高松こんまい通信

第19回 呼応するステージ

2011.10.11更新

「こんまいマチ案内」編(vol.12)――シアタービートニクスのはたさんのこと

第19回こんまい通信

高松の劇団のひとつ、コントユニット シアタービートニクス。主宰は演劇を始めて20年目になるはた栄二さんです。テレビ局で働きながら演劇活動を続けてきたはたさん。役者としてだけではなく、小道具、舞台美術、演出・・・あらゆる形で劇団に関わってきました。

しかし、本業の忙しさから納得のいく関わり方ができなくなり、本番すら観に行けないほどに。今振り返っても「どうやって劇団を続けてきたの?」と周りに言われるくらい、殺人的な日々を送っていたと言います。このまま続けるのは難しいかもしれない。でも、どうしても止めたくない・・・。だったら「自分のペースでできる劇団をつくればいい!」と2005年、当時の劇団を辞め、コントユニット シアタービートニクスを立ち上げました。

シアタービートニクスでは演劇だけでなく、音楽やアートの分野の人達も集まって企画や広報物などをつくっています。「異分野の人が集まることで、予想外の展開が生まれることがある。何が起こるかわからないけれど、今まで見たことのない場を体験してみたい」それが、はたさんのモチベーションになっているのかもしれません。

コントライブ本番5日前。稽古場に潜入取材させていただきました。マチ中から車で15分、源平合戦で知られる屋島の南方の一軒屋で行われていました。既に稽古は白熱。扉を開ける前から聞こえてくる台詞に、思わず吹き出してしまいます。稽古中、一貫して「場を読む」ということをみなさんは言っていました。

第19回こんまい通信

自分の台詞を一生懸命言うことよりも、相手の台詞を聞き、瞬間瞬間の"間を感じる"こと。舞台は生もの、特にコントは脚本通りにしたからと言って笑ってもらえるわけではありません。その生きたタイミングをはたさんは「一番気持ちのいいリズム」と言いました。また「練習ではあえて100%つくりあげずに、何があっても大丈夫なように引き出しだけは多く持っておいて、本番でお客さんと100%にする」とも。

第19回こんまい通信

去る10月1日・2日は、シアタービートニクス恒例の秋公演でした。本番は、稽古で見たときとまったく違う印象。その時に集中して、役者と観客が「場」をつくりあげていく面白さ。

『明日お越しいただく皆様と、今日とはまた一味違う最高のライブを創りたいと思います』(1日目が終わったときの、シアタービートニクスのブログより)

生きた場というのは、役者とお客さんの呼応で生まれるもの。どんなものが生まれるのかは、やってみるまで誰もわかりません。毎回違って、毎回最高。その生きた場に、観客の私も参加できたことを心から嬉しく思いました。

追伸
高松こんまい通信vol.2で登場した広瀬さんもシアタービートニクスのメンバーのひとりです。

 
シアタービートニクス
http://www.t-beatniks.com/

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