じゃり道本屋さん日記

第21回 本屋さんで売れてる本 2016春

2016.06.05更新

 ミシマ社の本屋さんでは3ヶ月に一回売り上げ調査を行っています。ミシマ社の本を除く、他社から仕入れた本全ての売れ数をカウントするのです。POSレジなど導入されているわけない当店での集計作業は丸一日エクセル表とにらめっこする単調な作業。こんなにつらい思いをして出したデータが人の目に触れないのはもったいないので、売り上げランキングをお届けすることにしました。日々、本屋さんではいったいどんな本が売れているのでしょうか。集計期間は2016年2月1日から5月31日までの3ヶ月間です。


第1位『ガケ書房の頃』山下賢二(夏葉社)

第2位『偶然の装丁家』矢萩多聞(晶文社)

第3位『かなわない』植本一子(タバブックス)

第4位『へろへろ 雑誌『ヨレヨレ』と「宅老所よりあい」の人々鹿子裕文(ナナロク社)

第5位『計画と無計画のあいだ』三島邦弘(河出文庫)

第6位『"ひとり出版社"という働きかた』西山雅子(河出書房新社)

第7位『野尻抱影 星は周る』野尻抱影(平凡社STANDARDBOOKS )

第8位『おいでよ、小豆島』平野公子と島民のみなさん(晶文社)

第9位『日本人にとって美しさとは何か』高階秀爾(筑摩書房)

第10位『かわいい夫』山崎ナオコーラ(夏葉社)


 5月、めちゃめちゃ売れたのは、ホホホ座店主・山下賢二さんの『ガケ書房の頃』。当店を含め一部でしか配布しなかった限定冊子は在庫のお問合せが来るほどの人気でした。小学校から現在まで山下さんの半生がつづられます。読後は、かつてのガケ書房にいきたくなる。ガケ書房という本屋さんと山下さんという男を知っていてよかったなと思える一冊です。でも、売れていく理由はミシマ社の庭にいるカメたちが登場しているからだろうと勝手に思っています。今度カメたちによるサイン会とかしてみようかな。
 さまざまな新刊を押しのけて2位に入ったのは矢萩多聞さんの『偶然の装丁家』。当店では一年を通して常に売れ続けています。ロングセラーの秘訣はなんといっても著者自身による手売り。ご本人がイベントや打ち合わせなどで来店されるたびに即席のサイン会が始まり、その場に居合わせた方がニコニコと買っていかれるのです。
 3位はタバブックスから刊行された『かなわない』。写真家・植本一子さんの日常をつづった日記です。僕はなにをおもったのか本の真ん中から読み始めてしまい、どうしてこうなったのか、そしてどうなるのか、いろいろわからないまま引き込まれ気づいたら読み終えていました。他人の日記にここまでひきこまれることってあるんでしょうか。
 『へろへろ 雑誌『ヨレヨレ』と「宅老所よりあい」の人々』は、当店で開催された「寺子屋ミシマ社鹿子裕文さん編」以来大人気。本書に描かれているそのまんまの鹿子さんに大いに笑わせていただきました。あの日の熱がまだ本棚に残っているのかもしれません。
 5位の『計画と無計画のあいだ』はもはや当店のショップカードのような存在。ご近所の方やたまたま通りかかられたお客さんなどが「この本読んだらここのことわかりますか?」と買っていかれることも。本屋さんの成り立ちについては『失われた感覚を求めて』(朝日新聞出版)にも詳しく書かれてます。
 そのほか、2015年一番おもしろかった本を紀伊国屋書店梅田本店の百々さんに選んでいただく「百々大賞」に見事えらばれた『日本人にとって美しさとは何か』や、弊社も取材していただいた『"ひとり出版社"という働きかた』など、当店とゆかりのある本がランクインしました。

 こうして並べてみるとやはり出版業界関連の本が人気なのがわかります。そのあいだにランクインしてくる本たちが支持される理由をしりたいところ。次回、3ヶ月後にはどんな本が登場しているのでしょうか。

【フェアのお知らせ】
出張!ミシマ社の本屋さんin紀伊国屋書店グランフロント大阪店
6/6(月) ~
紀伊国屋書店グランフロント大阪店さんの店内にミシマ社の本屋さんが出現!ミシマ社の本はもちろん、ミシマおすすめの一冊や、本屋さんの売れ筋商品がずらりと並びます。「金曜日はなかなか行けないなー」というみなさん、ぜひのぞいてみてください。カメたちにもあえる...かも?

紀伊國屋書店グランフロント大阪店
大阪府大阪市北区大深町4-20グランフロント大阪南館6F
TEL:06-7730-8451
営業時間:10:00~21:00




6月の開店日(毎週金曜日)
3日、10日、17日、24日、25日
※今月の土曜営業日は25日です。
OPEN 13:00 - CLOSE 19:00



ミシマ社の本屋さん
京都市左京区川端通丸太町下る下堤町90-1
営業:毎週金曜日、月に一回どこかの土曜日
   13:00〜19:00
電話:075-746-3438
京阪・神宮丸太町駅2番出口から南へ徒歩1分
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ミシマ社の本屋さん

出版社・ミシマ社が運営する小さな本屋「ミシマ社の本屋さん」。2014年3月まで京都府城陽市で営業しておりましたが、京都市内にて2014年10月3日(金)より営業再開。毎週金曜日、最終土曜日の13:00~19:00の開店です。

京都市左京区川端丸太町下る90-1
京阪神宮丸太町駅から徒歩1分

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