本屋さんと私

『がじゅまるファミリー 7』ももココロ(琉球新報社)

 今回の「本屋さんと私」は沖縄スペシャル! 沖縄ではおなじみ、新聞4コマ漫画「がじゅまるファミリー」作者のももココロさんを突撃インタビューしました。
 ユーモアたっぷりに私たちを笑わせてくれる4コマ漫画は、カタ~イ新聞紙面上のオアシス。新聞には欠かせない存在です。しかも毎日毎日、世の中のできごとを映し出しているんですから、すごいですよね。

 そんな数ある新聞4コマの中でも、一味も二味も違った「沖縄のにおい」を感じさせてくれるのが「がじゅまるファミリー」です。沖縄を知る上で欠かせない漫画と言っても過言ではありません!

 沖縄初となる「沖縄の作家による、沖縄の新聞4コマ漫画」を琉球新報紙上で実現し、それから現在にいたるまでなんと11年以上も連載をつづけてこられた漫画家ももココロさんに、お話をうかがいました。

第140回 沖縄の大切なことを伝えるために

2015.03.24更新

 日々のニュース、歳事、ウチナーグチ(沖縄方言)......など、読むと沖縄の日常が生き生きと伝わってくる「がじゅまるファミリー」。
 では実際、どのように描かれているのでしょうか? ファミリー誕生の裏話や、作品のモチーフについてお話をうかがいました。


この8人が必要だった

―― なぜ家族だったんですか?

ももココロあえて家族を描こうしたというよりは、沖縄のことを漫画で表現するんだったら、この人たちが必要だという感じでしたね。

 まず、沖縄のことを描こうと思ったときに、おじいちゃん、おばあちゃんの存在は絶対に必要だと思いました。あと、沖縄によくいる、おっちょこちょいなお母さんだったり、のんべえのお父さんは必須で、そこにいるほうがおもしろい。それにたくさん兄弟がいれば、それぞれ社会人だったり小学生だったり、いろいろな表情が見えてくるし、いろいろな切り口ができるかなと思って。

 だから「がじゅまるファミリー」は一昔前の大家族みたいな感じですね。いまは沖縄でも、子ども2人くらいの家が多いと思うんですけど、沖縄の大切なことを伝えたり、漫画で表現するには、やっぱりこれくらいのキャラクターが必要だと思ったんです。

―― 登場人物にモデルはいるんですか?

ももココロいますね。たとえばマンタですが、元はああいうカツオくんみたいなキャラクターだったんです。新聞社の方と打ち合わせのときに、眉毛の太いキャラクターを落書きしていたら、たまたま新聞社の人がその落書きを見て、「このキャラクターのほうがいいんじゃない」ってことになって。それでキャラクターを再編成して、いまのこの8人家族になったんです。

―― 元から比べると眉がだいぶ太くなりましたね(笑)。他のキャラクターにも身近なモデルが?

ももココロお母さんのてぃだ子は身近にいる僕らのお母さん世代の人だったり、お父さんの泡盛は大工さんだったり、お酒の大好きな人だったり......僕はお酒を飲まないので、酔っぱらった人の言動が楽しくて。「こんなことやるんだ」って傍から見ていておもしろいんですよね。

 そうやって、それぞれ実際に周りにいる人たちをもとにイメージしていって、キャラの造形や性格ができあがりました。


おまじないだらけの沖縄

―― 漫画の中で、沖縄の歳事やウチナーグチ(沖縄方言)がいっぱい出てきますけど、こういったものは調べたり、勉強したりされているんですか?

ももココロはい、そうですね。それに僕の世代は、幸運なことに耳に音の記憶が残っているんですよ。親たちがウチナーグチをずっとしゃべっていたので、その記憶が。

―― 子どもの頃は普通に使われていた?

ももココロそうです。でも、僕らの世代が親になってくると、普段は共通語でしゃべるので、いまの子どもたちにはウチナーグチがほとんど伝承されていないんです。なので4コマ漫画をとおして、子どもたちがウチナーグチにふれるきっかけをつくったり、言葉のおもしろさを伝えたりしたいですね。

 あと、沖縄っておまじないがすごく多いんですよ。たとえば、くしゃみをすると、くしゃみと一緒に魂がポコっと抜けてしまって、悪いものに魂をとられるといわれていて。なので、悪いものを追い払うために「クスクェー」っていうおまじないがあって、誰かが「ハクション」っていったら「クスクェー」って言うんです。すると悪いものに魂をとられない。「くそくらえ」っていう意味なんですけど......

―― 悪いものを追い払うおまなじないが「くそくらえ」......

ももココロあと、犬に吠えられたときに、吠えさせないためのおまじないっていうのがあって、「ウェーカ・ウェーカ」って言うんですよ。「ウェーカ」っていうのは親戚っていう意味で、知らない人だから吠えている、それに対して「ウェーカ・ウェーカ」って。

―― 「俺は親戚だぞ(だから吠えないで)」っていうことですね(笑)

ももココロそれまで普通に使っていた言葉でも、改めて調べてみると、「あ、こういう意味だったの!?」っていう新しい発見なんかがあったりして、それをおもしろく漫画の中に描いてみたりしているんです。


    

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ウチナー漫画家 ももココロ

1968年 沖縄県読谷村楚辺生まれ
1990年 KBC国際電子ビジネス専門学校卒業
     旅行会社、専門学校などに勤務
2003年 漫画家を目指し1年間の漫画家修行
2004年 琉球新報でウチナー4コマ漫画「がじゅまるファミリー」の連載がスタートし、漫画家デビュー
2014年 「がじゅまるファミリー」の新聞連載が10週年を迎える
主な作品(4コマ漫画)に、「がじゅまるファミリー」(1~7巻)「ハイタイ! チョンダラ子やいびーん」「チビネコじゅうじろう」「健康スイッチ♪」「いとしの琉球カウボーイ」がある。

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