古代文字で写経

プレ第2回 おすすめの筆記用具と、今後の連載予定

2014.03.29更新

なぞって写経

 さて、次回からはいよいよ写経に入りますが、今回もプレ話に少しおつきあいを。

 本連載では、「鉛筆でなぞって写経」方式で、なぞり書きができるように写経部分は薄い墨を使います。

(例)
第2回

 画像をダウンロード&プリントアウトして、実際になぞってください。

 筆記具は鉛筆で結構!

 でも、ちょっとそれらしく書いてみたいという方はカリグラフィー用のペンを使うと「ぽく」なります。特にサンスクリット語、ヘブライ語、古典ギリシャ語(コイネー)などはカリグラフィー用のペンを使うと、かなり「ぽく」なります。

 カリグラフィー用のペンはいろいろ出ていますので、いくつか紹介しましょう。

・フェルトペンタイプ・タイプ
 なんといっても安価だし、大小2つのペン先があるので魅力です。小さいところに書くときは2mmで、大きな文字を書きたい時は3.5mmを使います。ただし、これは使い捨てです。

呉竹 ZIGカリグラフィー2 ツインマーカー 3.5mm芯&2.0mm芯 ブラック
第2回
¥850(2014年3月時点でのアマゾンの価格)

・ロットリング
 ロットリングのアートペンです。インクの交換ができます。ペン先の太さはいろいろあるので、ご自身のお好きなものを選んでください。

ロットリング アートペン カリグラフィ用 1.1mm
第2回
¥2,100(2014年3月時点でのアマゾンの価格)

・写譜ペン
 これは楽譜を書くというのが本来の用途のペンです。呉竹と同じくフェルトペンですが、ペン先やインクの交換ができます。でも、アマゾンを見ると交換ペン先などは送料がかかりますね。ペン先105円なのに送料が120円! ・・・というわけで交換用のペン先と交換インク付きのものを紹介します。近くに交換ペン先、インクを売っているお店(大きな楽器店か大きな文房具店)のある方はそうでないものをどうぞ。

MUSIC FOR LIVING P-100 写譜ペン(交換用ペン先+交換インク付き)
第2回
¥1,380(2014年3月時点でのアマゾンの価格)


★そのほか「カリグラフィー ペン」で検索をしてみてください。万年筆タイプのものも含めてたくさん出てきます。


もっと本格的に

「もっと本格的にやりたい」という方は、紙も羊皮紙に、ペンも羽ペンにする・・・なんていう手もあります。これに関してはヘブライ語の時に詳しく紹介します。

 羊皮紙や羽ペンを扱っている「羊皮紙工房」さんを紹介します。
 こちらは羊皮紙工房さんが作られた作品集です。こんなのができたらすごいですね。

 羊皮紙工房さんでは、本格的な羊皮紙のほかに「名刺サイズ」や「葉書大」の羊皮紙も販売されています。

 自分は「倫理性にちょっとなあ」という方(僕もですが)は、名刺サイズの羊皮紙にモーゼの「十戒」をヘブライ語で書いたものを手帳に入れておいて、ときどき自戒するというのもいいでしょう。

 あるいは『般若心経』の呪文部分を書いて、お守りとして持っておくとかね・・・。いろいろなアイディアで使うことができます。

第2回
※「十戒」の中から6つの戒律を書いたもの(これは羊皮紙ではなく紙ですが)

 『論語』の写経のときには竹簡を作ってみるのも楽しいです。実際に『論語』一巻を作ってみると、古代人の「読書」が、今とは全然違っていたということに体で気づきます。
第2回
※『老子(郭店楚簡老子甲本)』後藤正子さん臨

 また、楔形文字の時には粘土に刻んでタブレット(粘土板)を作るのもいいかも。


これからの予定

 これからの連載の予定をお知らせしておきます。いま予定しているのは以下の12の文字・12の言語です。2年の予定ですが、この2年が終わると「12の言語、12の文字で聖句が書けて、声に出して読める!」という、まったく何の役にも立たない人になれます。

 ちなみに以下はあくまでも予定なので変更の可能性もありです。ひとつの言語に、だいたい8回くらいの連載を考えています・・・が、これもだいたい8回で、どうなるかわかりません。

「国を超え、時代を超えたマルチ・リンガル写経!」

 ・・・なんですが、実はほとんどが紀元前のものなので、国は超えてるけど、あまり紀元は超えていませ~ん。

1.サンスクリット語で写経する『般若心経』
2.ヘブライ語で写経する『旧約聖書』
3.コイネー(古典ギリシャ語)で写経する『新約聖書』
4.シュメール語で写経する『イナンナの冥界下り』
5.アッカド語で写経する『ギルガメッシュ叙事詩』
6.甲骨文で臨書する「龍神の占い」
7.金文で写経する『論語』
8.チベット語で写経する『般若心経(大本)』
9.梵語で写経する『般若心経』
10.パーリ語で写経する『法句経(ダンマパダ)』
11.アラビア語で写経する『コーラン』
12.ヒエログリフで写経する『死者の書』

 あ、それから僕は字があまり上手ではないので、お手本はフォントを使います。ほとんどの言語にフォントがあるのが驚きです。ときどき上手な方のお手本も紹介できると思います。

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安田登(やすだ・のぼる)

1956年千葉県銚子市生まれ。高校時代、麻雀とポーカーをきっかけに甲骨文字と中国古代哲学への関心に目覚める。高校教師をしていた25歳のときに能に出会い、鏑木岑男師に弟子入り。能楽師のワキ方として活躍するかたわら、『論語』などを学ぶ寺子屋「遊学塾」を東京(広尾)を中心に全国各地で開催す る。また、公認ロルファー(米国のボディワーク、ロルフィングの専門家)として各種ワークショップも開催している。著書に『能に学ぶ「和」の呼吸法』(祥伝社)、『身体感覚で「論語」を読みなおす。』(春秋社)、『異界を旅する 能  ワキという存在』(ちくま文庫)『本当はこんなに面白い「おくのほそ道」』(実業之日本社)、『あわいの力 「心の時代」の次を生きる』(ミシマ社)など多数。

あわいの力

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