本屋さん発!

第75回 本とコーヒー tegamisha 発!

2016.06.12更新



 「良い町には、良いカフェと良い本屋がある」

 そんな言葉に導かれるかのように生まれたのが、新宿より京王線で西へ約20分、各停だけが停まる駅・柴崎駅すぐにある「本とコーヒーtegamisha」です。運営しているのは私たち手紙社。「もみじ市」をはじめ、「東京蚤の市」「関西蚤の市」「布博」「森のカフェフェス」といったイベントを全国各地で行いながらも、「本とコーヒー」を含む3店舗の雑貨店・カフェを営む編集チームです。

 「本とコーヒー」がオープンしたのは約1年前、2015年4月のこと。代表の北島は「いつか(5年後くらいに)本屋さんができたら......」と夢を抱いてはいたのですが、既に営業を行っていたカフェ兼雑貨店である「手紙舎 2nd STORY」の下の階に空きができたことで、急遽前倒しで書店に挑戦することを決断。空きを知ってから店舗誕生までの期間は、たったの5ヶ月でした。

 オープン当初、書籍の編集経験はあっても、書店経験はゼロだった私たち。「番線って何?」「返品ってどうするの?」状態から始まった本屋さんではありましたが、とにかく一冊一冊を丁寧に選ぶことだけを続け、今に至ります。書籍のジャンルは特に決めてはいませんが、雑貨店からの流れもあるせいか、どこか雑貨に通じるような本が自然と集まっているように思います。魅力的な作家さんによる手芸本・料理本や、ページをめくるだけで豊かな気分になる暮らしの本、インテリアとして飾りたくなるような古書や、コーヒーのお供にぴったりなエッセイなど。もしも選書にルールがあるとするならば、「装丁の美しいもの」。ただこの一点です。

 ありがたいことに、お客様には台湾、韓国といった海外、また国内も北海道・九州などの遠方からお越しくださる方も少なくありません。もちろん柴崎駅唯一の書店として、地元にお住まいの方にとってもいつお越しいただいても新しい一冊に出会える場所でありたいと、売り場変えも2週に1度のペースで行っています。また手紙社が敬愛する作家さんの新著フェアを行わせていただいたり、特に目立った陳列をしていなかったにも関わらずオープンから売れ続けている本の著者の方にお声がけをしたりと、今では毎週のようにイベントを行うようになりました。近くにお住まいの作家さんや編集・出版社の方とも書店を通じ知り合い、良い本を紹介いただけるようになってきたのも、実在の書店を営んでいるからこその出会いだと嬉しく感じています。

 現在開催しているのは、手紙を題材とした小説『ツバキ文具店』(幻冬舎)を出版された小川糸さんのブックフェア(〜6月26日)。このフェアに関しては、なんと光栄なことに、先方よりお声がけをいただきました。お電話をいただいたときは飛び上がるほど嬉しかったです。フェアの一環として小川糸さんをお招きして6月4日に行ったトークイベントでは、『ツバキ文具店』に登場するすべての手紙図版を書かれた萱谷恵子さん、装画を担当された素描家のしゅんしゅんさんもお越しくださり、本に囲まれた小さな空間で御三方のキャラクターに触れられる、楽しく贅沢なひと時となりました。

 そのほか書店の新たな試みとしては、手紙社の社員や、交流の深い作家さんなどが講師となる「表現の学校」を定期的に開催しています。中でもイベントや雑貨店に携わる手紙社ならではの「紙雑貨の作り方講座」「SNS講座」は特に人気です。また日々焙煎機に向かい、一杯一杯心を込めコーヒーをドリップしているカフェでは、4月よりモーニングも始めました。土日は朝8時にオープンし、スタッフによる自慢の手ごねパンとコーヒーをお出ししています。

 選んだ本が書店に届き、棚に並ぶ。それを選んでくださるお客様がいる。そんなごくシンプルな書店の流れに喜びを感じ、今日もワクワクしながら選書をしています。良い本に出会えた1日が、とても有意義な1日だったと思えるあの感覚を、調布の小さな本屋から広がっていくことを願って。(本とコーヒーtegamisha  城田波穂)




本とコーヒー tegamisha
東京都調布市菊野台1-17-5 1階
(京王線「柴崎駅」より徒歩1分)
tel:042-440-3477
営業時間:12:00〜20:00(土日祝 モーニング8:00〜)
定休日:毎週月曜日(祝日の場合は翌火曜)



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