本屋さん発!

第64回 古書ドリス 発!

2015.12.19更新

 東京に移転した時の目標は、現代美術の古書の専門店になることでした。
 
 当店「古書ドリス」は、2006年に徳島県でネットショップとしてオープンしました。いろいろあって2012年12月に上京、江東区の森下駅近くの裏路地に店舗をオープンしました。この記事を書いている2015年12月、東京に来てからちょうど3年目になります。
 
移転候補地は、当初、清澄白河・浅草橋・馬喰町あたりを検討していました。個人的に現代美術への関心が強かったので、古本屋よりもギャラリーが多い街を、そして家賃が比較的安い地域を調べたのです。そうすると、必然的に東京の東側に関心が向きました。最終的に、清澄白河からも近く下町風情の残る森下に決めました。

 東京に来てしばらくは現代美術の古本の収集に励んでいたのですが、途中で行き詰まり、その後Twitterやイベントを通して知り合った方々からの影響もきっかけとなり、思い切って方向転換。一生懸命集めたアートブックのほとんどを神田の市場に出品してしまいました。



 現在、当店は「幻想系古本屋」と名乗っています。夢・神話・妖精・オカルティズムなど超現実的なイメージを題材にした美術・小説・ノンフィクションを集めて、品揃えの主軸にしています。何を幻想的な本と思うかは人それぞれだとは思いますが、あまり厳密な定義はせず、幅広いジャンルの本を集めています。店内入ってすぐの場所にはかわいらしい挿絵本や美しい画集が並んでいますが、奥の本棚には悪夢のようにグロテスクな本がぎっしり棚に収まっているエリアもあります。
 
 個人的なイメージですが、今、本が好きな人の間で話題になっている書店や雑貨店は「暮らし」に寄り添うことをコンセプトにしているところが多い気がします。そういう流れが主流であれば、当店で扱っているような夢想・妄想・耽美の世界に通じる世界観は、アクが強くて苦手とする人も少なくないかもしれません。でも、人の趣味嗜好というものは様々であり、日常を忘れて夢想の世界に耽溺することを生きがいとする人は案外多いものです。そういう方々にとって、魅力的と思えるような本棚を維持するのが当店の目標です。
 
 ちなみに、当店は店構えも内装も装飾性のない地味なもので、幻想系古本屋と名乗っておきながら、ゴシックな雰囲気も高級感も全然ありません。お店自体も幻想的な雰囲気にしたほうがいいのかなと考えた時もありますが、今は本があることと、本を通した人間関係や仕事の実現にのみ興味があるので、実店舗自体への想いはやや希薄なほうかもしれません。ウェブサイトの構築も頑張らないといけませんし・・・まだまだやりたいことは山積みです。

 

 最近は古本屋としての仕事に加えて、人形や版画の展示、ギャラリーや映画館やセレクトショップの企画に合わせて本を選んで出品する仕事もしています。2015年夏には、地元徳島に数日帰って、友達のセレクトショップに古本を並べて売りました。昔のお客さんに会えて、とても楽しかったですね。店にいてお客さんを待つだけではなく、時には外に出て、自分ができる仕事の幅を広げていくのも面白いと思っています。
 

古書ドリス
〒135-0004
東京都江東区森下2丁目10-2 パークロダン 101
営業時間:12:00~20:00
定休日:水曜日
TEL / FAX : 03-6666-9865
MAIL : info@kosyo-doris.com

 

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