高松こんまい通信

第11回 小豆島の「迷路のまち」

2011.06.09更新

こんまいマチ番外編――小豆島の「迷路のまち」のこと

普段こんまい高松で暮らしている私たちですが、先日ある島の「こんまいマチ」に出会いました。高松港からフェリーで1時間、瀬戸内海で2番目に大きな島・小豆島土庄町本町の「こんまいマチ」。通りを歩けば昭和の看板にぶつかり、空き地では土管のような井戸に出会います。しゃがめば壁についたマンホール、そして上を見れば屋根から生えたサボテン、と何気ないものばかりなのですが、どれも私の心を捕らえて離しません。

第11回高松こんまい通信

左:レトロ看板 中:井戸 右:サボテン

右へ左へ、ついつい引き込まれて歩いていると、いつの間にか自分のいる場所がわからなくなってしまいました。こっちから来たはずなのに、逆から見ると違う風景。あっちに道があると思ったら、行き止まり。一体このマチはどうなっているの?!

それもそのはず、このマチの通称は「迷路のまち」。かつて海賊からマチを守るため、また南北朝の戦乱に備えるため、複雑な路地が形成されたと言い伝えられています。

第11回高松こんまい通信

迷路のまち


もちろん、路地のつくり自体「迷路」なのですが、このマチに引き込まれてしまうのは「迷路」のせいだけではないことに気がつきました。今年の5月に「迷路のまち」に新しくできたばかりのアートスポットMeiPAM代表の柳生忠平さんは「土地の記憶」という言葉でこのマチの魅力を語ります。今は使われていない看板や昭和のお菓子の名前がプリントされたベンチ。今も昔も、マチでの暮らし方は人それぞれ。このマチで過ごしてきた記憶は時代と共に移り変わっても、マチのなかに遺された断片をたどると、かつてここで暮らしていた人たちの生活を垣間みることができます。そんなかつての暮らしの痕跡が、現在の暮らしと交わり、私たちの心に残っていくことを柳生さんは願っています。

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左:柳生さんご夫婦 右:ベンチ

「こんまいマチ」を歩くとき、アドリブの効いたお芝居を見ているような感覚になることがあります。決まりきったシナリオ通りに進むドラマではなくて、何が起こるかわからないワクワクする気持ち。どこにでもあるようで、今ここにしかない光景。それにかつて生きた人々の足跡が加わると、お芝居はより味わい深くなります。

そうか、私は毎日小さなお芝居を楽しませてもらっていたんだ。しかも、時には自分が舞台にあがることになってしまう「こんまいマチ」。何かを買うわけではなく、マチをぶらぶらするのが好きなのは、そういう理由があったのか、と小豆島の「こんまいマチ」に出会って気がついたのでした。


第11回高松こんまい通信

MeiPAM
小豆島・土庄本町 迷路のまち
パフォーマンス&アート&マルシェプロジェクト
香川県小豆郡土庄町甲405(MeiPAM01)
開館時間10:00〜18:00(入館は30分前まで)
休:月曜
☎:0879-62-0221
http://meipam.net/

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