本屋さん発!

第83回 本の森 セルバ岡山店 発!

2016.10.30更新

 はじめまして、本の森セルバ岡山店と申します。明治二十二年創業、玉野市にある山田快進堂を母体とし、現在岡山駅周辺に本の森セルバを三店舗展開しています。
 創業以来、変わらずに大切にしていることがあります。それは、本を通じて地域の皆さまの役に立ちたいということ。そして、お客さまのご要望や声に寄り添っていく街の本屋であり続けるということです。時代が変わっても常に忘れてはならない原点です。
 この秋、本の森セルバ岡山店は大きな転機を迎えました。入居していたドレミの街というビルの老朽化による建て替え、閉館に伴い移転をしました。ドレミの街に入居して、十二年目のことでした。閉館の知らせから実際の閉館日まで半年ほどしかなく、移転先もなかなか決まらなかったため、お客さまには大変なご心配とご迷惑をおかけしてしまいました。現在、第一セントラルビル2階の好日山荘内に移転オープンをし、二ヶ月ほどが経ちました。アウトドア用品を取り扱う好日山荘さんの一画ということもあり、山の本の品揃えが増えました。


 今回、閉店と移転に伴い考えさせられることがたくさんありました。ビル閉館の情報がオープンになってから、たくさんのお客さまの「慣れ親しんだ場所がなくなるのはさみしい」という声を聞きました。ドレミの街はできたばかりの頃、岡山の一等地にできた商業施設ということで、たくさんの方にご来店いただいていたようです。しかし、時代は変わり、岡山駅前に全国初の試みの大きなイオンができ、ビル自体の老朽化も進みました。街がどんどん新しくなっていく。しかし、その反面、静かになくなっていくものも確実にある。そんな現
実を目の当たりにしました。
 また、移転オープンはしましたが、思っていたよりお客さまにご来店いただけていない、という問題に直面しています。「どこにあるのか分からない」という声がとても多いのです。いつもスタッフが入り口近くにいてご案内できたらよいのですが......。(本当に迷って分からなかったら、お電話ください!スタッフが光の速さで降りて参ります!!)確かに、少し奥まったところにある上に、オフィスビルの中に入居しているので、とにかく入り口が分かりくい。

 以前のビルは決して華やかでも魅力的なビルでもありませんでしたが、あそこに行けば本屋がある、とたくさんの方に知っていただいていました。大通りを挟んで徒歩十分ほどのところに移転をしただけなのに‥また最初からやり直しです。けれど、泣き言ばかりも言っていられません。まだまだ認知されていませんが、以前から来ていただいているお客さまや、新しく来ていただいているお客さまも確実にいらっしゃいます。今はその方たちに支えられているような日々ですが、本来は私たちが本を通じてお客さまを支えなければならないのです。今まで以上にお客さまの声に耳を傾け、ご恩返しをしていかなければなりません。

 また、以前の店舗より五分の一の坪数の店舗になったので、必然的に置く本と、置かない本の線引きをしっかりせざるをえませんでした。今までは売り場が広かったので、なんとなく置いている本がたくさんありました。でもこれからはそんな悠長なことは言っていられません。放っておけば売り場から本があっという間に溢れてしまうのは目に見えています。
 声をかけていただいたから言うのでは決して!決っっして!!ありませんが、ミシマ社さんの本は以前の売り場にあった本を、ほぼ、全て持ってきました。ミシマ社さんの本は、万人うけする本は多くはないと思います。けれど、「こんな本あったらいいのにな~」となんとなく思っていた人の心の隙間にぴしゃりと当てはまる、本当に必要な人に、まっすぐ届く本が多いと思います(個人的には「コーヒーと一冊」シリーズが好きです)。人生を共にできる本に一冊でも出会えたら生きていける、本気でそう思っています。だから、ミシマ社さんの本は「置かない本」にはしませんでした。ミシマ社さんの本にはパワーがある。そして、本だけど、なんだか人間くさい、そこが魅力でもあると思うのです。


 と、書きながら気づいたことがあります。私たちも、もっと人間くさく、お客さまにぶつかっていってもいいのではないか? 今までしなかったこと、できなかったことをやるしか打開策はないのでは? そんな気がします。
 ピンチをチャンスに変えるため、街の本屋であり続けるために、今こそ勇気をだす時なのかもしれません。

(横田かおり)

本の森セルバ岡山店
〒700-0901
岡山県岡山市北区本町6-36
第一セントラルビル2F
電 話:086-234-6006
営業:11:00~21:00


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