自由が丘の贈り物

第10回 自由が丘発! katakana 河野純一さん

2014.02.02更新

いま思うこと

 katakanaというお店をはじめてとても沢山の人と会うことができた。
 この3年間の出会いは、ひょっとしたら今までの僕の人生の40数年間の中で断トツに濃いかもしれない。何でも首を突っ込みたくなるくせに、引っ込み思案の僕の性格が3年間で変わったとは思えないので、きっとkatakanaのパワーが人と人を惹きつけるのだと思う。

 仕入先の社長さんや営業の担当者さん、この前の3周年を自分のことのように喜んでくれた大家さん。サラリーマンだったころは決して優秀ではなかった僕を心配してくれて、お店を覗いてくれる先輩。毎日、長次郎と言う名のテリアを連れてお散歩に来るAさんは、何かにつけて美味しい差し入れをくださるお客さん。イベントにほぼ毎回顔を出してくれる常連さん。そして僕たちにいつも頑張る勇気をくれるチビッ子たち。
 普段は色々な戦略を立てて大人に買ってもらう彼らが、誇らしげにお年玉袋からあこがれのモノを買う姿は何度見ても「あぁ、この店をやって良かった」と思う。

 今でこそとんでもない人数の人たちとつながっているkatakanaだが、当然開業前は僕たちのことを知っているのは、知り合いか、会社勤めを辞めてすぐに始めたブログの読者さんとツイッターのフォロワーさんだけだった。その中の1人に井上くんがいる。
 開店準備をしているときにどうしても探せなかった什器があって、僕はtwitterで困っていることをつぶやいたら「これじゃないの?」とあっさり解決してくれたのが彼だ。
 井上くんは香川県の小豆島に住んでいる。彼は東京に来ると時々お店に寄ってくれて小豆島の話や四国の話を聞かせてくれて、そして東京の旬な情報はなぜか彼から教えてもらうことがとても多い。今考えているのは彼と一緒に四国をグルグルまわり、色々なモノと出会って発掘して、お店で「大四国展」を開催しよう! と話している。すごく楽しいイベントになりそうだ。

 僕は「探しモノの旅」と言う名の全国各地を訪れる出張をする。
 そこで井上くんのような存在がその土地にいると出張の内容がググッと深みを増してくる。なので、最近の「探しモノの旅」はピンとくる人と出会うと出張に行くことにしている。そしてピンとくる人は嬉しいことに着実に増えている。

 katakanaにはとても沢山の商品が並んでいる。
「こんなに品物を多く探すのは大変でしょう?」と聞かれるが、実はそうでもない。「こんなモノをお店に置きたいな」と思い色々と探してみても見つけることができない場合は、僕は一度探すのを忘れてしまう。信じられないかもしれないが、しばらくすると品物が向こうから出会いに来てくれる。それは、1ヵ月で現れる事もあるし2年間待ち続けているモノもある。たぶん人との出会い方も同じかもしれない。「こんなことをやりたい!」想い続けているとフッとその人に出会ったり、スタッフの意外な一面を発見したりする。出会わないのは、そのことをやるにはまだ早いのかとも思う。

 自由が丘の町に仲間入りさせて頂いて丸3年が経ち、そしてあと2年後の5周年の節目の時に「この町にこの店があって良かった」と言って頂けるようなお店になりたい。そのとき僕の構想が1つか2つ実現できるように、毎日を丁寧にみんなで歩んでいこう。きっとワクワクするような出会いがたくさん待っているはずだ。

katakana店長 河野純一


katakana
東京都世田谷区奥沢5-20-21 第一ワチビル1F
Tel:03-5731-0919
営業時間 11:00~20:00
定休日 不定期

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ミシマ社 編(みしましゃ)

ミシマ社は、「原点回帰の出版社」として2006年10月に創業。現在メンバーは約10名。全員全チーム(編集・営業・仕掛け屋)の仕事をするというスタイルで、東京・自由が丘、京都府京都市の二拠点で、「一冊入魂」の出版活動を展開中。取次店などを介さない「直取引」という営業スタイルで「一冊」を全国の書店に卸している。

本企画は「大好きな地元自由が丘のことをもっともっと知りたいなぁ。そして、この空気感を多くの方々と共有したいなぁ」という三島の思いから発し、ミシマ社編として2013年8月に書籍化。その後も、本に入りきらなかったお店やお話を本コーナーで連載中です!

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