高松こんまい通信

第33回 大人のための砂場

2012.05.10更新

「こんまいマチ案内」編(vol.26)――Box Gallery Make Merry! -for the creator- の三宅さんのこと

第33回 大人のための砂場「こんまいマチ案内」編(vol.26)----Box Gallery Make Merry!-for the creator-の三宅さんのこと

日本一長いアーケードのある高松中央商店街。

その南エリアは、単館ロードショーの映画館、小さなライブハウスや演劇ホールのある文化的なスポットです。10年ほど前までは多くの若者で賑わっていたこのエリアですが、今はお店の約3分の1が閉まっているいわゆる"シャッター通り"に。

自分が高校生のときのマチの様子との違いに愕然としたひとりの女性が、6年前、この場所にボックスギャラリーを開きました。

「拠点づくりがしたかったんです」と話すのはBox Gallery Make Merry! -for the creator-を営む三宅さん。ボックスギャラリーとは、並べられた箱の一角を作家が借りて展示販売できるというもの。

第33回 大人のための砂場「こんまいマチ案内」編(vol.26)----Box Gallery Make Merry!-for the creator-の三宅さんのこと

なんと、1日100円以下で小さなお店の店長になることができます。アート系のクリエイターが"立ち止まれる場所"がこの辺りにはない、と三宅さんは会社員時代に貯めた貯金をはたいて物件を借りました。ギャラリーといっても、オープン当初埋まっていたボックスはたったひとつ。しかし、今では50名ほどの作家さんの作品が並び、現在の登録作家数は250名を超えるとか。

また、店の奥には誰でも自由に時間を過ごせるテーブルがひとつ。アーティスト、学生、主婦や子どもなど様々な人が制作したり、おしゃべりしたり、いつ行っても誰かがいて、ワイワイと賑やか。文字通りマチのたまり場となりました。

第33回 大人のための砂場「こんまいマチ案内」編(vol.26)----Box Gallery Make Merry!-for the creator-の三宅さんのこと

「みんなと出会えたことが幸せ」とまっすぐな瞳で話す三宅さん。

MM(マチの人たちは、三宅さんのお店をエムエムと呼びます)でたまたま出会った人たち同士で、イベントを企画したり、新しい作品が生まれたりすることもあります。人と人が出会って、何かが生まれていくときのワクワク感。

三宅さんは、いくつもの"キラキラが伝染する"出会いの化学反応を目の当たりにしてきました。「ここ(MM)だけでは吐き出せないエネルギーが、マチにどんどんはみ出していったらいいのに!」。

時には、MMでマチの未来の企画会議が始まることも。どんな人の意見も否定しない三宅さんの安心感に、集まった人のアイデアと妄想は増殖を続けます。それが、店の中に収まりきらなくなって、マチの中に溢れていく・・・。

三宅さんは、お店の運営だけでなく、クリエイターを巻き込んだイベントを商店街で行ってきました。商店街が"シャッター通り"になってしまったのなら、シャッターの前でお店をすればいい、と若手のクリエイターを集めて各自でつくったものを販売するイベントを行ったり、マチにワクワクがなくなってしまったなら、マチ全体を"ゆうえんち"に見立てたイベントを企画したり。MMの活動のなかで、制作や発表の場を広げていったアーティストも少なくありません。外に出て行った人が再びMMに帰ってきてくれるのも嬉しい、と話す三宅さんはまるで"お母さん"のような雰囲気でした。

 「小さなころは砂場で、みんなでひとつのお城をつくってたけど、大人になったらそういう場所がほんとになくて。自由に来て、遊べる大人のための砂場みたいなところになればいいなあ、と思っています」。


第33回 大人のための砂場「こんまいマチ案内」編(vol.26)----Box Gallery Make Merry!-for the creator-の三宅さんのこと

Box Gallery Make Merry! -for the creator-
住所:高松市南新町6-4 第2池田屋ビル2階 東側
☎ 087-835-5818
営:12:00〜18:30(18:30〜制作しているときは開いています。電気がついてたら、立ち寄ってください)
休:火・第2日曜日
http://ameblo.jp/boxgallerymakemerry/

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