本屋さんと私

今月の「本屋さんと私」でアノニマ・スタジオを取材したミシマガ編集部アダチが、「Book Market 2010」のお手伝いをさせていただきました。本日は、番外編として「Book Market 2010」スタッフ体験記をお届けします。アノニマ・スタジオのHPに掲載されているイベントレポートとあわせてご覧ください。

第32回 番外編「Book Market 2010」スタッフ体験記~『みんなのプロレス』を売るノ巻

2010.02.25更新

第32回本屋さんと私アノニマ・スタジオさん

医学書院さんと理論社さんの合同ブースは存在感たっぷり。よりみちパン!セの新刊『世界のシェー!』にちなんだ「春の新シェー活応援フェア」を開催。

2月13日(土)
時折、雪がひらひらと舞い、巷ではオリンピックの開会式の中継があるなか、たくさんのお客様が蔵前のアノニマ・スタジオに遊びに来てくださいました。なかには京都や徳島から高速バスで「Book Market」目当てに来てくださったお客様、また北光社の佐藤元店長も新潟から応援にかけつけてくださいました。

取材で安西さん・三谷さんの「Book Market 2010」にかけるアツアツの思いに触れ、「私も手伝いたいです!」とスタッフ志願したアダチ。当初、アシスタント的な立場で後方支援をするのかと予想していたのですが、ブーススタッフとして、がっつりスタメンで起用。若干緊張しつつも、あまり気負わず、自分が本を読んで感じたことを素直にお客様にお伝えしよう。そう思って接客させていただきました。

第32回本屋さんと私アノニマ・スタジオさん

三谷さんの「シェー」がお出迎え

私が、ミシマ社の本のなかで最も好きな本のひとつ『みんなのプロレス』。国内外のレスラーのエピソードが、斎藤文彦先生の愛情溢れるまなざしによってドラマチックに描かれているのが魅力的な本です。ひとりの女性のお客様が『みんなのプロレス』が気になるご様子。思いきって話しかけてみることにしました。

アダチ 「『みんなのプロレス』、すごくいい本なんですよ」

お客様 「私、プロレスのこと、よく知らないんですが、友人がプロレス好きで、なんでそんなに好きなんだろう? と思っていたんです」

アダチ 「私、この本を寝る前に少しずつ読んだのですが、このなかで紹介されているレスラーの人生ってリングを降りてもドラマチックで。じーんと感動しながら眠りについていました。この本を読めば、ご友人がなぜプロレスが好きなのか、おわかりになるかもしれません。プロレスを知らない女性の書店員さんからも、この本はおもしろいって言ってくださっているんですよ」

第32回本屋さんと私アノニマ・スタジオさん

『みんなのプロレス』(斎藤文彦、ミシマ社)

お客様 「本屋さんに行ってもプロレスコーナーには行かないだろうし、この本に出会う機会って今後ないかも。・・・・・・買います!」

アダチ 「うわっ! ありがとうございますー!!」

しばらくして、もうひとり『みんなのプロレス』を手にとってご覧になるお客様が。今度は男性のお客様です。そのお客様と目が合いました。もしやもしやプロレス好きなのかしら。そんな気がしました。なにか、お客様が語りたそうな信号をキャッチしたアダチ。

アダチ 「『みんなのプロレス』、感動しますよ。もしかしてプロレス、お好きですか?」

お客様 「好きですね。三沢さんの献花式にも行きましたよ」

(やっぱり!)

アダチ 「正真正銘のプロレスファンじゃないですか! 私もプロレス大好きです!」
お客様 「いろいろな選手のエピソードがあるんですね。こうやって一冊の本にまとまっているのって見たことないですね」

こちらのお客様にも『みんなのプロレス』をお買い上げいただきました。ありがとうございます! 日ごろ、隠れキリシタンのごとく日常生活に潜伏しているプロレスファン。「仲間」を発見するやいなや「誰のファンですか?」「どこの団体が好きですか?」とアツく語りだす生き物でございます。このお客様とはお会計の合間に、プロレスLOVEトークもさせていただき、プロレスは「語る」スポーツだということをしみじみ実感したのでした。

ここで重大発表!
ミシマ社は某大物選手の本を今年5月下旬に出版予定です。プロレスファンの方はもちろん、そうではない方も乞うご期待! ヒントは「ちあーっす!」です。

最後に、「Book Market 2010」主催者であるアノニマ・スタジオの安西さんと三谷さんにご登場いただきましょう。

* * *

―― 「Book Market 2010」、無事に終わりましたね。

第32回本屋さんと私アノニマ・スタジオさん

たくさんのお客様が来てくださり、熱気に包まれた会場

三谷とても充実した三日間になり、本当に楽しかったです。ありがとうございました!  ご来場くださったお客様、盛り上げてくださったご出展社のみなさま、ご関心を寄せていただき、取材してくださったマスコミのみなさま、関わってくださったすべての方々に、感謝! の一言です!

―― 今回も盛況でしたね。三日間のイベントをとおして、印象に残ったことはなんですか?

第32回本屋さんと私アノニマ・スタジオさん

 

安西金曜、土曜とあいにくの空模様だったので、正直、はじまるまではお客様がどれくらい来てくださるのか心配でしたが、昨年にも増して大勢のお客様にお越しいただき、とてもうれしかったです。今回、特に印象的だったのが金曜、土曜の二日間、ちくま文庫のセレクトをお願いした北光社の佐藤元店長が新潟から来てくださったことです。北光社さんをご存知だったお客様も大勢いらっしゃって、とても喜んでいただけました。

第32回本屋さんと私アノニマ・スタジオさん

北光社さんのハッピも特別展示された筑摩書房さんのブース。ちくま文庫をお買い上げのお客様には、北光社さんのブックカバーをかけてお渡ししました。

三谷私はお客様がゆっくりじっくり、それぞれのブースをご覧になっている姿が印象的でした。個性際立つ出版社さんばかりにご出展いただいたので、「ん? これは?」と気になって見てくださるのかなと感じました。

―― お客様からの反応はいかがでしたか?

三谷「へえ、こんな出版社があるんだ」とか「書店では見かけたことがあっても、こんなにまとまって見られる機会がないので、うれしい」など、「えっ? アノニマ・スタジオでこういう本が!?」が良い方向に働いた気がします。それが本当にうれしかったです。

―― いい意味でアノニマさんぽくない感じもよかったのでは?

三谷そうですね。わざわざ遊びに来てくださったお客様に、意外性も楽しんでいただきつつ、骨のあるイベントになったのではないかなと思っております。それもこれも、ご出展社様の個性の魅力のおかげです。

―― 次回の「Book Market」はどうしていきたいですか?

三谷総括としては、来年もますます「本当におもしろい本は、ジャンル違えど、やっぱり楽しい!」ことを提案できるイベントにしたいですね。

安西今回もご出展社のみなさまから、「とても楽しめました」というご感想をいただきましたが、そう言っていただけると本当にうれしいです。ご出展社サイドも楽しく、来てくださったお客様も楽しいイベントであり続けたいと思います。このスタンスを崩すことなく、次回も面白い出版社さんにご出展いただけるように頑張っていこうと思います。

―― 次回にむけて改善したい点があれば教えてください。

三谷会場の導線のことが、やや気になりました。もりもりに盛りこむのは、楽しさもある反面、お客様がたくさんいらっしゃる時間帯に窮屈な思いをさせてしまったのではないかなと。

第32回本屋さんと私アノニマ・スタジオさん

朝日新聞朝刊31面(2010.2.13)に「Book Market 2010」の記事が掲載。「山の手」ならぬ「川の手」ってあるんですね。

―― そのバランスが難しいところではありますよね。

三谷そうですね。次回はイベントスペースと販売スペースを上手にすみ分けるなど、もりもりの楽しさはさらにてんこ盛りにしつつ、もう少し(運営側が)スマートに立ち回りたいです。

―― 次回も期待しています!

* * *

私自身、たくさんのお客様に一冊ずつ本を手渡すことができ、とても有意義な時間を過ごさせていただきました。きーんとした寒さのなか、「Book Market 2010」に遊びに来てくださったみなさま、本当にどうもありがとうございました!

お便りはこちら

みんなのミシマガジンはサポーターの皆さんと運営しております。

安西 純(あんざい・じゅん) 三谷 葵(みたに・あおい)

安西 純(あんざい・じゅん)
1979年千葉県出身。アノニマ・スタジオ所属。おもに都内周辺の書店営業を担当。幼き頃は自然と一体になって遊んでいた。中学生当時には台風で学校が休校になると喜び、友人とともに台風の雨で増水した川に飛び込み、川の急流に流されるのを楽しんでいた。たまに過去を思い返すと、今生きているのが奇跡かもしれないと思ったりもする。好きな食べ物は「カレー」。

三谷 葵(みたに・あおい)
1981年長野県出身。アノニマ・スタジオ所属。雑貨店など書店以外の取引先への営業を経て、現在編集/広報を担当。「雨が降ったら、三谷は休み」といわれるほど、学校嫌いだった学生時代が嘘のように、2010年2月にミームデザイン学校基礎課程修了、四谷・くくのち学舎に関わるなど、どういうわけか「学校」に通いつづける日々。山伏歴7年目。好きな食べ物は「目玉焼き」と「ぬた」。

バックナンバー