高松こんまい通信

第23回 血となり肉となり

2011.12.08更新

「こんまいマチ案内」編(vol.16)――ふみやのこと

第23回血となり肉となり
「こんまいマチ案内」編(vol.16)----ふみやのこと

風邪を引いた、調子が出ない、今夜は山場だ・・・そんなときに無性に食べたくなるものがあります。それが、「ふみや」のお好み焼。体調がいいときでも禁断症状が出たかのように、「ふみや」のお好み焼を食べに行くこともあります。そんなときは、"なんとなく食べたい"ではなく、とにかく「ふみや」でないと駄目だ、というとき。

真っ赤な暖簾をくぐり、「なんにしましょかー」という大将の声に「肝玉ひとつ」と答えたら、後は焼かれるまで黙って待つ。大将の背中を見ながら、ジュージューと焼かれる他のお好み焼たちを見守りながら。カウンターのみの店内では、満席であっても話声はほとんどなく、みんなお好み焼を黙って待っています。

この店の特徴は、ラードで揚げるように焼くこと。揚げるように焼くので、外はカリカリ、なかはもちっとした生地に鶏肝とキャベツがゴロゴロ。ヘラをがしっとにぎり、目の前の鉄板に運ばれた"それ"を一口ずつ切って、はふはふしながら食べます。店内では、大将はもちろん奥様もほとんど話しません。それにつられるかのようにお客さんも黙々と食べます。体中にお好み焼のにおいを染み込ませて、お腹が温かくなる頃には体が元気になっているのです。今からまた頑張ろーと。

ROOTS BOOKSでは、ハードな仕事状況のときも栄養ドリンクは飲みません。その代わり、ふみやのお好み焼を食べるのです。どちらからともなく(ROOTS BOOKSは現在ふたり)「ふみやにしますか?」が出ると「今日は山場」の合図。

自分が食べたものが、血となり肉となる。普段は意識していないこのことを、ふみやのお好み焼は「体」で気づかせてくれる、高松の貴重な食べものです。こうやって書きながらまた食べたくなってきました。明日、ふみやは休み。今日の夜はふみやにしましょう、小西さん。

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おまけの話・・・一見頑固そうな大将には以外な一面があります。大将の頭に巻かれたハチマキが毎日変わることに気がついたのは3年前。それからというもの、お店の前を通る度に大将のハチマキをチェック。お正月柄、桜柄、クリスマスはもちろん、ツリー柄。お客さんがお土産で買って来てくれることもあるそうです。今日はイチョウ柄。「もうイチョウも終わってしまうね」と大将は言いました。


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ふみや
高松市瓦町2-2-35
☎ 087-831-5090
営:11:00〜14:30、16:00〜20:00
休:火曜日

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