本屋さん発!

第5回 さわや書店フェザン店発!

2013.06.01更新

街が薫る店

「わたしは、わたしの住む街を愛したい 手あかにまみれた一冊の本のように。」

 さわや書店のBOOKカバーにも書かれている当社の店づくりの根底にある想いだ。もちろん、私が勤務しているフェザン店も例外ではない。いや、むしろチェーン中一番店頭で盛岡を感じていただける店かもしれない。駅ビルという立地もあるかもしれないが、盛岡という街へのこだわりが、ご来店いただくお客様に受け入れていただけていると感じている。

 「街が薫る店」というものはどんな店なのか? 試行錯誤の数年間だった。郷土の歴史、偉人、風土、地元出版物などをメインとした郷土棚。東日本大震災関連書棚。地元出身の作家の著書からはじまる文芸書や文庫、コミック売場。雑誌や実用書も郷土色を全面に打ち出した品ぞろえをしてきた。店内のどのジャンルのエリアに居ても、どこかで盛岡という街を感じていただくことができると思っている。

 中でも、もっとも力を入れているのが、郷土棚前の平台で展開している郷土の時事ネタを扱ったコーナーだ。春夏秋冬の季節感の創出からはじまり、政治とカネが話題となれば、類書を揃え展開するし、交通事故多発のニュースを見たら交通事故に関する出版物を展開する。今、岩手でもっとも話題となっているものを、フィクション・ノンフィクション、新刊や既刊を織り交ぜて展開している。
 春になれば、山菜の本の脇に、「春だ!さあ、歩こう!」というPOPをつけて、『歩くとなぜいいか』や『身近な雑草のふしぎ』をも並べる。
 梅雨の季節には、「紫陽花の季節です!』とPOPを添えて『プリズンホテル』も並べる。これは郷土書なのか?(笑)と思われているかもしれないけど、季節も含め「盛岡の今!」を感じて、楽しんでいただけているし、ワゴンや文庫の平台で展開するよりもはるかに多くのお客様にお買い上げいただいているからそれでいいかな。
 当店をご利用いただくお客様の多くが、このコーナーをのぞいてから店内の目的の場所に向かうことが嬉しい。『マタギ 矛盾なき労働と食文化』『限界集落株式会社』など、このコーナーから大きく売れた作品も多い。

第5回 さわやフェザン

 現在のこのコーナーは、相場英雄さんの『震える牛』を中心とした「食の安全」と「地方衰退のからくり」というテーマを中心に展開している。まさに盛岡が抱える大きな問題でもあるのだ。
 中心となる『震える牛』はこんな物語だ。
 巨大ショッピングセンターが地方の街を壊してゆく様子を生々しく描いた裏に見えてきたのは、犯罪の影。影を追い辿り着いた先には、日本全国の地方が抱える現状があった。「地方」の現状を描くことであぶりだされたのは、日本の病巣。その縮図が東北なのかもしれない。
 「みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎シリーズ」で、東北を隅々まで歩き回り取材した著者だから書けた一冊だと思っている。当店のただいまイチオシの一冊『震える牛』。ぜひお読みいただきたい。

 これからも、街の一部としての本屋を目指していきたい。
 盛岡という街を感じに、さわやフェザンにいこう!
 そう思っていただける店を続けていきたい。

 盛岡にお越しの際は、ぜひお立ち寄りいただき、盛岡の街の雰囲気を感じてから街へ向かってみませんか?

 お待ちしております。


第5回 さわやフェザン


さわや書店フェザン店
〒020-0034
岩手県盛岡市盛岡駅前通1番44号 盛岡駅ビルフェザン南館 1F
TEL: 019-625-6311
営業時間:9:00 〜 21:00
Twitter:@SAWAYA_fezan

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