目を迎えた「田村書店オリジナル文庫大賞」。田村書店の従業員が推薦した文庫20作品を推薦者が作製したポップをつけて販売。上位売上作品を「本屋大賞」決定に合わせて拡大販売する企画。普段平積みされてない文庫もあり、新鮮な作品に出会えます。


しかし先述した通り田村書店南茨木店は街の本屋であります。こちらからアピールするだけでなく、お客さまの欲するもの、ニーズに応えなければなりません。
朝日新聞出版の『サバイバル』シリーズが売れているのでフェアをして拡販したり、扶桑社の別冊ESSEシリーズは必備商品であります。

そういった売れる本とそんなに売れないけどこちらが自信を持ってお薦めできるような本とをバランスよく展開して、これからも街の本屋であり続けていきたいと思います。
4月には立命館大学の茨木キャンパスが開学します。阪急電鉄通学の学生さんにも是非立ち寄っていただきたいなあと思います。

(西村宗典)





田村書店南茨木店

〒567-0876
大阪府茨木市天王2丁目5-10 阪急グリーンプラザ 1F
電話:072-625-2655
営業時間:10:00~21:00(平日)、10:00~20:30(土日祝)

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