へなちょこ古代史研究会

第7回 流血の理由 ミルコレポート③

2012.01.25更新

ことしの お正月、三が日のほとんどをBSジャパンをみて過ごした。
「池上彰の現代史講義」の一挙放送をやっていたからだ。
昨年の夏、信州大学での講義をまとめたもので、第2次大戦以降の世界の動きを、池上さんがわかりやすく解説されていた。
池上彰さんが何年も前から、本でもテレビでも大人気なのは知っていたが、池上さんの番組をしっかりみたのは初めてだった。
バラエティー番組と違って実際の授業なので、話がダイレクトに伝わってくる。
私にはそれがみやすかったので熱中して観た。

よくまあこんなにいろんな国のことがアタマに入っておられるなと感心したが、さらに、さまざまな歴史の重要シーンの現場に、池上さんご自身がじっさいに行かれていること、そしてどの事実に対しても池上さんの実感というのものがこもっており、それが話の端々に滲み出て、講義にいっそうのリアリティを与えている。

それにしても人間とは如何に争いを続けるものよ。
古代から争いを重ね、学びを重ねて、ひとびとは成熟してきたはずである。
ところが世界で今日も血は流れている。

現代史において、中国と台湾、パレスチナとイスラエル、イラクとアフガニスタン、ベトナム戦争、キューバ危機・・・こうして各地での争いをみていくにつけ、対立とは、当事者同士だけが原因のものではないというところについ、目がいく。
かならず、対立のシナリオを書いている第三者の存在が浮かび上がってくる。
敵が敵とはかぎらないということが、つねにある。

この第三者というのが、厄介なのだ。いつの世も。
そしてその厄介=第三者が乗り込んで来やすいのが、「小さな不満」が生まれたときだ。
そんなときひとはたいてい、ふと感謝を忘れてしまっている。
そこを、憑かれる。

第2次大戦後66年、世界の動きを池上さんの解説で一気にきいて思うのは、誰もが大切な命なのだから、一人ひとりが自分をしっかり持たなければならないということである。
真理を見極める知性を身につけること。
そしてよこしまな力にまどわされない信念を持ち、たましいをみがくこと。
そもそも日本の場合は古代から、一部の権力者による凄まじい勢力争いの一方で、日本人の大多数は争いを好まないらしかった。
卑弥呼の時代には、庶民は男女の差なく輪になりお酒を飲み交わしているようすが魏志倭人伝にも描かれているという。
おそらくその輪に、「小さな不満」はない。
謙虚に現状に感謝する心、自然の恵みに感謝する心、を一人ひとりが持っている。

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山口ミルコ、高瀬毅、萱原正嗣というフリーライター三人衆+ミシマ社京都・城陽オフィス窪田

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