本屋さん発!

第55回 stock books & coffee 発!

2015.07.05更新


 普段の暮らしに寄り添い、そして時には新しい扉を開けるお手伝いをする本屋でありたいと思います。

 この小さなブックストアを始めたきっかけは、私たちが仲間と発行するリトルプレス『ふきながし』。たとえば『なごやに暮らす』などのように、趣味の合う友達に住んでいる街を紹介してもらうような、そして読んでいると住んだ気になるような冊子を作りたいと思い、始めた冊子です。
 観光案内には載らないけれど、私たちが好きな仙台のモノやコトを、大切な友人をだれかに紹介するように、主語のある言葉で丁寧に届けています。

 初めは『ふきながし』のアトリエ兼ショップだったこのお店も、だんだん紹介したい本や雑貨が増えていき、またコーヒ--と共に読書を楽しんでいただける空間として変化していきました。

 おかげさまで多くのお客様に認知いただけるようになりましたが、日々の営業の中で、現状とやりたい事のバランスが合わなくなった事もあり、今年(2015年)からは、喫茶スペースはいったんお休みし、ドリンクを片手に店内をご覧いただけるスタイルに変更しました。
 ソファーで気持ち良さそうに本を読まれたり、仕事の休憩に立ち寄ってくれたりしたお客様には申し訳なかったのですが、また機会が訪れたら再開したいと思います。


 現在は、この限りあるスペースで、私たちが表現したい事とお客様の望む事のバランスを考え、現在の、ギャラリースペースを備えた本屋というスタイルにリニューアルし、月に1回のペースで展示などの企画をしています。

 私自身、文芸書を多く読む人間ではなく(キャンプや山へいく時に1冊持って行く程度)、本好きを意識したことは無かったのですが、ふと見回すとどこの部屋にも必ず本があり、生活の一部になっていました。

 昔と比べれば少しずつ趣向は変わってきているかもしれませんが、アートブックやデザイン関連本、リトルプレスやZINEといった、あのころから私の周りにあった本が今、お店のラインナップのベースになっていると思います。

 またプロダクトとしての本が好きということもあります。新書などデジタルで読んでも問題ないものもありますが、デザインや手触り、インクの匂いといった、本から得られる感覚的な情報が好きです。


 また不意に新たな出会いが訪れたり、好きな作家さんと繋がったりすることも、本の魅力でしょうか。ある作家さんの本の装幀が同じ人で、その方の作品集に興味を持ったり、気になったデザイナーさんが、好きな本のデザインを多く手掛けていたり。その方が受賞した賞の、歴代の受賞者はどんな方々だろうと興味が広がったり......。
 あげればきりがありませんが、何かをきっかけにこれまで知らなかった事を知ったり、別の何かと繋がったりすることに、すごくワクワクします。

 stockでは書籍の他に、料理家さんによる調味料、アーティストさんによる文具や雑貨も置いています。本をきっかけに他の商品へと興味が広がったり、またその逆だったり。そのストーリーの繋がりを楽しんでいただけたら、探究心と好奇心の入口になれたらと思っています。

 ものごとを知ったつもりになって、探求する事をやめてしまえば、そこで終わり。
あたりまえにそこにある。でも、ちょっと変わった街の本屋として佇んでいたいと思います。





stock books & coffee
〒980-0811
宮城県仙台市青葉区一番町1丁目12-7
中川ビル201
営業時間:水・木・金・土 13:00~19:00(定休:日・月・火)
TEL・FAX:022-342-1082
ホームページ:http://www.stock-web.com
Twitter:@stock_sendai
Facebook:https://www.facebook.com/stock.sendai

お便りはこちら

みんなのミシマガジンはサポーターの皆さんと運営しております。

ミシマ社編集チーム

バックナンバー