本屋さん発!

第72回 三省堂書店京都駅店 発!

2016.04.17更新

これからの書店に求められているもの

書店=本を売る、または出版する店。本屋。
書店員=書店の店員をさす呼び方。

 確かにその通りなんですけど、最近はそうでもないように思います。今までの常識が通じない時代になろうとしている。
 本はスマホでネットでも買えるし、電子書籍で読むこともできる。
 ブックコーディネーターという職業までできて、服屋さん、雑貨屋さん、テーマパークや公園にまで本が並んでいて、購入することが出来る時代だ。
 こうなると、どこが書店で、誰が書店員かなんて定義することなんて不可能だ。
 本の売り場は広がっているのに、街から本屋はどんどん姿を消している。これが現実だ。

 では、リアルな書店とそこで働くリアルな書店員にはなにができるのか?いや、何をしなくてはいけないのか? 自問自答を繰り返すのである。

 多分、「本を売る」時代はもう終わる! と思う。(かなり個人的な考えですが...)これからは「人(書店員)を売る」時代だ。
 理由は、今はもう「売り場」と「買い場」は別だからだ。書店で見つけた本を何処で買うのかは、その人の自由だ。「売り場」は本を並べれば作れるが、「買い場」になるためには、そこで買ってもらう為の特別な理由が必要なのだ。立地や利便性だけでは、リアルな書店は生き残ることはできない。

 これからの書店と書店員がやるべきことは、人と本の間に入って、人と本が出会うお手伝いをすることだと思う。書店員の仕事は、本を売ることから、本と人を結びつけることに変わっていく。偶然の出会い、運命的な出会い、それを演出するのがこれからの書店と書店員ではないだろうか。その時は本を挟んで、お互いの顔が見えていることが望ましい。それが買い場に選んでもらう理由になるからだ。あの人から買いたい、あの人に読んでもらいたい。

 「○○さんがいるから、ちょっと覗きに行くか。」「○○さんの作った棚面白いよね、せっかくだからここで買って行くよ。」

 昔では当たり前の風景だが、今はそんな当たり前のことが一番大切なのではないか。
 綺麗事で現実に難しいのも解ってる。でも、その為に何かできることをやらなければ前に進めないことも解ってる。


 その一歩目が、只今開催中の「本おみくじ」や「本屋探偵」なんです。

 「本おみくじ」では新しい本との出会いを演出しています。おみくじを引いて、そこに書かれている番号のパッケージングされた本を購入。中にはコメントが書かれたおみくじと、三省堂書店のスタッフが選んだ一冊が入ってます。どんな本と出会えるか、開けるまでドキドキの企画です。


 「本屋探偵」は、「お客様の記憶の中の思い出せない本を、わずかな記憶をヒントにお探しする」という企画です。店頭に依頼の受付箱を設置してますので、是非ご依頼下さい。これは、書店とお客様との新しい繋がり方であり、本とお客様の間で書店員ができる事への挑戦です。

 あともう一つ、ミシマ社の田渕さんにも選書をお願いしました「俺たちのちゃぶ台返し本フェア」、こちらも場所を移動して継続しております。こちらは商品の入れ替えをしながら、変化していくフェア企画にしていこうかと考え中です。



 リアルな書店に出来ることって、まだまだあるはずです。皆様、ぜひ三省堂書店 京都駅店にご来店下さいませ。スタッフ一同心よりお待ちしております。


三省堂書店 京都駅店
〒600-8216
京都府京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町901
京都駅ビル専門店街ザ・キューブB1F
電話番号 075-365-8640
営業時間 8:30〜21:00
定休日 年中無休

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