本のこぼれ話

ミシマ社がプロデュースするビジネス書レーベル、「ビジパブ」
その最新刊、『その会社、入ってはいけません! ダメな会社を見わける50の方法』が、2月18日から全国書店で発売になります。著者の藤井哲也さんに、執筆にかけた思いを思う存分語っていただきました。

第9回 その会社、入ってはいけません! 藤井哲也さん(後編)

2010.02.25更新

2009年夏、「若者が辞めない会社の法則」を出すために早速行動に移りました。
まずは出版社さんへの企画書を作成。そしてすぐに郵送!
数日後、電話がなりました。
「ミシマ社の大越と申しますが・・・」

ありがとうございます!

すぐに会社に訪問して、自分が思っていることをお伝えしました。
しかし、力不足・・・。思いだけで人は動きませんでした。
あきらめかけましたが、そこで宿題を一つ頂きました。

「この内容を学生や求職者向けに書くことってできませんか?」と。

!!!

そうか! そうですね。その方向があったんですね!
これまで企業向けのサービスをやっていたこともあり、企業の経営者や人事の方を対象とした企画ばかりを考えていました。しかし、求職者が「入ってすぐに辞めなければいけない会社」を見わける術を持てば、結局のところ、不本意な退職で会社を去る人も減らせるかもしれない。そうすれば、将来ホームレスになってしまう可能性を、少しだけでも減らすことができる。

それから数日で企画書を書きました。そこから企画会議などにかけていただき、11月6日に正式に出版が決まりました。もちろん情報収集や資料集めはしていましたが、2月の発刊予定日まで、残り3カ月だけです。

しかし世の中を変えられるかもしれない、そんな1冊を作るのに、時間を惜しんではいけないと考え、昼間(8時~22時頃)は仕事をして、22時頃から執筆をする日々を繰り返しました。また運よく年末年始も重なっていたこともあり、正月返上でなんとか書き上げました。文字数は15万字くらいに膨れ上がりました。この時点で1月4日です。

しかし大きな問題がここで発生しました。

「新卒に特化しすぎているのではないか」というご意見が編集部から出たのです。
昨今の不景気により、職を求めている人は新卒に限らず増え続けています。その人々にもぜひ本書の「入ってはいけない会社の見わけ方」を知ってもらいたい。
急遽、新卒だけではなく若手求職者にも広げた内容にするべく、修正作業に入りました。
そして1月20日頃、原稿は完成しました。タイトルが決定したのが1月22日。そこからデザインや校正をしていただき、ついに2月17日(書店によっては18日)、書店に本が並びました!!!

その会社、入ってはいけません! ダメな会社を見わける50の方法

タイトルはちょっと過激だろうと周囲からは言われていますが、このくらいでちょうどいいと感じます。

早速発売当日、近くの書店に見に行きました。
なんと! 平積みです!
そして発売から2日経った19日には、すでにその書店さんでは完売でした。

少しでも多くの方が本書を手に取ってくださり、「入ってはいけない会社」の判断眼を磨いてもらいたいと切に思っています。

ちょっとだけ内容に触れると、「入ってはいけない会社」というのは、いわゆるブラック企業のことではありません。これだけはハッキリと伝えておかねばと思ってますのでこの場を借りて改めて。

私の本業は、早期離職の予防に関するコンサルティングです。
ですので、入ってすぐに辞めざるを得なくなるようなそんな会社のことを、「入ってはいけない会社」と定義しています。
ネットなどでは、主に退職率が高い会社のことをブラック企業と呼んでいますが、退職率だけで決めてしまってはいけないと思っています。

退職率が高くても、将来的に「食っていけるだけの能力」を身につけることができれば、私はいいと思います。実際問題、私自身が2年で新卒入社した会社を辞めていますが、なんとかギリギリにしろ食っていけていますので。

社員の定着率が高く、非常に安定している会社に入っても、もしその会社が倒産したときに社員が何も能力を身につけられていなければ、その社員は路頭に迷ってしまうはずです。つまりホームレス化です。

そうではなく、将来、もし会社がつぶれても社員がホームレスにならないように、きちんと成長する場を創る会社こそが良い会社だと私は思いますし、そういう場ではない会社こそが、「入ってはいけない会社」なんだと思います。

私は本の中で次のようなたとえを使っています。

「ハイブリッドカー型会社」=入ってよい会社
「スポーツカー型会社」=入ってはいけない会社

です。

このたとえの意味は、本書をぜひ手にとって読んでいただければ嬉しいです。最初の方に書いてます!

本には書いていませんが、51番目の「ダメな会社を見わける方法」は、

『直感で"合わないな"と採用担当者に対して感じる』 ということです。

直感って意外に大切で、人は見た目で最初判断します。その段階をクリアしなければ、人間関係を深める次のステップには進むことができないのです。

本も一緒だと思います。
パラッと見てもらったとき、私のこの本がミシマガジン読者の皆さまの直感に響くよう祈るばかりです。

きっと、本で世の中は変えられる! はず!

本書発刊に当たっては、編集者の大越裕さんや、三島社長には感謝申し上げます。ありがとうございました! いつも本の最後にはこのような文章が書いていて、私も「お世辞入っているよな~」と思ってましたが、実際に自分が本を書いてみて、編集者次第で本って全く別物になるのだなと感じました。
ミシマ社さん万歳ですね!

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藤井哲也(ふじい・てつや)

人事コンサルタント。(株)PASIO代表取締役社長。町工場を経営する親の長男として1978年誕生。2001年立命館大学法学部卒業後、人材派遣会社に就職。これからの日本社会を憂慮し2003年9月に会社設立。以後、若手求職者の就職支援事業を経て、現在は大企業から中小ベンチャー企業まで幅広く、若手社員の早期離職を減らすコンサルティング事業を展開。社員定着手法「リテンション・マネジメント」という概念を日本に普及・定着させた。将来の夢は「世界から飢餓をなくすこと」。

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