自由が丘の贈り物

第5回 

ミシマシャの本にオリジナルの紹介POPを付けてくださっていました!

こんにちは。THE自由が丘BOOK(仮)の、チーム星野です。今回、私たちは自由が丘にある設計事務所、「設計機構ワークス」さんに取材にうかがいました。2年ほど前、自由が丘に来られたばかりのワークスさんが、ミシマ社の自由が丘オフィスを訪ねてきてくださったことからおつきあいが始まりました。

事務所ではミシマ社の書籍の販売もしてくださっています。自由が丘の街の方々との交流を大切にされているワークスさんのお話、どうぞお楽しみください。

(文:太田麻子、写真:星野友里)

第5回 "まち"に開かれた設計事務所、「設計機構ワークス」 by チーム星野

2013.02.08更新

 自由が丘駅からすぐにあるビルの4階に、「設計機構ワークス」はあります。広く取られた窓から差す太陽の光がとても気持ちのよいオフィスです。
 「でも日光のおかげで夏はとっても暑いの」と、にこにこしながら話す坂口舞さんは、保育園に通うお子さんを育てながら事務所の代表取締役を務めるまさにスーパーウーマン。忙しさを感じさせないゆったりした語り口で、さまざまなことをお話してくださいました。


―― 「設計機構ワークス」は東京と福岡にオフィスがあるんですね。

坂口さん「設計機構ワークス」は、福岡にいる私の父が開設した設計事務所なんです。なので本社は福岡にあって、私もずっと福岡で働いていました。

―― そうなんですか。坂口さんはいつから代表をしてらっしゃるんですか?

坂口さん私は25歳のときに代替わりしてワークスの代表になりました。

―― えっ、25歳?!

坂口さん「そっちの方がおもしろいんじゃない? 」みたいな気楽な流れで(笑)。今だったらそんな簡単に引き受けないですけどね。

―― なるほど・・・。ではどのような経緯で自由が丘にオフィスを構えることになったんでしょうか?

坂口さん私自身は東京に縁もゆかりもないのですが、ダンナが東京で勤めていて、5年前の結婚をきっかけに、思い切ってこちらでやってみようと決めました。東京に来たばかりのころは自宅が事務所を兼ねていたのですが、あるクライアントさんがオフィス移転をする際に、この自由が丘のオフィスを引き継がないか、と言ってもらいました。それでいまから2年前に、自由が丘にオフィスをもつことになったんです。

―― 坂口さんはこのオフィスを使って親子向けのワークショップを開かれていますね。それはどのようにして始まったんですか?

坂口さん自由が丘にオフィスをもった当時、私ともうひとりの社員の清水は子育てを始めたばかりでした。よくふたりで「自分たちは働きづめで、子どもをずっと保育園に預けっぱなしなのもどうかな」という話をしていたんです。でもさすがに子どもの面倒を見ながら仕事はできないので、平日は仕方ないとして、月に一回くらい自分たちの子どものためのイベントを考えて、それを"まち"に開かれたものにする、というアイディアを思いつきました。例えば子ども向けのワークショップを開けば、新しいつながりもできるかもしれないし、面白いかな、って思ったんです。

オフィスにあるロッカーがすごく 味気なかったので、マスキングテープを使ってロッカーに絵を描くワークショップを開いたのが一番はじめです。
ハロウィンの時期にワークショップを開いたので、ずっとそのデザインのままになってます(笑)。
本当は月ごとに絵を変えたいんですけど、なかなかできなくって。

第5回 "まち"に開かれた設計事務所、「設計機構ワークス」 by チーム星野

―― 自由が丘オフィスではどのような仕事を請け負われているのですか。

坂口さん住宅設計や内装設計が中心ですね。今は福岡にある保育園の設計プロジェクトが進んでいます。

―― 設計ではどのようなことにこだわっていますか?

坂口さん私は建物が"まち"に開かれていて、自分を表現するきっかけを与えてくれるものであってほしいと思っています。例えば昔の日本の家には土間があって、そこまでは土足で家の中に入ることができたので、人が家の中に入りやすい空間ができていたんです。でも最近の家の造りはそうではないことが多いですよね。

―― なるほど。"まち"に開かれた建物って、具体的にはどういうものでしょうか。

坂口さん例えばふたりとも小学校の教員をしている夫婦の家なら、退職後に近所の子どもを集めて学童保育ができるようなスペースがあったらいいな、とか。学校でつくる手作りの教材も、しまう場所に困るならばそれを飾ってしまえばおもしろい。

そんな要望はないのだけど、勝手にイメージしてプランをつくる。いま保育園の設計プロジェクトが進んでいますが、その設計でも「"まち"に開かれている」空間をつくりたいと思っています。保育園に預けている子どもだけじゃなくて、自宅にいる子どもやそのお母さんたちにとっても拠り所になれるような、開かれた場所が理想だと私は思うんです。
 
―― ワークスのオフィスも、ワークショップを行うことで"まち"に開かれていますね。

第5回 

坂口さん今って、一方でなにかを持て余している人がいれば、その「なにか」がなくてすごく困っている人もいる、もったいない状態になっている気がするんです。表現する場がないからお互いの問題やもっているエネルギーがわからない。

だからその表現がチラリと見えるような建築が必要だと思うんです。私たちが行っているワークショップもその表現のひとつかもしれません。でも無理なく続けることも大事で、私たちも忙しいときは2、3カ月さぼってしまいます(笑)。

「開かれること」を必要としない人ももしかしたらいるのかもしれませんが、私はちょっと強引にこじ開けていくくらいの姿勢でいたいですね(笑)。

*   *   *

 穏やかな物腰と親しみやすい笑顔が印象的な坂口さんですが、はっきりとしたビジョンや理想を語る姿に思わず引き込まれてしまいました。
 これからも自由が丘の素敵な人たちや場所をどんどんご紹介していきます!


設計機構ワークス
http://www.cafeworks.com/
東京オフィス
〒152-0035 東京都目黒区自由が丘2丁目10-10シーズビル4F
(TEL)03-5731-0903 (FAX)03-5731-0913

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ミシマ社 編(みしましゃ)

ミシマ社は、「原点回帰の出版社」として2006年10月に創業。現在メンバーは約10名。全員全チーム(編集・営業・仕掛け屋)の仕事をするというスタイルで、東京・自由が丘、京都府京都市の二拠点で、「一冊入魂」の出版活動を展開中。取次店などを介さない「直取引」という営業スタイルで「一冊」を全国の書店に卸している。

本企画は「大好きな地元自由が丘のことをもっともっと知りたいなぁ。そして、この空気感を多くの方々と共有したいなぁ」という三島の思いから発し、ミシマ社編として2013年8月に書籍化。その後も、本に入りきらなかったお店やお話を本コーナーで連載中です!

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