自由が丘の贈り物

第15回 自由が丘発! ソーワアイスさん

2014.07.19更新

早和からソーワへ

 当店は2011年秋にオープンしたアイスクリーム専門店です。
 本家の「早和(そうわ)」は私の実家。戦後間もない頃に私の祖父が港区虎ノ門に開業した、小さなアイスクリーム工場です。
 創業当初はホテルやレストランへの卸売り専門でしたが、一般家庭への冷蔵庫の普及を受け、少しずつ小売販売も開始。時代が流れ、すっかりオフィス街となった今では、近隣のオフィスワーカーの憩いの場としてご愛顧いただいています。

 飲食の仕事に携わりたいと会社勤めを辞め、実家で10年ほど修行している間に強く感じたのは、疲れたときにこそアイスクリームでリフレッシュしたい、パワーをチャージしたいというニーズが多いということ。
 そもそもデートや家族との休暇の最中は、何を食べてもハッピーなのかもしれません。
 逆に今日はしんどかったなあ! というときこそ、ちょっと寄り道して"お疲れアイス"で気分をリセット。今日はがんばったなあ! というときは、自分への"ご褒美アイス"をお土産に。
 そんなふうにアイスクリームを楽しんでくださっているお客様が多くいらっしゃいました。
 召し上がった後、「一日の疲れが取れました。これでまた明日も頑張れます!」、そうおっしゃって嬉しそうにお帰りになるお客様の笑顔は私たちにとってもまたご褒美であり、こういった場をもっと広めていきたい、という気持ちが高まりました。


他の人には教えたくないお店

 初の姉妹店を出すことになったとき、自由が丘という土地、そして駅から徒歩8分という立地を選んだのにはいろいろな理由がありましたが、なかでも一番重視したのが、落ち着いた雰囲気の中でゆっくりアイスクリームを楽しんでいただきたい、ということ。
 どこか昔の東京が残っているような、いい意味でのんびりした空気の流れる自由が丘は、駅前こそ賑やかですが、少し歩けば閑静な住宅街が広がります。当店の立地はまさに住宅街と商店街の入り混じったあたり。駅からいらっしゃるお客様にはけっして便利な場所とは言えませんが、駅近にはない穏やかな居心地のよさがあります。
 小さくて個性的なお店が点在する自由が丘。迷いながらあちこち散策した先に見つけたお気に入りのお店、見つけた人だけが楽しめるとっておきの場所、といった隠れた名店が数多くあるこの街で、ソーワアイスもそのひとつになれたら。それが一番の目標です。

 当然ながら、オフィス街・虎ノ門と自由が丘のお客様の層はまったく違います。サラリーマンやOLさんはほんのわずか。ご家族連れも多いのですが、それ以上に国内外から観光のお客様も多く、初めの頃はその違いに戸惑った部分もありました。
 けれども今ではたくさんの常連様に恵まれています。
 ご近所のお店のスタッフさん、お買い物やお稽古帰りの方、家事や育児の合間にいらっしゃるママさん、なかには塾帰りの小学生も。みなさんそれぞれにお忙しい日常の中で、自分だけの時間を楽しんでくださっているようです。
 ご近所の方だけでなくたまたま遊びにいらしたときに発見していただいて以来、自由が丘へお越しの際には必ず立ち寄ってくださる方もいらっしゃいます。
「お店が長く続くように、もっといっぱい宣伝しなくちゃね」と口コミやSNSで広めてくださったり、ときには「看板を工夫すれば?」とか「ポイントカードを作ったら?」などアドバイスをくださるお客様もいらっしゃいます。
 しかしそれに反して常連の皆様が口をそろえておっしゃるのは「あまり混んでほしくない、他人には教えたくないお店でもある」ということ。
 商売をしている人間にとって、何より嬉しいほめ言葉です。


夏でも冬でもアイスクリーム

 店頭には常時、18種類のアイスクリーム・シャーベットを並べています。
 アイスクリームは乳脂肪分が高めで、甘さは控えめ。濃厚ながらしつこすぎない口当たりが特徴です。
 アイスクリームで培ったノウハウを活かして開発したソフトクリームは、卸売りは一切していないため、本家と自由が丘でしか召し上がれません。毎週のように通って下さるお客様が多いので、ソフトクリームのフレーバーは週替り。
 ほかにも月替りや季節限定のメニューもご用意し、ご来店のたびに新しい味を楽しんでいただけます。
 アイスクリーム好きな方には季節なんてありませんので、一年中アイスクリーム・ソフトクリームの専門店として営業しています。やはり暑い時期のほうが忙しくさせていただいていますが、寒い時期にはまた、その季節にしか製造できないフレーバーや冬季限定メニューもあります。

 今年の秋で3周年。近頃ようやく目標が近づいてきている感も出てきましたが、まだまだ課題もたくさんです。
 時折ふいにくじけそうになる時もありますが、そんなときに救ってくださるのも「おいしかった!」というお客様の笑顔。小さいお客様の中には将来アルバイトしたい! と言う子も多く、そんな嬉しいエールにこたえられるよう、マイペースながらも地道にコツコツと自由が丘で長くがんばっていきたいと思っています。






自由が丘ソーワアイス
〒152-0035
目黒区自由が丘2-6-19
自由が丘オークヒル1階
(自由が丘学園高校正面)
TEL:03-6421-4405
営業時間:11:00~19:00
定休日:水曜日
HP:http://sowaice.jp
通販サイト:http://sowaice.com

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ミシマ社 編(みしましゃ)

ミシマ社は、「原点回帰の出版社」として2006年10月に創業。現在メンバーは約10名。全員全チーム(編集・営業・仕掛け屋)の仕事をするというスタイルで、東京・自由が丘、京都府京都市の二拠点で、「一冊入魂」の出版活動を展開中。取次店などを介さない「直取引」という営業スタイルで「一冊」を全国の書店に卸している。

本企画は「大好きな地元自由が丘のことをもっともっと知りたいなぁ。そして、この空気感を多くの方々と共有したいなぁ」という三島の思いから発し、ミシマ社編として2013年8月に書籍化。その後も、本に入りきらなかったお店やお話を本コーナーで連載中です!

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