本のこぼれ話

 4月に新しいシリーズ「手売りブックス」がスタートします。
 と、宣言はしたものの、まだまだどんな形になるのかは練りこみ中。もっともっと面白いシリーズにできればと、日ごろからいろんな本の届け方に挑戦しているご近所の本屋さんにお声がけして座談会を開催しました。集まってくださったのは、一乗寺にあるマヤルカ古書店の中村さんと恵文社一乗寺店の鎌田さん、そして祇園にある京都天狼院の山中さん。新しい本の届け方や、「手売りブックス」について、白熱した座談会を2日間でお届けします!(1日目はこちら

(構成:田渕洋二郎 写真:新居未希)

小さな本屋の書店員たちが語った、まだまだ本の届け方はいっぱいあります。(2)

2018.01.26更新

本屋で「手売り」ってどうするの?

鎌田どうしてこのシリーズを思いつかれたんですか?

三島いろんなきっかけがあるんですが、昨年末、紀伊國屋書店梅田本店でミシマ社フェアをやらせていただいたとき、すごく賑いがあったんですね。どうしてかっていうと、このフェアの声をかけてくださった百々さんが「マルシェ的な賑わいを作りたい」とおっしゃってたんです。

 実際、フェア期間中はメンバーが集まって、通りかかる人に声をかけたりしながら手売りをしていったのですが、すごくよく売れたんですね。あと、それとは別に昨年の11月の頭にも、天草でやっている手づくり市「アマクサローネ」に出展して本を手売りしてきたのですが、こちらもすごくよく売れたんです。

一同 おお。

三島今、本が売れない、売れないと言われているなかで、「手売り」でこんなに売れるんだ、という実感がありました。
 また、うちが編集してインプレスさんで出させていただいている「しごとのわ」というレーベルで『魔法をかける編集』という本を出したんですが、著者の藤本さんの手売り力がすごいんです。全国駆け回っている方なので、それぞれの地域のイベントなどで、すごい数を売ってくださる。こういうような色々なきっかけがあって、「手売り」って面白いな、と思ったんですね。

その本屋さんにしかない選書フェア

三島たとえば、作家さんが来なくても、本屋さんの売り場でどうすれば熱量を保ったまま手売りできるかなあと考えているんですけど、何かいいアイデアありますかね。

山中うーん。普通にただ置くだけだったら手売り感がないですもんね。著者の方に選書していてただいてその棚を作るとかはどうでしょう。その棚を見たら、書いた人が何を考えているかす少しでもわかって嬉しいです。

三島いいですね。やりましょう!今回著者が5名いらっしゃるので、書店ごとに好きな作家さんを選んでもらって、その方に選書してもらうのも良さそうですね。

鎌田それめっちゃいいですね。あと、著者とその店の書店員が同じテーマで選ぶとかも面白そうですね。

三島それ行って見たいわ~。「共演感」が出ますもんね。しばにさんのすすめる料理本とかも気になりますし、棚の規模によって選ぶ本も違うというのも面白いかもしれない。

鎌田カスタマイズできるフェアっていうのがいいですね。

三島うんうん。どんどんいい案が出て来ますね。あと、今デザイナーの名久井さんとは、「表紙のタイトルをシールにして、書店さん貼ってもらったらどうか」みたいなことも考えているんです。

 ブックデザイナーって、タイトルをどうレイアウトするのかが一番大切な仕事だと思うんですけど、それを本屋さんかお客さんにやってもらう、という。この案は本屋さん的にはどうですか?

中村うちは古本屋なのでできますけど......

一期一会の本

鎌田なんか自分でレイアウトしたものだけめちゃめちゃ売れ残ってるとかだったらなかなかしんどいですよね(笑)。それは厳しいかもしれないんですが、書店がハンコを押せる欄とかを作るのはいいんじゃないですかね。

三島それいいですね。本ってどこで買ったか記憶にはあるけど、実際にハンコで押されてたら嬉しいです。

中村痕跡が残ってるのはいいですよね。古本だとそれがけっこう楽しみだったりもします。

鎌田うんうん。前に古本買ったとき、その本、めっちゃハードボイルドの本だったんですけど、なかにサーティーワンのポイントカードが挟まってて。思わず笑っちゃいました。この人アイス食べるんやって。

三島(笑)。あと、このハンコがあるとますます「どこで買うか」というのがお客さんにとって大きなものになりますね。ここの本屋さんのハンコが欲しい、みたいな。

山中そうですね。うちのお店でも「次はこの本屋さん行くんです〜」っていう本屋さん巡りをされてる方が多いです。スタンプラリーみたいにするのも面白そうです。

三島5種類制覇したら、何かプレゼントがあるとか、手売り手ぬぐい、とか。

山中うんうん。あと、全然話変わるんですけど、本を届けるためにできることとしては、動画もありですよね。

三島そう、それもやりたいんですよ! いしいさんとかがあの感じで自分の本を紹介してくださったら絶対買いたくなりますもん。だからQRコードみたいな感じで、読み取ったら動画にリンクするみたいなことをすれば、スマホとかでも見れるし、やろうと思います。

鎌田おお! あとしばにさんとかは、実際におむすびを作っててる動画もあったらいいですね。

三島それもいいですね。そういう仕掛けももろもろ含めて、著者と同じように、売り場の人がその本を知っていて、熱量を持って売ることが大切なんだと思います。

鎌田めっちゃ売る気になりました!

三島ありがとうございます。今日出た案はどれも素晴らしいので、全部形にしていきたいと思います。でもこれから全く違うアイデアが出てきて全然違うものになっている可能性もありますが(笑)。楽しみにしていてください!


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