本屋さん発!

第73回 ナツメ書店 発!

2016.05.08更新


街角に本棚を

 本屋だけでなく、食堂や、お花屋さんや、パン屋さんや、街のいろいろなところに本棚があって、街ゆく人が立ち止まって本を読み、本を片手に歩いている。小店が、はるか遠くに夢見ている街の風景です。

 福岡県北九州市にあるナツメ書店です。商店街の中のビルの一角にある、6坪の小さな本屋です。
 ナツメ書店が生まれたのは2014年8月。商店街を舞台にしたアートプロジェクトから「街に本のある空間をつくろう」という提案が出たことがきっかけでした。その空間をまちづくり会社のオフィス兼図書室スペースとして実現させることになり、4日間のDIYワークショップで場所をつくり、完成したその日から図書室としてオープンしました。そのうち、本を買いたいとカウンターに持って来てくださるお客様が増えてきて、「じゃあ、売ってみようか」ということになり、2014年12月に「売らない本屋」から「売る本屋」になりました。2016年4月からは、書店を担当していたスタッフが独立してお店を経営しています。



本が星のように街に広がる、「星屑本箱」


 スペースが小さくて置ける本が限られる小店のために「出張本箱」のアイデアを考えてくださったのは、DIYワークショップのメンバーのみなさんです。本箱が街中に星座のように広がってお店の本棚が拡張していくイメージで「星屑本箱」と名付けました。そのお店の人や空間を思い浮かべながらセレクトした本を、本箱に入れて置かせていただいています。本箱の数はまだ少ないですが、ゆっくりでも丁寧に増やしていけたらいいなと思っています。


誰かに贈る大切な一冊を


 「お店のコンセプトは何ですか」と聞かれると、いつも困ってしまうのですが、手に取ってくださった方が、大切な人に、あるいは自分に贈りたくなるような、そしてずっと手元に置いておきたくなるような、そういう本を想定して選んでいます。当たり前ですが、自分が知っている範囲でしか本を選べないことをもどかしく思いつつ、裾野が広くかつ深みのある本棚を目指して日々模索中です。
 取り扱っているのは、主に新刊、古書、リトルプレスです。最近は、小さな出版社や個人の方が発行する本の取り扱いが増えてきました。一冊ずつ思いを込めて大切につくられた本を、つくり手のことも含めて読者の方にお伝えできることは、本屋としてとても嬉しくて楽しいことです。


街の本屋になること

 「この街にこの本屋があってよかったな」と思ってもらえるような本屋になることが目標です。本好きの方も、本をあまり読まない方も、時間が空いた時に気軽に立ち寄って、本を手に取っていただける場所を目指して、これからも続けていけたらと思っています。

(ナツメ書店 倉内 由美子)


ナツメ書店
〒802-0006
福岡県北九州市小倉北区魚町3-3-12 中屋ビル1F-4
営業時間:11:00〜18:00
定休日:月曜日・祝日
TEL:093-521-5295
HP:http://natumebooks.tumblr.com
Facebook:https://www.facebook.com/natumebooks/
Twitter:@natumebooks

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