自由が丘の贈り物

こんにちは。THE自由が丘BOOK(仮)の寺社・歴史担当のチーム足立です。今回、私たちは自由が丘の古本屋さんを取材しました。

「スイーツやファッションの流行を逃さない」とメディアで取り上げられることの多い自由が丘ですが、今回の取材で見えてきたのは、時がゆっくりゆっくりとおだやかに流れていくアーケードと、そこに集う、日々の生活の細やかさを心から愛する方々でした。

(文:大滝空、写真:足立綾子)

第3回 女性向けの本が揃う自由が丘の古本屋さん「まりら書房」 by チーム足立

2013.01.11更新

まりら書房(古本屋)

自由が丘駅正面口を出てすぐ右手に位置する「自由が丘デパート」。ここは戦後、闇市があった場所で、現在、101もの個人商店が連なる、自由が丘のイメージとはひと味ちがった昭和な雰囲気が感じられる商店街です。

今回の取材で、自由が丘デパート地下一階にある古本屋「まりら書房」さんを訪れました。

第3回 女性向けの本が揃う自由が丘の古本屋さん「まりら書房」 by チーム足立

小さな店舗のなかには絵本、手芸本、料理本、女性作家のエッセイといった、女性向けの本でいっぱいです。取材チームも、仕事そっちのけで本選びに没頭してしまいました。あちこちに並べられたぬいぐるみ、かるたのポスターなどが、店内を彩ります。

第3回 女性向けの本が揃う自由が丘の古本屋さん「まりら書房」 by チーム足立

まりら書房さんでは、一部、新刊書の取り扱いがあり、ミシマ社の本も置いてくださっています。ミシマ社本コーナーは、「朝日新聞be」の代表・三島の写真記事が目印です!

お孫さんのプレゼント用にかるたを買いに来られた方、ちょっと立ち話をしに来られた方など、短い取材の間にも、常連さんが絶えることはありません。

そんな素敵なお店の店主、背中をきゅっと引き締めてくれるような凛とした声の持ち主の町田さんにお話を伺いました。

―― 「まりら書房」というかわいらしい店名の由来は?

町田さん『赤毛のアン』で孤児のアンを引き取ることになる老兄妹の妹の名が「マリラ」なんです。自分の名字は「町田」なのですが、少しひねりたいと思い、「まりら」を採用しました。

―― いつ頃からお店を始められたのですか?

町田さん最初、この場所には、モンペハウスというモンペのお店がありました。自分はそこの常連だったんです。その一角に自分のセレクトの古本コーナーをつくらせてもらっていて、それが「まりら書房」の始まりです。モンペハウスの閉店にともない、自分が場所を継いで、古本屋を開くことにしました。1998年の1月くらいです。

―― 店内を見回すと、女性が好まれるような本が多いなと思ったのですが、選ぶ本のジャンルというのは町田さんのお好きなものですか?

町田さん自分の好きな本を並べたら、だめですね。やっぱりお客様の必要とするものを揃えています。お客様から教えていただくことの方が多かったです。古本屋って、昔は女の人が入りにくい、ちょっと暗い印象があったんですよ。女性の必要とする本が、古本屋に並んでないなと感じることが多くて、そこでお店をやっていきたいなと思いました。

―― お客様には、どんな本が人気ですか?

町田さん絵本ですね。ここでは、おばあちゃんがお孫さんに買われることが多いです。利用されている世代としては、おばあちゃん、が多いです。それから手芸の本も人気です。どのジャンルに関しても専門的な本を求める方が多いです。

―― 「まりら書房」のおすすめのポイントがあれば、教えてください。

町田さんまりら書房は、自由が丘の駅に近く、商店が連なっている場にありますので、生活の延長として通ってくださるお客さんがたくさんいらっしゃいます。自由が丘デパートをなつかしんで、遠くから来てくださるお客様もいらっしゃるんです。また、このような、小規模なお店が連なるアーケードや古本屋さんって、どんどん、減っているじゃないですか。そこが、また面白いのではないかなと思っております。

町田さん、お忙しい中ありがとうございました!
最後に取材チームが購入した書籍を紹介します。

第3回 女性向けの本が揃う自由が丘の古本屋さん「まりら書房」 by チーム足立

(左から時計回りに)『世界の聖域6 ガンジスの聖地』(中村元、肥塚隆、田村仁著、講談社)、『世界の聖域9 セイロンの仏都』(早島鏡正、伊東照司、田村仁、並河萬里著、講談社)、『流れる星は生きている』(藤原てい、中央公論社)、『アマバルの自然誌――沖縄の田舎で暮らす』(池澤夏樹、光文社)、『はりめし』(若林理砂、しょういん)


まりら書房さんのなかに立ち、本を眺めていると、幼い頃、祖母と遊んだ記憶がよみがえってきて、胸がいっぱいになりました。ノスタルジックな気分に浸りたい方は、ぜひ足をお運び下さい。


まりら書房
東京都目黒区自由が丘1-28-8 自由が丘デパートB1F
営業時間:12:00 ~19:00
定休日:水曜日

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ミシマ社 編(みしましゃ)

ミシマ社は、「原点回帰の出版社」として2006年10月に創業。現在メンバーは約10名。全員全チーム(編集・営業・仕掛け屋)の仕事をするというスタイルで、東京・自由が丘、京都府京都市の二拠点で、「一冊入魂」の出版活動を展開中。取次店などを介さない「直取引」という営業スタイルで「一冊」を全国の書店に卸している。

本企画は「大好きな地元自由が丘のことをもっともっと知りたいなぁ。そして、この空気感を多くの方々と共有したいなぁ」という三島の思いから発し、ミシマ社編として2013年8月に書籍化。その後も、本に入りきらなかったお店やお話を本コーナーで連載中です!

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