高松こんまい通信

第34回 マチの保健室

2012.05.24更新

「こんまいマチ案内」編(vol.27)――阿吽の佐藤さんのこと

第34回マチの保健室「こんまいマチ案内」編(vol.27)----阿吽の佐藤さんのこと

高松の商店街のひとつ、トキワ街(がい)。このメインストリートから、南へ路地に入ったエリアを私たちは通称「裏トキ」と呼んでいます。裏トキに続く細い路地は、歩くだけでちょっとドキドキ。占い屋があったり、レトロな看板があったり、メインストリートとは違う雰囲気を醸し出しています。

そんな裏トキにある「阿吽」は、店主・佐藤さんがセレクトした洋服やアクセサリーが並んでいるセレクトショップ。でも私にとっては、マチの保健室のような存在なのです。仕事帰りに立ち寄って、佐藤さんとおしゃべりする。すると、気持ちがリセットされて、またがんばろう、と思えるそんな場所です。

お店の奥には、障子戸で囲われたスペースがあり、そこでお茶やお菓子をいただけます。昔の駄菓子屋のようなこの場所には、いつも誰かがここにいて、佐藤さんと話をしています。その光景が、まるで学校の保健室のように見えるのです。ちょっとした駆け込み寺のような・・・。ここは、セレクトショップですよね? ついつい、佐藤さんに聞いてしまいました。

第34回マチの保健室「こんまいマチ案内」編(vol.27)----阿吽の佐藤さんのこと

「そう。最初は、自分の好きなもの、選んだものを並べていたのだけど・・・。最近、"もの"を売りたいからお店をしているんじゃない、と気がついて」。

お店で"もの"を売らないなら、どうやって生計を立てていくんですか?! 

「そこも悩みなんですよね。もちろん、"もの"を売ることは続けていくんだけど、それが自分の目的じゃない。いろんな人が集ってくれる、この"阿吽"という場所をどうやって続けていくかが課題なんですよ」。

ここに来て、家族や友達にも言えないようなことを佐藤さんに聞いてもらう人も少なくありません。あっという間に2時間、3時間が経っていたという人もいます。そんな佐藤さんの存在は、まるで保健室の先生のよう。どんな話も、ただただ、聞いてくれる。

第34回マチの保健室「こんまいマチ案内」編(vol.27)----阿吽の佐藤さんのこと

「例え、家族だったとしてもそれぞれ仕事や家事をしているから忙しいのかもしれないですね。友達と一緒にいたとしても携帯を触りながらとか、隣りにいる人に100%向き合うことなく過ごしている人も少なくないんじゃないでしょうか」。

佐藤さんは、どんな人の話も"人として"、心をまっすぐとその人に向けて、聞いてくれます。そんな佐藤さんのところに、通う人たち。

商店街の喧噪から離れた静かな場所にある阿吽は、まるでマチの保健室。マチのお店一つひとつに役割がある。「売り買い」だけが、マチに求められているわけではないということを「阿吽」が教えてくれました。


第34回マチの保健室「こんまいマチ案内」編(vol.27)----阿吽の佐藤さんのこと

阿吽
高松市常磐町1-9-17
☎ 087-833-3920
営:13:00〜20:00
休:水曜日
http://ameblo.jp/aun2006/



●おまけ

第34回マチの保健室「こんまいマチ案内」編(vol.27)----阿吽の佐藤さんのこと

幸せのかえる天使
佐藤さんが生んだ「幸せのかえる天使」のグッズは、どれも手づくりの一点ものばかり。これを身につけていれば、ラッキーなことが起こるのだとか。

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