へなちょこ古代史研究会

第4回 古代から変わらない、国東の風 ミルコレポート②

2011.12.14更新

クボやんと「くにさき古代祭り」へ出かけ、地元吹奏楽団の演奏や和気優さんやテツ助安や喜納昌吉さんの歌をきき、大分・国東半島の食材を使ったB級グルメを食し、勾玉造りに参加し、高床式住居で遊んだ。(写真参照)
一日じゅうひなたに出たのは、何年ぶりだろう。
どこまでも広い空。
土埃の匂い。
2011、秋――おそらく古代から変わらない、国東の風。

子どものように太陽を存分に浴びてクタクタになった私たちは、夕方、宿泊先の"くにさき弥生のムラ"のホテル「いこいの村国東」に向かった。
チェックインするとフロントの方が、「今夜9時ごろウミガメが生まれるので、見に行かれてはいかがでしょう?」と誘ってくださった。
海岸にウミガメふ化のためスペースをつくってあるという。

タマゴが埋まっている砂浜のその場所から、タマゴの殻を破ってウミガメの赤ちゃん
が出てくる。
赤ちゃんは砂を掻き分け地上へあがり、そこから、海に向かって進む。
その様子をなんとか見ようと、地元のテレビ局やカメラマンや住民のみなさんが集まってき、ウミガメふ化スペースを皆で囲んだ。
クボやんと私も、その輪に加わった。
暗闇の海岸。

砂浜の一点を見つめて、ウミガメふ化スペースでじっと待つこと5時間。
生まれたウミガメの赤ちゃんはじつに小さかった。
おとなのウミガメはあんなに大きいのに。
赤ちゃんたちは生まれたてであるのに、よちよちながらぐんぐん歩いて、海に向かって行った。
本能だ。

しかし、なかなか海に入れない。
いく度もいく度も、波に浜へ打ち戻される。
それでも諦めず何としてでも海に向かう、けなげな赤ちゃんたち。
どうしても、海へ。どうしても、海へ行くのだ。
涙ぐみながらその様子を見守り続け、ついにさいごの一匹まで、赤ちゃんが海に呑み込まれていくのを見届けた。

あのときの感慨を、私は忘れることができない。
地球というものに包まれて命がはぐくまれている。
そう思った。
それから、絶対に海を汚せない、とも思った。
あんなにかわいい生き物が、あんなに望んで向かう海という場所を。

あのとき出あったウミガメちゃんたちは、ひと晩のうちに海底にもぐり、その後一年
かけてアメリカ西海岸に向かうのだそうだ。
そして三十年後に、また国東の浜に帰ってくる。
その約束が破られることはない。
古代から、ずっと。

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古代祭りに集まった人びと

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和気優さんの熱いステージ。農民カフェにも一度行ってみたい

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B級グルメ・コンテストに参加したお店

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私たちを古代祭りに呼んだエイト・カンパニイのヒロ助安と

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カッターと紙やすりで勾玉をつくる

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勾玉完成

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高床式住居が建ち並ぶ弥生のムラ

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「いこいの村国東」に到着。運命の出会いがここに――

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ウミガメふ化スペース。四角く囲ってある

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ふ化スペースを囲み、ウミガメが生まれ出てくるのを待つ人びと

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ウミガメのふ化直前。人びとの視線があつまる

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生まれたウミガメの赤ちゃん

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海に向かってウミガメ・ロードを往く赤ちゃんたち

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波打ち際にたどり着いたウミガメの赤ちゃんと、それを見守る人びと

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山口ミルコ、高瀬毅、萱原正嗣というフリーライター三人衆+ミシマ社京都・城陽オフィス窪田

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