自由が丘の贈り物

第24回 自由が丘発! 宮本三郎記念美術館さん

2015.05.15更新

自由が丘に美術館?

 宮本三郎記念美術館は、2004年の4月に開館した美術館です。
 自由が丘駅から歩くこと7分。駅前の賑わいが嘘のような静かな住宅街に、宮本三郎記念美術館はあります。
 なぜ住宅街に建っているのかというと、この場所にかつて宮本三郎という画家が住み、そしてアトリエを構えていたからなのです。


そもそも、宮本三郎って?

 昭和を代表する洋画家の一人だった宮本三郎(1905-1974)は、卓越した素描力を土台に、さまざまな画風の作品を残した画家です。その画力を買われ、戦時中は従軍画家として戦地に赴き数々の戦争記録画を制作、戦後は花や裸婦などをモチーフに、色彩豊かな作品世界を作り上げました。
 外出するときも常に紙と描くものを欠かさなかったという宮本三郎。
 没後のアトリエには約3500点の素描が残されていました。当館ではそれらの素描と油彩を合わせて約4,000点の作品を収蔵しています。この膨大な作品や資料を中心に、宮本三郎の画業を紹介する展覧会を年に3回開催しています。

・・・とはいえ、宮本三郎と聞いてすぐにピンと来る方はそんなに多くないかもしれません。
 でも大丈夫です! 知らなくても、いえ、知らないからこそ楽しめる、現在開催中の展覧会はまさにそんな内容になっています。


「宮本三郎の美術史教室」

 学校の授業でしょうか? いえいえ、これが展覧会なのです。
 宮本三郎は、自らの創作のために、西欧の歴史や理論を積極的に学んだ画家でもあります。そして、作り手の立場から古今東西の美術にまつわる文章も多数書き残しました。
つまり、宮本三郎自身の美術論を指南書に、宮本三郎作品を読み解くという、観て、読んで、学べる展覧会になっています。
 そして展覧会をより立体的に楽しんでいただくために、世田谷美術館所蔵の西欧美術の名作を、宮本三郎の言葉とともにご紹介します。ジョルジュ・ルオー、モーリス・ド・ヴラマンク、モイーズ・キスリング、マックス・エルンスト、いずれも、宮本三郎が生前に彼らや彼らの関わった美術動向について文章を書いており、その文章とともに作品をご覧いただけるようになっています。


 また、当館が収蔵する宮本三郎の蔵書はなんと1万冊にもおよびます。その中から厳選した約300 冊の本が今回展示されています。宮本三郎が研究と制作の糧にしていたのはどんな本だったのでしょうか、展示室内の本棚を覗いて見るのも楽しみの一つです。
 一日学生気分で美術史教室、いかがでしょうか。


まだまだあります! 美術館の楽しみかた

 美術館というと、絵を観にくるところ、と思われる方が多いかもしれません。
 でもまだまだありますよ。宮本三郎記念美術館には展示室とは別に、講座室というスペースがあるのです。ここでは、ワークショップや講演会、コンサートなどさまざまなイベントを企画し開催しています。
 たとえば、夏休みの期間のオープンワークショップ。期間中であればだれでも、いつでも、何度でも自由に参加できるこのワークショップは、毎年ご好評いただいています。今年の夏のオープンワークショップはどんなテーマにするか、現在スタッフが企画中です。どうぞお楽しみに!
 また、展示室で聴くコンサートや、さまざまなジャンルの講演会、地域に根付いた文化を伝えるワークショップなど、宮本三郎記念美術館は体験できる美術館として、みなさまのご来館をお待ちしております。


(写真は過去に開催されたワークショップの様子です)





宮本三郎記念美術館
〒158-0083
東京都世田谷区奥沢5-38-13
電話:03-5483-3836
開館時間:午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)
休館日:毎週月曜日 ※月曜日が祝・休日と重なった場合は開館、翌日休館
観覧料:一般200円(学生、65歳以上、障害をお持ちの方、団体の方はお安くなります。詳細は施設ホームページよりご確認ください)
ホームページ:http://www.miyamotosaburo-annex.jp/index.htm
お問い合わせ:miyamoto.annex@samuseum.gr.jp

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ミシマ社 編(みしましゃ)

ミシマ社は、「原点回帰の出版社」として2006年10月に創業。現在メンバーは約10名。全員全チーム(編集・営業・仕掛け屋)の仕事をするというスタイルで、東京・自由が丘、京都府京都市の二拠点で、「一冊入魂」の出版活動を展開中。取次店などを介さない「直取引」という営業スタイルで「一冊」を全国の書店に卸している。

本企画は「大好きな地元自由が丘のことをもっともっと知りたいなぁ。そして、この空気感を多くの方々と共有したいなぁ」という三島の思いから発し、ミシマ社編として2013年8月に書籍化。その後も、本に入りきらなかったお店やお話を本コーナーで連載中です!

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