高松こんまい通信

第35回 島のこと

2012.06.07更新

こんにちは、小西です。

「高松こんまい通信」に登場するのはほぼ1年ぶり?! とっても長らくご無沙汰しています。いつもこんまい高松の街なかのことをお伝えしているイマイ(旧姓ミムラ)が街中を探検しているなか、私は相も変わらず島へ通っておりました。

弊社では、出版社を立ち上げる前から「せとうち暮らし」という、香川の島を伝える小さな冊子をつくっています。昨年からはバージョンアップして雑誌として販売させていただくようになり、今春には先輩出版社である西日本出版社さんから「瀬戸の島旅」という島のガイドブックも出させていただきました。そんなわけで、平均すると毎週どっかの島に行ってる、という「まち+島」な暮らしがすっかり私の日常になりました。

第35回 島のこと

グーグルマップ(香川)

ところで、

日本は、6852島の離島からなる文字通り「島国」です。そのうち約430島が有人島。つまり人が住む島で、香川県の有人島数は24島。じつは全国で3番目に有人島が多い県(※1)なんです。しかも県民当たりの島民比率は全国2位(※2)。「県民の25人に1人は島暮らし」という、じつはとっても島暮らしに恵まれたまちなんですね。

※1、2:2009年離島統計年報より

しかーーーし!

生まれも育ちも香川なわたくし、島に通い始める6年前まで、そのことをまったく知りませんでした(!)。「香川に有人島がこんなにあるの?!」って驚いたくらい。でも、香川県民の多くの方がきっとそうだと思う(違ってたらゴメンナサイ)。例えば、「香川県の地図を描いてください」って言ったら、たいていの人は、ちょっと歪んだ台形を描くでしょう。つまり香川県の"本土"の部分。その上側にちりばめられている大小の島々を描く人は決して多くないはず。だって毎日見ている天気予報の地図でさえ、そうなんだもん。

つまり、気づかないうちに頭のなかで「島の存在を省略してた」ってことです。見えてるのに見てこなかった。

ところが、数年前、10年ぶりくらいに島を訪れて、ぶっ飛んだわけです。こんなすぐ側に、ミラクルな世界があったなんて。猛烈カルチャーショック。香川にいながら、毎日海外旅行ですよ(たしかに海外だけど)。もー、心揺さぶられまくりです。

それまでにだって、多少の島経験はありましたよ。日曜日に家族で観光スポットへ遊びに行ったり、友達と海水浴に行ったり。でもこんなことは起きなかった。一番の違いは「人」です。

島のほんとうのお宝は、島を歩いただけじゃわからない。じつは、そこに暮らす島の人たちのなかにあるのだと私は思います。例えば、島の皆さんが毎日当たり前に食べてる食事。冷蔵庫を開けるように、裏の畑で大根を抜き、向かいの海で魚を釣る、なんて夢のような暮らしをしている人もいます。他にもお祭りの作法や、水との付き合い方、海を読む方法。なんてコトない塀でさえ、意味と知恵と歴史が詰まってる・・・。こんなことを書きつつも、私が見聞きしたことなんてほんのわずか。じつはまだまだ島のこと、よく知らないのです。だからとにかく島へ行きたい(笑)。こうして"島病感染者"になったわけです。

第35回 島のこと

上左:7年ぶりに復活した虫送り(小豆島)
上右:島の夕日(男木島沖)
中左:おばあちゃんとネコ(イリコの島で知られる伊吹島)
中右:ある日の島の食卓
下左:島の朝日(女木島から高松を臨む)
下右:2年に一度の住吉大祭(女木島)

もし島にひとりでも知り合いができたら、きっと島の見え方が変わってくるかもしれない(少なくとも私は変わった!(笑))。そんなチョー個人的な思い込みとおせっかい心から、島の雑誌やガイドブックをつくっているわけですが、こんな私にも、ただひとつだけ、思い込みではないことがあります。

それは「時間がない」ということ。島のなかには、人口20人足らずの島や高齢化率が7割を超える島もあります。島に人が住まなくなってしまったら、島のお宝も一緒に消えてしまう。これはどの島にも共通する課題です。少なくとも香川の島で言うと、この10年が勝負? と感じています(この話を島の長老にしたら、「アホか、あと5年じゃ!」と発破をかけられましたが)。

翻って見ると、今、日本中の島で同じことが起こっているんだと思います。そもそも、日本を構成する6852の島のうち、"本土"は北海道、本州、四国、九州のたった4つ。残りの6848島は、もしかしたら、わたしたちが見えているのに見てこなかった場所かもしれません。お宝が消えてしまう前に。今なら、まだ間に合うと思うのです。

お便りはこちら

みんなのミシマガジンはサポーターの皆さんと運営しております。

ROOTS BOOKSルーツブックス

日本で一番小さな県、香川県の高松市にある出版社。
本は、考え方や生き方の「ものさし」をつくるものだから。
本という媒体を通して、借り物ではない自分たち(香川)のものさしをつくって行きたいと思います。

ROOTS BOOKS vol.1
せとうち暮らし

バックナンバー