古代文字で写経

サンスクリット語で般若心経 第9回

2014.06.07更新

チベット語で女の子と文通する

 先週はお休みをしてしまい申し訳ございまんでした。しかも前回、「来週のどこかで」なんて書きましたが、とうとうこんな日になってしまいました。

 ほんと、すみません。

 実は来週もかなり危ないので、先に「ごめんなさい」、言っておきますね。またお休みになるかもです。いま新しい本が最終局面に入っているのです!

 前回から五十音表をやっていますが、これが手元にあると自分の名前を書いたりして遊べます。

 それだけではない!

 僕が出た中学は超イナカで、いなかであるだけでなくめちゃくちゃな先生が多くて、たとえば中学時代に女の子と付き合っているということがバレただけで(教室でイチャついていたとかそうわけでなくてね)、職員室の前にバケツを持って立たされていました。

 そんなわけなので、女の子との手紙のやりとりもシークレット。そこで始めたのがチベット文字で手紙のやり取りをするというもの。お互いにチベット文字の五十音表を覚えて、それでローマ字のように文章を書いて手紙のやり取りをするわけです。

 これだと見つかっても何が書いてあるかがわからないし、それ以前に誰が書いたかもわからない。

 しかも将来、「チベット語を習おう」と思ったときに最初の関門は突破できている。一石二鳥ですっ!

...てなわけで、みなさんもぜひ良い子にすすめてください。


濁音と小さい「ゃ」

 さて、五十音表の続き。今回は濁音(ガとかザとか)と小さい「ゃ」がつくものです。

 では、まずは濁音



 次は小さい「ゃ」がつくもの。これは「や」という文字をつければいいですね。


自分の名前を書いてみよう

 さて、これで五十音表はできたので自分の名前をデーヴァナーガリー文字で書けるのですが、いくつか注意事項があります。

 まず、小さい「っ」があるもの。これはアルファベットと同じ方法で作ります。

「にった」の場合は「nitta」と「っ」のあとの文字をふたつつなげます。デーヴァナーガリー文字の面倒なのは、その場合、結合文字になってしまうことですね。

 というわけで「はった」さんの場合は次のようになります(「はった」さんという能楽師の方が観世流にいらっしゃいます)。


・「ん」が途中につくもの

「けん」とか「へん(こんな名前ないか)」とか最後に「ん」が付くのは前回の五十音表の最後の文字を使えばいいのですが、途中に付く場合は「ん」の縦線が省略されて、これと次の文字とで、やはり結合文字のようになります。

 さっきの「はった」さんの応用で「はったんだ」さんの場合は次のようになります(「はったんだ」さんという能の笛方の方がいらっしゃいます)。

「お」と「え」は「おー」と「えー」になります。

 サンスクリット語は、「お」という音や「え」という音はなく、すべて「おー」「えー」になります。ヨガが本当は「ヨーガ」というのと同じですね。

 ですから僕の「やすだ のぼる」を書くとこうなるのですが・・・

 発音をすると「やすだ のーぼーる」となって、なんとも間抜けな名前になるのです。

 でも、まだ「やすだ のぼる」はましな方です。

 この方、なんと読むかわかりますか。

 そうです。「おの ともこ」さんですね。でも、発音をすると「おーのー とーもーこー」とすべて伸びてしまって、寿限無寿限無のように名前を呼ぶだけでもかなりの時間がかかってしまう名前になってしまうのです。

・名前、姓でインド線を引く

 上記の例でもわかるように名前で一本のインド線、姓で一本のインド線を引きます。

 ちなみにインドも名前が先で姓があとが普通ですが、しかしこのごろ英語でも日本の語順に合わせて姓を先、名前をあとということもあるので「日本語ではこういうふうにいうんだ」と主張すればいいと思います。

 では、先週の分と今週の分で、どうぞご自分の名前をデーヴァナーガリー文字で書いてみてくださ~い。

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安田登(やすだ・のぼる)

1956年千葉県銚子市生まれ。高校時代、麻雀とポーカーをきっかけに甲骨文字と中国古代哲学への関心に目覚める。高校教師をしていた25歳のときに能に出会い、鏑木岑男師に弟子入り。能楽師のワキ方として活躍するかたわら、『論語』などを学ぶ寺子屋「遊学塾」を東京(広尾)を中心に全国各地で開催す る。また、公認ロルファー(米国のボディワーク、ロルフィングの専門家)として各種ワークショップも開催している。著書に『能に学ぶ「和」の呼吸法』(祥伝社)、『身体感覚で「論語」を読みなおす。』(春秋社)、『異界を旅する 能  ワキという存在』(ちくま文庫)『本当はこんなに面白い「おくのほそ道」』(実業之日本社)、『あわいの力 「心の時代」の次を生きる』(ミシマ社)など多数。

あわいの力

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