じゃり道本屋さん日記

第12回 本屋さんのモノたち

2015.09.05更新

 ミシマ社の本屋さんには本じゃないものがいっぱいあります。Tシャツ、エコバック、手ぬぐい...。そして、商品でないものも沢山あります。著者のみなさんにいただいた色紙、たくさんのPOP、なんだかよくわからないグッズ。さらに、全国から届いたフリーペーパーやPR誌。砂利やカメ。ごくたまに、お客さんが持ってきてくれたお菓子。



 いろんなものの中に、本も、あります。
 そして実は、本以外のものたちは本屋さんにとって本よりも重要なときもあるのではないかと思っています。

 たとえばフリーペーパー。本屋さんだけでなく、カフェや雑貨屋さんなどいろんなところにフリーペーパーコーナーがあります。レジ前でチラシやショップカードがごっちゃごちゃになりわけがわからなくなっているところ、控えめに数枚のチラシが並ぶところなど、お店によってこんなに差が出るコーナーはありません。チラシを見ているフリをしながら「ここの店員さんは、キレイな格好してるけど実は整理整頓が全くできない人なんじゃないか、自分の部屋は汚いにちがいない。」とか「ご近所さんと仲良くしているお店なのかもしれない、無愛想だけど。」とか、いろいろな想像を掻き立てられる瞬間です。


 ミシマ社の本屋さんのフリーペーパーコーナーにも、誰の性格が出たのか、雑然とチラシやらなんやらがならんでいます。知り合いの方からお預かりしたもの、こちらから頼んで届けてもらっているものなどいろいろです。直接持って来られる方もちらほらいます。よっぽどのことがなければ受け取っています。


 「自分は雑な性格ですよー」と宣言するためにコーナーを作ったわけではありません。そのスペースに商品を置いた方が効率がいいのかもしれません。

 フリーのコーナーは、「なにを読もうか」「おもしろい本はどこだ」と肩をいからせて棚を眺めるときとはちょっと違う気分になれると思うのです。デザインがかわいいとか紙が好きとか、そんな些細な理由で手に取れるハードルの低さ。それが必要な気がしています。


ミシマ社の本棚には、あるときから妙なモノがあります。ピンク色の決して上品ではないフォルム。子どものころの僕がみつけたら間違いなく大喜びするであろうアレです。彼は忘れ物や迷子ではなく、ある日意思をもってやってきました。そして当初の意思を誰もが忘れてしまったいまでもちんまりと座っています。

 並べられた本と関わりがあるわけではなく、触るとご利益があるわけでもありません。ニオイもしません(念のため)。「わ!」と驚かれたり、「えー」と眉をひそめられたりします。
 ただ座っている。そのことになにか意味があって、そうしているのではないでしょう。でも彼がいる本棚も、僕はなんだかいいな、と思うのです。彼がいることで、なんだかいい本棚になっている、と思うのです。

9月の開店日(毎週金曜日)
4日、11日、18日、19日、25日
※今月の土曜営業日は19日です。

営業時間を変更しました!
OPEN 13:00 - CLOSE 19:00



ミシマ社の本屋さん
京都市左京区川端通丸太町下る下堤町90-1
営業:毎週金曜日、最終土曜日の13:00〜19:00
電話:075-746-3438
京阪・神宮丸太町駅2番出口から南へ徒歩1分
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ミシマ社の本屋さん

出版社・ミシマ社が運営する小さな本屋「ミシマ社の本屋さん」。2014年3月まで京都府城陽市で営業しておりましたが、京都市内にて2014年10月3日(金)より営業再開。毎週金曜日、最終土曜日の13:00~19:00の開店です。

京都市左京区川端丸太町下る90-1
京阪神宮丸太町駅から徒歩1分

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