本屋さんと私

北尾トロさんのインタビュー、前回までは雑誌『レポ』の話。
今回は、今年9月に開催した「第2回高遠ブックフェスティバル」が話題になった、「本の町」の話と、トロさんの本屋さんとの出会いの話です。

「"本の町"って何?」っていう人から、ブックフェスのことが気になる人まで、本好きも、旅行好きも、トロさんファンも、町おこしに興味がある人も、みんなまとめて是非ご一読あれ。

(聞き手:三島邦弘・萱原正嗣、文:萱原正嗣)

第55回 『レポ』と「本の町」で、俺の50代はバラ色だな

2010.12.16更新

「本の町」=「本」で「町おこし」

―― 高遠(長野県伊那市)を「本の町」にしようと活動されていますが、そもそも、「本の町」の姿をイメージできない人もいるんじゃないかと思います。まずはその辺りからお聞かせください。

トロ「本の町」は、一言で言うと、郊外の町が「本」で「町おこし」するイメージです。「エコツーリズム」みたいに「ブックツーリズム」と言われることもあります。
本って何とでも結びつく便利なものじゃないですか。本が観光と結びついて、本を使って町おこしする。そうイメージしてもらうのがわかりやすいと思います。
ちなみに、本と言っても古本で、「本の町」は古書の町です。日本で古書店街というと神保町ですが、それとはまったく別物です。

ヨーロッパに「本の町」がいくつもあります。郊外の小さな町で、自然が豊かで、歴史があって・・・。そういう町に、本屋さんが集まってきて「本の町」になっています。
でも、そういう町も、もともとは「いいところだね、でも何もないね」っていう感じのところでした。そこに本が加わって、本好きも集まるようになってきた。それで、商店街が復興して、宿もできて、町が蘇る。そういう町です。

―― 「本の町」の元祖と言われるイギリス/ウェールズのヘイ・オン・ワイでは、人口2000人くらいの村に古書店が30数軒もあると聞いています。そう言われても、町が実際にどう成り立っているのか、いまいちピンと来ないところがあるんですが・・・。

トロ外から観光客がたくさん来ます。扱っているのが英語の本なので、ヨーロッパ各地、アメリカはもちろん、世界中から人がやって来るんです。本屋さんも多いですが、もともと村にいる人たちはそこでちゃんと生活をしていて、生活感もあります。
お客さんは、古書マニアというよりは、普通に本が好きな人たちです。町には山も川もあって、カヌーを楽しめたりするんですが、カヌーで遊んだあとに、本を1、2冊買う、そんなイメージです。

―― まさに、本が旅行・観光とセットになっている感じなんですね。本だけを求めて来るわけではなくて、本も楽しむっていうイメージで・・・。

トロそうです。神保町みたいな古書マニアの町ではありません。
だから、夫婦で行って、奥さんが全然本に興味がなくてもOKなんです。カフェもある、レストランもある、ホテルもある。で、そこで1泊2泊して、旦那は古本屋にいてもいい。そんなところです。
町のサイズがまたいいんですね。歩いて回れるくらいのすごく狭いところで・・・。自然があって、歴史があって、ゆったり町を歩きながら本に触れられる。これは最高ですよ。
それを見ちゃったので、こんなことが日本でもできないかなぁって思うようになりました。5年くらい前のことですね。

―― なるほど、だんだんイメージが湧いてきました。

「本の国の王様」リチャード・ブース

第55回本屋さんと私 北尾トロさん

『本の国の王様』(リチャード・ブース、創元社)

トロそれ以来、「本の町」が気になって、いろいろ調べてみたんです。
元祖のヘイ・オン・ワイは、リチャード・ブースというひとりの名物オヤジがきっかけで、「本の町」になっていきました。動き出したのが1960年代なので、もう半世紀近くになります。ブースは、ひとりで「本の町」をつくったと言ってもいい、ものすごくパワフルな人です。運良くインタビューすることができたのですが、自分で自分のことを「本の国の王様」って呼んじゃうくらいの人です。

ただ、そんなパワフルな人はなかなかいません。ヨーロッパの後発の「本の町」は、行政主導で取り組んでいるところもあります。スタイルは、テーマパーク的にやっているところもあれば、町によっていろいろです。
でも、すごいと思うのは、取り組み始めてだいたい5年から10年で、どこも「本の町」にしちゃうんですよね。それはたいしたもんだと思います。

―― そういう動きは自然発生的に生まれているんでしょうか? それとも誰かが呼びかけて、それに応じて人が集まってくる感じでしょうか?

トロだいたい呼び掛け人がいるみたいです。外からひとり移住してきて、「ここでやろうよ」って、仲間を集めるところから始めるパターンが多い感じですね。
ただ、普通の人がやってもひとりではなかなか立ち上がらない。実態としては、国や自治体から助成金が出ているところも多いはずです。特にフランスなんかはそういう文化的なところに手厚いから、優遇されるんじゃないかと思います。

―― たしかにフランス手厚そうですね。

トロそんな流れで都市から古書店が移ってくる。もともと石造りでお城がある町だったりすると、それだけで雰囲気がある。だから、形になるんです。古い町のイメージに古書が似合うんです。

―― それはホントに絵になりそうです。

 * 『レポ』創刊号に、フランスにあるふたつの「本の町」を紹介する「本の町のつくりかた」というレポートが掲載されています。著者は「本の家」店主・斉木さんです。
リチャード・ブースについては、松岡正剛氏の「千夜千冊」にて、『本の国の王様』(リチャード・ブース、創元社)の書評という形で詳しく書かれています。
「本の町」について詳しく知りたい方は必見です。

「本の町」をつくろうと思ったら、町に本屋が一軒もなかった・・・

トロ「日本にもそういうところがあれば、僕なら行くな」って思ったんです。そんな話を斉木さんっていう人としていたら、「誰もやらないだろうから、僕らで動いてみましょうか」っていう展開になりました。

候補地を探していたら、たまたま高遠の町と出会いました。自然があって、歴史もある、何より歩いて回れるサイズの町なのが、描いていたイメージにぴったりだったので、「ここでやろう」と思いました。それが2007年です。高遠のはずれにある古民家を借りてしばらく営業し、2008年に中心部に移動して本格的に店を始めました。

―― 歩いて回れるのはいいですよね。

トロとにかくそれが絶対条件だと思っていました。車を停めてぶらぶら歩きながら本屋に寄る感じにしたかったんです。

ところが、取り組み始めたはいいものの、当時、本に関する店が町に一軒もなかったんです。「本の町」をつくろうとしているのに、本屋が一軒もないのはまずいということで、自分たちで本屋をつくりました。それが、「本の家」です。斉木さんが高遠に移住して店主になって、ブックカフェの業態で営業を始めました。
僕と、もうひとり女性のメンバーがいるんですが、東京組のふたりはときどき手伝いに行く感じです。

―― 町の人の反応はどんな感じでしたか?

トロもうとにかくビックリしたみたいで(笑)。「何ですかそれは?」っていう反応でした。
もちろん、僕たちとしては町の人たちにちゃんと理解してほしいので、「こういうことがしたい」っていうのを何度も説明して、文章にもしたんですけど、全然伝わらなくて・・・。
「わかってもらうには実際に見てもらうしかない」ということで、ブックフェスをやることにしました。「こういう雰囲気にしたいんですよ」っていうプレゼンテーションだったんです。

―― なるほど、そういう流れでフェスが開催されたんですね。

トロ去年は2日間でいろいろなことをやりました。
やってみたら、「お客さんすごく来たね」、「こんな若い人が高遠を歩いているのを何十年ぶりに見た」って、それなりの反応はありましたが、ピンとこない人も多いみたいでした。商店街の人は、お客さんが来て儲かったから、「またやってよ」って言うんですが、商売をしていない人にとっては、まだよくわからない。

「それならもう1回やるしかない」ということで、今年第2回目のフェスをやりました。
今年は、期間を6日間に伸ばして、平日も挟みました。「もし本の町ができたら、その日常はこんな雰囲気になる」っていうのを、町の人に感じてもらいたかったんです。
今年は、去年より町の人が関わってくれて、僕たちとしても手応えはありました。でも、まだまだなんですね。それで、このあいだ町の人たちと会ったときに、「このままだと3回目はないですよ」っていう話をしてきました。

「本の町」をつくるのは、町の人たちの仕事です

第55回本屋さんと私 北尾トロさん

―― というのはどういうことでしょうか?

トロフェスは、県から助成金をもらって開催に漕ぎつけました。何百万円もの助成金です。そうじゃなきゃ、僕たちだけでは到底無理でした。でも、長野県もいつまでもお金を出してくれるわけではありません。
僕たち自身も、もっと町の人と一緒にやりたいし、そうじゃなきゃ「本の町」をつくっていけないと思っています。
「僕たちはもう結構いい歳だし、地元の人間じゃないよそ者なんです。僕たちにできるのは種蒔きまで。水を撒いて、育て上げて、花を咲かせるのは、町の人たちの仕事ですよ」って。そういう話をしてきました。

そんな思いもあって、今年は、地元の高遠高校の子たちにスタッフとして参加してもらいました。今回関わってくれた地元の若い子たちが、10年後くらいに中心メンバーになる。そんな流れをつくりたいと思ったんです。そうやって続けていけば、町の人たちもその気になってくれると思っています。

ただ、そこまで続けていくためにも、いまのままではダメなんです。商店会然り、力のある人たちが、もっと積極的に関わるようになってくれないと厳しいんです。僕たちだけでは続けていくのは難しいんですっていうことを話してきました。

―― それを聞いて、町の人はどういう反応でしたか?

トロすぐに「やります」っていう感じにはならないんですけど、定期的に会って、前向きにやりましょうっていうところに来ています。時間はもう少しかかかると思いますが、一歩一歩進んでいると思います。

―― いまは何人くらいの関わりになってきているんでしょうか?

トロ今年は、当日手伝ってくれた人も含めると、60~70人くらいです。そのなかでコアに関わっているのが20人くらいですね。

―― そのうち地元の方は何人くらいでしょうか?

トロ半分くらいです。

―― 地元で引っ張っていく人が出るといいですよね。そうするとガラっと変わるというか一気に動き出すんじゃないかと思います。去年、今年とフェスをやられて、すごく話題になったじゃないですか。それを見て、地元の人も手応えを感じているんじゃないかと思いますが、実際のところはどうでしょうか?

トロそういう人たちもいます。でも、サイレント・マジョリティが世の常ですから、町のみなさんの本音はわかりません。大半のひとたちは「静かに暮らせばいいじゃん」って思っているのかもしれませんし・・・。
ただ、あんまり気を遣いすぎても何もできないので、そろそろガンガン行こうかなと思っています。

ホントは「本の町」に遊びに行きたいだけなんです(笑)

トロそんなこともあって、来年からはプロジェクトの高遠本の町プロジェクトの第二期をスタートさせようと思っています。第一期は今年で終了です。

―― 具体的にはどういうことでしょうか?

トロひとつには、「本の家」です。いまの形での営業は、今年いっぱいでやめようと思っています。実は、2年半くらいやって、ずっと赤字なんですね。
そもそも、僕たちは古本屋をやりたくて「本の家」を始めたわけではありません。「本の町」に、本の店が一軒もないと話にならないから始めただけのことです。それに多くの時間とエネルギーを使うのは、本末転倒だなと・・・。

この2年半、自分たちの力でできることはいろいろやりました。それでも黒字にならなかったんですね。ということは、自分たちだけの力で今の形を続けていくのは無理なんだ、ということだと思います。営業形態を見直すとか、書店経営のプロに加わってもらって、共同運営の形にするとか、とにかくここらで「本の家」は一回見直そうと思っています。
『レポ』も始めましたし、あれもこれもできないっていうのも現実的な理由のひとつです。

―― なるほど・・・。

トロ第二期のもうひとつは、プロジェクトを大きくふたつに分けようと思っています。ひとつは、より地元色を強めて、地元の人と一緒に「本の町」づくりをする動き。もうひとつは、もう少し広い視点で、日本に「本の町」をつくる動きです。
斉木さんとよく話をするんです、「俺たちはただ本の町に遊びに行きたいだけだよね」って(笑)。
究極の話をすると、「本の町」は高遠でなくてもいいわけです。もちろん、高遠で2年半やってきたから、高遠には「本の町」になってほしいと思っていますが・・・。

要は、「本の町」プロジェクトは、どこでやったっていいし、複数できたっていい。実際、長野県なんかは、そういう気のある町がいろいろあるんです、軽井沢とか小布施とか大町とか安曇野とか。そういうところを結びつけて、本の国にすればいいんじゃないかとか、考えていくと、いろいろなアイディアも出てきます。
こういう風に、どうすれば早く「本の町」をつくれるかっていうことも、もっともっと考えていけるようにしなきゃいけないなと・・・。
それで、僕自身は、全体的な動きの方に力を注げるようにしたいと思っています。

―― 高遠のことは高遠の町の人中心に、ということですね。

トロもちろん、僕も高遠に関わりますけど、だんだんフェードアウトするイメージです。そうじゃないとまずいだろうなと思っています。

子どもが本好きになって、嫌がる親はまずいない

―― そうですよね。ところで、トロさんたちが関わる以前の高遠の人たちは、本とどうやって関わっていたんでしょうか?

トロ関わってないです。町に本屋がないんだから。

―― それは、本を買いたいときは町の外に行くか、ネットで買うか、ということでしょうか?

トロそうです。高遠は、日本中の田舎と同じで、いまやもう超クルマ社会なんです、クルマで20分くらい走るとブックオフがある。そんな状況です。町の中に本を感じられるところはありません。
ただ、長野県の人たちは全般的に本が好きな人が多いのは救いですね。高遠は歴史のある町だから古い人も多いし、活字に抵抗を感じるようなことはありません。土壌としてはなかなかいい条件が揃っているところだと思います。
それに、本は、他のイベントや町おこしの手段とくらべても、悪いイメージがないんですね。そこはやりやすさです。子どもが本好きになって、嫌がる親はまずいませんから。

エロ本の立ち読みは、きっとオヤジにバレてました(笑)

―― トロさんの最初の本屋さんとの出会いはどんな感じだったんでしょうか?

トロ町の本屋です。町の本屋で、うるさいオヤジの目を盗んでいかに立ち読みするかをひたすら考えていました。
最初はマンガから始まって、中学生くらいになるとエロ本ですね(笑)。オヤジの死角になるところを見つけて、そこでいかにバレずに読むか。それに全力を注いでいました。「ここの角はオヤジから見えないな」って。
まぁ、多分バレてたと思うんだけど・・・(笑)。

―― そうですよね、多分バレてますよね(笑)

トロまぁ、子どもだったから・・・。大丈夫だと思えたんだろうね(笑)。
でも、エロ本っていってもかわいいものですよ、『ポケットパンチOh!』(平凡出版[現マガジンハウス])とか、『別冊スクリーン』(近代映画社)とか・・・。

―― 水着系ですね(笑)。

トロそうですそうです(笑)。そういうものに大いに反応してました。
出身は九州なので地方ですが、町育ちだったので、本屋に飢えるっていう感覚はなかったですね。昔は宅配もありましたし・・・。

―― 何か購読されていたんですか?

トロマンガ雑誌ですね。『ぼくら』(講談社)だったかな。
あとは、購読じゃないですけど、学校に行ったら学研の『科学』と『学習』を読んでいました。あんまり小説は読んでないです。あとは雑誌かな。

―― 雑誌は昔からお好きだったんですか?

トロ高校生ぐらいからです。『宝島』(宝島社)や、『SFマガジン』(早川書房)を読むようになりました。
あのころは、他にもあの版型の雑誌がたくさんあって、そういうのをよく読んでいました。『面白半分』(株式会社面白半分)とか『絶体絶命』(幻影城)とか、『突然変異』(突然変異社)とか、いろいろ出てきた時代で、面白かったです。

―― 昔から本屋さんにはよく行ってらっしゃったんですね。

トロでも、自分ではあまり本好きだとは思っていないんです。「本好きじゃない」というと言い過ぎかもしれませんが、間違いなく読書家ではありません。読むジャンルもすごく偏ってますし・・・。

Book & Bed & Breakfast~再び「本の町」の話~

―― お話を伺っていると、トロさんが好きな本の延長に、「本の町」があるように感じます。「本の町」でやろうとしているのは、読書家じゃない人にも本を広げていこうということでしょうか?

トロ広げるというよりは、古本マニアが来ない町を目指したいと思っています。
マニアは神保町に行けばいいわけです。神保町は、数でも質でも世界一ですから。田舎でやるのに、そんなのものを最初から目指しちゃだめなんです。

そうじゃなくて、居心地がいいとか、水がいいとか、デートコースになるとか、そういうのが大切だと思うんです。ベースになる町のよさがあって、本が好きだとなおいっそう気持ちがいい。そんな風にしていけたらいいなと思っています。
たとえば、Book & Bed & Breakfastの3Bを売りにするホテルがあって、買った本をそのホテルで読むと何か仕掛けがあったり、すごく陽当たりのいいところにデスクがあったり、そういう気の利いたところがあったら最高だなと・・・。

―― 3B最高ですね!

トロでも、いまの高遠だと無理なんだよね。口では言えるんだけど、実現するとなるとなかなか・・・。
要は、本屋がいっぱいあればいいっていうわけではないんです。本に関する仕事をしている人たちが住んでいるっていうスタイルもありだと思うし、本屋より美味しいレストランやパン屋さんがあった方がうれしいし、12時までやってるバーがあるっていうのも大事だと思うんです。

―― 美味しいのと飲める場所があるのは重要ですね。地方は驚くほど夜が早いですからね。

トロホントにそうなんです。本がきっかけになって、美味しいお店や飲める場所が増えて、町がより魅力的になっていくといいなぁと思っています。

俺の50代はバラ色だな

―― 地方にこういう動きがもっともっと増えていってほしいと思います。トロさんを見ていると、「本の町」と『レポ』、セットで取り組まれているような印象も受けますが、ご自身の感覚としてはどうでしょうか?

トロ僕のなかでは、「本の町」の方が客観的です。ひとりではどう頑張っても無理なんです(笑)。反対に、『レポ』は主観的というか、かなり自分を出してやっています。自分のフィールドだからホームでやっている安心感があります。
町は・・・、やっぱりアウェイですね。

組織づくりとか、人をまとめるっていうのは、僕のもっとも苦手なことなんです(苦笑)。町づくりにはいろんな人が関わってくるので、ひとりでやるぞやるぞって言ったって、絶対できないんですし、協力を求めて理解してもらわなくちゃいけない。丁寧に話をするとか、相手の気持ちを考えるとか、そういうことが大事な世界です。
僕にとっても新しいチャレンジですが、頑張っていきますよ。

―― どちらも新しい可能性を感じられて、楽しみです。

トロもともと種蒔き型の人間なので、僕がやっていることを見て、いろんな人が続いてくれたらいいなぁと思います。
ただ、このふたつに関しては、持続させないと意味がないと思うんです。そこが面白みでもあるんだけど、どこまでできるのかなぁって・・・。瞬発力でどうにかなる次元じゃないですからね。マラソンの世界ですよ。

―― 持久力ですね。途中バテそうなときもありながら・・・

トロそうそう(笑)。でもそれは、当分楽しめるっていうことでもあると思うんです。となると、「俺の50代はバラ色だな」と(笑)。

―― いいですね(笑)。『レポ』も「本の町」も、どちらも楽しみにしています。今日はどうもありがとうございました。

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北尾トロ(きたお・とろ)

1958年、福岡市生まれ。
小学生の頃は父の仕事の都合で九州各地を転々、中学で兵庫、高校2年から東京在住。小倉市立高坊小学校、尼崎市立武庫中学、東京都立日野高校、法政大学卒。
インド旅行から戻ったら追試が終わっていたという情けない理由で5年かかって大学を卒業後、フリーター、編集プロダクションのアルバイトを経て、26歳でフリーライターとなる。おもにスキー雑誌、テニス雑誌で原稿を書いていた時期もあった。
本名時代の著作に、『サラブレッドファン倶楽部』、『馬なりの人生』、『図解で企画ができる本』がある。
30歳を前にバンド活動、同名の“脳天気商会”という会社を、ライターの下関マグロ氏たちと設立(3年後に解散)。
同時期、北尾トロのペンネームで原稿を書き始め『別冊宝島』『裏モノの本』などに執筆し始める。また、『ダ・ヴィンチ』『裏モノjapan』には創刊時からお世話になっている。
40歳を前に、インディーズ出版活動を開始し、『廃本研究』を制作。以後、『廃本研究2』『オンデマンド版銀座八丁目探偵社』『Secret of DragQueen』『なんて素敵!』『西荻カメラ』『ばいぶる』を制作。
1999年、インターネットを使った古本屋『杉並北尾堂」をオープン。期間限定のブックカフェ、ロゴスギャラリー(@渋谷パルコ)での古書イベントなど、古書関連の仕事(?)や知人が増えた。
40代後半からは、日本にも『本の町』を作りたいと考えだし、2008年5月、長野県伊那市高遠町に、仲間とともに『本の家』を開店。第一歩を踏み出したばかりである。
個人事務所(株)ランブリン代表。NPO法人西荻コム理事長。西荻ブックマークスタッフ。

〈連載中〉
* 走れ!トロイカ学習帳(ダ・ヴィンチ、メディアファクトリー)
* 超越大陸(ラジオライフ、三才ブックス)
* 北尾トロのそら飛ぶえほん(この本読んで! JPIC)
* 中野さぼてん学生寮(一冊の本、朝日新聞出版)

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