本屋さん発!

以前のミシマガの特集にもご登場いただいた、誠光社の店主といえば堀部篤史さん。ですが、お店の全てを一人でやっているわけではありません。支えているのは奥さまの美奈子さん。以前は、和菓子職人として、「日菓」というユニットを組んで活躍されていました。
 今回の「本屋さん発!」特別編。誠光社のスーパーお手伝い、堀部美奈子さんへのインタビューをどうぞ!

(聞き手:鳥居貴彦、田渕洋二郎 構成、写真:田渕洋二郎)

第68回 誠光社 発!

2016.02.14更新


京都にくるまで

―― 美奈子さんはどうして京都にこられたのですか?

 こちらにくるまでは東京の出版社で営業をやっていたんですが、流行と人の多さに影響されてあっという間に一年が過ぎるのが辛かったんです。このまま気づいたらおばあちゃんになっているんじゃないかみたいな不安がありました。それに実家が埼玉だったので毎日満員電車に乗って東京へ行って、夜遅くまで飲んでいたりすると帰るのも一苦労ですし......。
 でもそういったことが、京都に来たら全部解消されました。いつ電車乗っても座れるし、どんなに遅くまで飲んでもすぐに帰れる。そういう生活面のサイズ感がいいなあと思ってます。ご近所さんも優しいですし。実は照明をなおす脚立なども隣のカフェのアイタルガボンさんで借りてるんです。


独立前の、ミステリーツアー

―― 堀部さんが独立されるときいていかがでしたか。

 実は独立を決める前に、見ていてだいぶストレスたまってるなあと感じる時期があったんです。それで、ミステリツアーをしたんです(笑)。行く先も告げずに、「明日空けといて下さい」とだけ伝えて。さすがに目隠しまではしませんけど、急に「ここで降ります」みたいなことを繰り返して有馬温泉に行ったんですよ。
 
 それで温泉から帰ってきたら、すっごい気が抜けた顔してて(笑)。全部そこでリセットされたみたいで、その数日後くらいに独立してお店をつくることになっていたんです。

―― おお!

 私もびっくりして最初は止めたんですけど、決めたら止まらないから(笑)。でも今こうしてみると、独立してからはお客さんと笑っている姿をよく見るようになったので、よかったのかなあと思います。

そっと耳元で...

―― お店をやっていくなかで役割分担などは...?

 私がやっているのは、お店の整頓だったり、ラッピングだったり、堀部が少し苦手なことをやってます。あと今度、展示の企画もやるんです。春に、お菓子関係の人の展示ができたらなぁと今動いているところです。

―― 美奈子さんが本の注文されたりすることも...?

 まだないんですけど、いつも好きな本を入れてもらえるように、耳元でそっと囁いてますよ。私、山内マリコさんとか柚木麻子さんの小説が好きなんですよ。その辺は堀部の世界でもないじゃないですか。私みたいな人が来たときに、あれもない、これもないっていうのはちょっと寂しいのでいれたいですね。

サントリー公式HPより

あこがれのご夫婦

―― お店もプライベートも一緒となると、たまには喧嘩になってしまうこともありますか...?

 喧嘩というよりは、私が一方的にわああってなるだけです。でもそうなったとき、堀部さんがいつも冗談ぽく返すのに笑ってしまって忘れちゃうんです。いなし上手というか。それに助けられてます(笑)。だから今のところ、24時間一緒にいても大丈夫なんですよ。

―― 素敵ですね...。最後に今後はこんなことしてみたい、ということがあればお聞かせください

 んー、そうだなあ。すごい時間のかかることなんですけど、松山に素敵なご夫婦がやっている「露口」っていうバーがあるんですよ。2人で写っている写真がすごくいいんです。年をとったらこういうふうになりたいと思ってます。

誠光社
〒602-0871
京都市上京区中町通丸太町上ル俵屋町437
TEL/FAX 075-708-8340
営業時間:10:00 - 20:00
無休(12/31〜1/3除く)

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