高松こんまい通信

第4回 高松のゴッドマザー

2011.02.24更新

「こんまいマチ案内」編(vol.3)――高松のゴッドマザー ミゾレさんのこと

第4回こんまい通信

高松のアーケード街から少し入ったところにある横町・祇園小路。どこからともなく聴こえてくるハワイアン音楽に誘われて入ったお店はKitchen Caféさんでした。お店に入ると甘くて爽やかな香りに包まれます。誘われたのは、音楽だけではなかったのかもしれません。

Kitchen Cafeといっても、ここはカフェではありません。数十円のスプーンから何万円もするワイチェアまで様々なものが揃う、まさに「雑貨屋」さん。

「今まで、ありとあらゆるものを売ってきたよ」というのは、16年間この場所で変わらず雑貨屋さんを営む店主のミゾレさんです。

お店を始める前、東京旅行中の電車のなかで偶然再開した同級生が持っていたサシェ。
彼女に勧められて仕入れることになったサシェ(香り袋)は、今では、お店の人気ナンバーワン商品です。じつは、このサシェがいい香りの元でした。

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この場所でこの人に出会ったことで始まること。「縁て不思議やわ」という言葉通り、ミゾレさんからは次々とエピソードがあふれてきます。

「うちは旅人が多いんよ。ふらっと一人旅の女の子がよく来る」

次にどこに行けばいい? おすすめのお店は?

まるで透明の「高松案内所」の看板がかけられていて、わかる人にだけ見えているのかのように、引き寄せられてここにたどり着く人の多いこと。旅に出ると、嗅覚が冴えるのでしょうか。

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「はい、次の方どうぞ! っていう感じね」と笑うミゾレさん。この間もお店の前で、台湾の女の子と友達のイラストレーターさんが話していました。仲良さそうに話しているので、てっきり友達かと思いきや、さっきミゾレさんから紹介してもらったばかり、とのこと。

台湾からひとりで高松に来た彼女のために、英語のできる人を紹介したというわけです。こんな風に日々、いろんな人がミゾレさんに相談しに来たり、会いに来たり。まるで高松のゴッドマザーです。

"ゴッドマザー"といえば、カクテルの名前にも。アマレットとウォッカでつくられる甘くて強いお酒です。アマレットの甘い香りは、芯が強く、愛情深い女性にたとえられることがあります。高松のゴッドマザーのいるKitchen café。「困ったときは、ミゾレさんの所へ」。看板は見えないけれど、甘い香りを漂わせて、今日も道や人生に迷った人の案内所の役割をしているのです。

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